“へつつひ”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
55.6%
土竈44.4%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
其の大事な火、高價な灰の入つてゐる爐へ、目見えに來たばかりの下女お駒が、へつつひの下の焚き落しを十能に山盛り入れた時の騷ぎは、今でも鮮かに自分の眼に殘つてゐる。
父の婚礼 (旧字旧仮名) / 上司小剣(著)
宜道ぎだうへつつひしてめしをむらしてゐるあひだに、宗助そうすけ臺所だいどころからりてには井戸端ゐどばたかほあらつた。はなさきにはすぐ雜木山ざふきやまへた。そのすそすこたひらところひらいて、菜園さいゑんこしらえてあつた。
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
「それは考へられない事はないが、後ろから突くのはあんまり卑怯ひけふだ。それに、自分の持つて居た人相書を土竈へつつひの穴へ入れるのは變ぢやないか」
「だから隱すなと言つてるぢやないか、——その時江戸へ持つて來た大事な書き物があつた筈だ。それをこの土竈へつつひに隱してから、何年になるんだ」