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隙洩
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すきも
ふりがな文庫
“
隙洩
(
すきも
)” の例文
六部はなにか急ぎ足だったが、もう一度軒下へもどって行って、
隙洩
(
すきも
)
る
燈火
(
あかり
)
にかざしながら、仔細に印籠の模様や
緒〆
(
おじめ
)
を調べていた。
宮本武蔵:05 風の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
田舎
(
いなか
)
娘のように自然に対する敏感な感傷癖も、格別なかったけれど、他国もの同士のなかに縛られている
辛
(
つら
)
さが、
隙洩
(
すきも
)
る風のように時々心に当たって来て
縮図
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
片側町
(
かたかはまち
)
なる
坂町
(
さかまち
)
は
軒並
(
のきなみ
)
に
鎖
(
とざ
)
して、
何処
(
いづこ
)
に
隙洩
(
すきも
)
る
火影
(
ひかげ
)
も見えず、旧砲兵営の
外柵
(
がいさく
)
に
生茂
(
おひしげ
)
る
群松
(
むらまつ
)
は
颯々
(
さつさつ
)
の響を
作
(
な
)
して、その
下道
(
したみち
)
の
小暗
(
をぐら
)
き空に
五位鷺
(
ごいさぎ
)
の
魂切
(
たまき
)
る声消えて、夜色愁ふるが如く
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
案内されたのはお勝手、かなり重い
土竈
(
へっつい
)
をどけて、揚げ板を
剥
(
は
)
ぐと、中は三尺四方ぐらいの穴になっております。
隙洩
(
すきも
)
る光線で一面の
埃
(
ほこり
)
は見えますが、瓶も何にもあるわけではありません。
銭形平次捕物控:058 身投げする女
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
夜すがら
両個
(
ふたり
)
の運星
蔽
(
おほ
)
ひし
常闇
(
とこやみ
)
の雲も晴れんとすらん、
隠約
(
ほのぼの
)
と
隙洩
(
すきも
)
る
曙
(
あけぼの
)
の影は、玉の
緒
(
を
)
長く座に入りて、光薄るる
燈火
(
ともしび
)
の
下
(
もと
)
に並べるままの茶碗の
一箇
(
ひとつ
)
に、
小
(
ちひさ
)
き
蛾
(
が
)
有りて、落ちて浮べり。
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
▼ もっと見る
と、灯かげの
隙洩
(
すきも
)
る戸をさして
野槌の百
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
隙
常用漢字
中学
部首:⾩
13画
洩
漢検準1級
部首:⽔
9画
“隙”で始まる語句
隙
隙間
隙見
隙間風
隙々
隙虚
隙漏
隙取
隙潰
隙入