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雜木山
我々の
著手するのは、一
本老松のある
雜木山の
中で、
一寸眼には、
古墳でも
有るかと
思はれるが、これは四
方を
畑に
開いて
自然に
取殘された一
區劃に
他ならぬ。
宜道が
竈の
火を
消して
飯をむらしてゐる
間に、
宗助は
臺所から
下りて
庭の
井戸端へ
出て
顏を
洗つた。
鼻の
先にはすぐ
雜木山が
見へた。
其裾の
少し
平な
所を
拓いて、
菜園が
拵えてあつた。
『
掘るのなら
僕の
知つて
居る
者の
雜木山が
好い。
案内するから
來給へ』と
文海子は
先きに
立つた。