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悉
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くわ
ふりがな文庫
“
悉
(
くわ
)” の例文
あのう、今しがた
私
(
わし
)
が夢にの、美しい女の人がござっての、
回向
(
えこう
)
を頼むと言わしった故にの、……
悉
(
くわ
)
しい事は明日話そう。
南無妙法蓮華経
(
なむみょうほうれんげきょう
)
。
第二菎蒻本
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
さういふ点で江戸期の釣書にはキスやボラの釣場、海図などを
悉
(
くわ
)
しく説明し、先づ東京湾の半分は探査が行き届いてゐる。
日本の釣技
(新字旧仮名)
/
佐藤惣之助
(著)
浄めると云うのは
悉
(
くわ
)
しく調べるのである。この取調べの末に、いつでも一人や二人は極楽へさえやって貰うのである。
破落戸の昇天
(新字新仮名)
/
フェレンツ・モルナール
(著)
二郎は心のうちで、どうして姉が
斯様
(
こん
)
な山道を
悉
(
くわ
)
しく
知
(
しっ
)
ていようか……斯様なに暗いのにどうして斯様なに
路
(
みち
)
が分るだろうかと
訝
(
いぶ
)
かしがりながら
歩
(
あ
)
るいていた。
稚子ヶ淵
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
ただ一人遺っていた太郎坊は二人の間の秘密をも
悉
(
くわ
)
しく知っていたが、それも今
亡
(
むな
)
しくなってしまった。
太郎坊
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
▼ もっと見る
此の間母が江戸見物に行った時孝助に
廻
(
めぐ
)
り逢い、
悉
(
くわ
)
しい様子を孝助から残らず母が聞取り、手引をして我を打たせんと宇都宮へ連れては来たが、義理堅い女だから
怪談牡丹灯籠:04 怪談牡丹灯籠
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
「滅相もない。この道を行けば
棚倉
(
たなぐら
)
へ出てしまう。雲巌寺へはズット後戻りして、細い道を右へ曲って行かねば駄目だ」と、
悉
(
くわ
)
しく道を教えられて有難いやらガッカリやら。
本州横断 癇癪徒歩旅行
(新字新仮名)
/
押川春浪
(著)
なおゴルチーン石壁法について
悉
(
くわ
)
しく知ろうと思う者は、次の書に就いて読むがよかろう。
法窓夜話:02 法窓夜話
(新字新仮名)
/
穂積陳重
(著)
実はその少し
出立前
(
しゅったつまえ
)
に私の知って居る
薬舗
(
くすりみせ
)
の紹介で
従
(
つ
)
いて来たのだから
悉
(
くわ
)
しい事はよく知らぬけれども、何してもラサ府では空飛ぶ鳥も落ちるようなお医者さんで非常な評判だ。
チベット旅行記
(新字新仮名)
/
河口慧海
(著)
自分の胸が事の真相をいちばん
悉
(
くわ
)
しく知っているのだ。腕を組んでみた。が、しばらく彼は
窮鼠
(
きゅうそ
)
のかたちであった。眼を光らせて、前にならんだ官員の顔をじろじろながめていた。
石狩川
(新字新仮名)
/
本庄陸男
(著)
乞食の老人は安宅先生や園芸手の葛岡の消息に
悉
(
くわ
)
しくそれをわたくしに告げ知らせて呉れましたほか、わたくしに面白そうな自然の現象や乞食自体の生活に就ても話して呉れました。
生々流転
(新字新仮名)
/
岡本かの子
(著)
「
悉
(
くわ
)
しいね。道理で千代子と浩二はこの間帳面を持って隠居へ戸籍調べに来たよ」
親鳥子鳥
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
病勢が一寸防ぎ止められているそうです。これから熱が出ず食慾が増してゆけばもう大丈夫なんです。然し衰弱がひどいから安心は出来ないそうですが、種々
悉
(
くわ
)
しく手当を教わって来ました。
生あらば
(新字新仮名)
/
豊島与志雄
(著)
「そちは、越前に永く住いしていたこともあり、わけてこの地方から朝倉家の本城一乗谷の地の理には
悉
(
くわ
)
しいはずであるに、何故、信長に献言もせず、小さい先鋒の功名などを争っておるか」
新書太閤記:03 第三分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
(のう、ご親類の、ご
新姐
(
しんぞ
)
さん。)——
悉
(
くわ
)
しくはなくても、向う前だから、様子は知ってる、
行来
(
ゆきき
)
、出入りに、顔見知りだから、声を掛けて
