“隙洩”の読み方と例文
読み方割合
すきも100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
六部はなにか急ぎ足だったが、もう一度軒下へもどって行って、隙洩すきも燈火あかりにかざしながら、仔細に印籠の模様や緒〆おじめを調べていた。
宮本武蔵:05 風の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
田舎いなか娘のように自然に対する敏感な感傷癖も、格別なかったけれど、他国もの同士のなかに縛られているつらさが、隙洩すきもる風のように時々心に当たって来て
縮図 (新字新仮名) / 徳田秋声(著)
片側町かたかはまちなる坂町さかまち軒並のきなみとざして、何処いづこ隙洩すきも火影ひかげも見えず、旧砲兵営の外柵がいさく生茂おひしげ群松むらまつ颯々さつさつの響をして、その下道したみち小暗をぐらき空に五位鷺ごいさぎ魂切たまきる声消えて、夜色愁ふるが如く
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)