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へつゝひ
ふりがな文庫
“
土竈
(
へつゝひ
)” の例文
貧乏人への
施
(
ほどこ
)
しにする約束で掘ると、
土竈
(
へつゝひ
)
の下、床板を剥いで、一尺五寸ほどの深さの地中から、古い小さい
梅干瓶
(
うめぼしがめ
)
が一つ出ましたよ。
銭形平次捕物控:306 地中の富
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
「良いものが見付かつたよ、その切つた先の方、二三尺の麻繩を搜してくれ、多分、
土竈
(
へつゝひ
)
か風呂場の焚き口か、縁の下だらうと思ふが」
銭形平次捕物控:260 女臼
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
それは同じ
土竈
(
へつゝひ
)
の土の割れ目に、奧深く押し込んであつたのを、平次は少しばかりの土のこぼれてゐるのからたぐり出したのです。
銭形平次捕物控:130 仏敵
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
平次は土間に降りると、門口に立てかけてあつた、古材木を一本持つて來て、土間の隅に築いた、頑丈な
土竈
(
へつゝひ
)
を力任せに突いたのです。
銭形平次捕物控:303 娘の守袋
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
土竈
(
へつゝひ
)
の中も、羽目板の後も、絶對に見落さない筈ですが、夜中までかゝつて、小刀一梃、いや、針一本見付からなかつたのです。
銭形平次捕物控:072 買つた遺書
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
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「お寺の格天井の檜板だと言つて居ましたが、そのうちの二三枚を、細かく割つて
土竈
(
へつゝひ
)
の下で燒いてしまひました」
銭形平次捕物控:274 贋金
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
三千兩の小判が、檜木官之助の家と、屑屋の久吉と、伊八の家と、三軒の
土竈
(
へつゝひ
)
から、ゾロゾロと飛出し、
算
(
かぞ
)
へて見ると、三千兩より少し多いくらゐです。
銭形平次捕物控:303 娘の守袋
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
ところがヅブの素人で、獨り者と來て居るでせう。住んで居るのは、少し猫又見たいになつた、叔母さんといふ年寄りが一人だけ。こいつは
土竈
(
へつゝひ
)
の中に首を
銭形平次捕物控:222 乗合舟
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
殺されたお皆は、店先から取おろして、磨き拔いた釜の前——
土竈
(
へつゝひ
)
の側に寢かされたまゝにしてありました。
銭形平次捕物控:254 茶汲み四人娘
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
「曲者はそんななまやさしい人間ぢやない。
土竈
(
へつゝひ
)
か風呂の
焚
(
た
)
き口でなきや——兎も角、與吉にさう言つて、鼻の良い犬を搜し出し、ちよいと借りて來てくれ」
銭形平次捕物控:290 影法師
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
などと笑つて居たが、さう言ふお前の家の
土竈
(
へつゝひ
)
の下には、十五枚の小判が埋まつて居ると言はれ、大膳坊立ち會ひの上で掘つたのは、麹町六丁目の洒屋久兵衞だ
銭形平次捕物控:306 地中の富
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
土竈
(
へつゝひ
)
にもたれるやうに、下女のお市は變な恰好をして崩折れて居ります。それは決して唯の居眠りではなく、何となく不自然で無氣味な姿態になつて居るのです。
銭形平次捕物控:166 花見の果て
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
「伊八の娘の
信乃
(
しの
)
はこれを三枚持つて居りました。御勝手の
土竈
(
へつゝひ
)
の上の、荒神樣のところに貼つてあつたのを
剥
(
はが
)
したものです。
煤
(
すゝ
)
けたり、破けたりして居りますが」
銭形平次捕物控:303 娘の守袋
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
「それから、臺町の由松親分は、裏の小林樣の浪宅を見張つてゐるから、お前も手傳つて、この匕首の鞘を搜してくれ、打ち割つて
土竈
(
へつゝひ
)
の中に押し込んであるのかも知れない」
銭形平次捕物控:256 恋をせぬ女
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
「お前に覺えがないのに、若い女が夜中ノコノコやつて來るものか。下でうんと
土竈
(
へつゝひ
)
を
燻
(
いぶ
)
してやるから、
眉
(
まゆ
)
に
唾
(
つば
)
でもつけて應對しろ。お前は人間が甘いから、少しも氣が許せないよ」
銭形平次捕物控:287 血塗られた祝言
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
土竈
(
へつゝひ
)
の
埃
(
ほこり
)
を冠つた、赤つ毛の背の高い娘、着物も洗ひざらしの木綿物ですが、この見るかげも無い下女が、三尺のところへ來て、恐る/\顏を擧げたのを見て、平次も思はず
太息
(
といき
)
をつきました。
銭形平次捕物控:247 女御用聞き
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
やがて其の隙間からスルスルと伸びて來た
鳶口
(
とびぐち
)
が一梃、ガラツ八が念入りに縛つた引窓の綱の——
土竈
(
へつゝひ
)
の上の折釘のところの——結び目に引つ掛かると、なんの苦もなく解いてしまつたのです。
銭形平次捕物控:150 槍の折れ
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
「待つて下さい。幸ひ
土竈
(
へつゝひ
)
が見えるやうだ、火打箱か
燭臺
(
しよくだい
)
があるでせう」
銭形平次捕物控:310 闇に飛ぶ箭
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
四谷のお
常客
(
とくい
)
樣から、冬支度の仕立物を頼まれて、泊りがけで縫つて居るうち、現に目の前で、大膳坊が
土竈
(
へつゝひ
)
の下から、小粒と小判交ぜて二兩三分と掘り出したのを見て來て、私の家の土竈の下にも
銭形平次捕物控:306 地中の富
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
それに匕首の鞘をお勝手の
土竈
(
へつゝひ
)
で燒かうとしたのもをかしい
銭形平次捕物控:257 凧糸の謎
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
恐らく
土竈
(
へつゝひ
)
の蔭で、居眠りでもして居たことでせう。
銭形平次捕物控:255 月待ち
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
「
土竈
(
へつゝひ
)
の中を覗くとこれがありましたよ」
銭形平次捕物控:130 仏敵
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
土
常用漢字
小1
部首:⼟
3画
竈
漢検準1級
部首:⽳
21画
“土竈”で始まる語句
土竈坂
土竈炭