縷紅新草
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
兄の自滅をするという事を
悉
(
くわ
)
しく知って居ながら、
斯
(
こ
)
ういう不都合をするとは云おう様ない
人非人
(
にんぴにん
)
め
闇夜の梅
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
悉
(
くわ
)
しくは漁夫に案内させるのがよいが、船釣ばかりしている漁夫は、又案外に磯の海溝や岩礁の潮流や、魚の附き工合いを知らぬもので、これはむしろ潜水に経験のある者とか
荒磯の興味
(新字新仮名)
/
佐藤惣之助
(著)
晩餐後
(
ばんさんご
)
、
喫茶
(
きつちや
)
がはじまると、
櫻木大佐
(
さくらぎたいさ
)
をはじめ
同席
(
どうせき
)
の
水兵等
(
すいへいら
)
は、ひとしく
口
(
くち
)
を
揃
(
そろ
)
へて『
御身
(
おんみ
)
が
此
(
この
)
島
(
しま
)
へ
漂着
(
へうちやく
)
の
次第
(
しだい
)
を
悉
(
くわ
)
しく
物語
(
ものがた
)
り
玉
(
たま
)
へ。』といふので、
私
(
わたくし
)
は
珈琲
(
カフヒー
)
を
一口
(
ひとくち
)
飮
(
の
)
んで、
徐
(
おもむ
)
ろに
語
(
かた
)
り
出
(
だ
)
した。
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
わたくしはここの場面をも
悉
(
くわ
)
しい説明することを省く。
雛妓
(新字新仮名)
/
岡本かの子
(著)
翌日
取
(
とり
)
も置かず篠田を尋ねて、一部始終
悉
(
くわ
)
しい話を致しますると、省みて居所も知らさないでいた篠田は、蒼くなって
顫
(
ふる
)
え上ったと申しますよ。
湯女の魂
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
おい/\姉さん何だか
悉
(
くわ
)
しい訳は知りませんが、聞いていれば此の人は人違いでお前さんに
悪戯
(
じょうだん
)
をしたのだそうだから、腹も立とうが成り替って
私
(
わし
)
が詫びましょうから
業平文治漂流奇談
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
そいつを
悉
(
くわ
)
しく説明したら、艶笑魚アタリ草紙でも書かないと追つかぬ。
日本の釣技
(新字旧仮名)
/
佐藤惣之助
(著)
『
武村兵曹
(
たけむらへいそう
)
、
悉
(
くわ
)
しく
汝
(
おまへ
)
から
語
(
かた
)
つてあげい。』
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
悉
(
くわ
)
しくは云うにも及ばないけれど、……若いお嬢さんさ、その色の白いお嬢さん——恩人だし、仙女、魔女と思うから、お嬢さんと言うんです。
ピストルの使い方:――(前題――楊弓)
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
見ているうちに喧嘩となり、汝の父を討ったる刀、中身は天正助定なれば、是を汝に形見として
遣
(
つか
)
わすぞ、又此の
包
(
つゝみ
)
の
中
(
うち
)
には金子百両と
悉
(
くわ
)
しく
跡方
(
あとかた
)
の事の頼み状、これを
披
(
ひら
)
いて
読下
(
よみくだ
)
せば
怪談牡丹灯籠:04 怪談牡丹灯籠
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
この両様とも
悉
(
くわ
)
しくその姿を記さざれども、一読の際、われらが目には、東遊記に写したると同じ
状
(
さま
)
に見えていと床し。
一景話題
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
猶お御老中方に長二郎を初め其の
他
(
た
)
関係
(
かゝりあい
)
の者の身分行状、並に此の事件の手続等を
悉
(
くわ
)
しくお
訊
(
たゞ
)
しになりましたから、御老中方から明細に
言上
(
ごんじょう
)
いたされました処、成程
半右衞門
(
はんえもん
)
妻柳なる者は
名人長二
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
するとだ……まだその踏切を越えて
腕車
(
くるま
)
を捜したッてまでにも
行
(
ゆ
)
かず……
其奴
(
そいつ
)
の
風采
(
ふうつき
)
なんぞ
悉
(
くわ
)
しく乗出して聞くのがあるから、私は薄暗がりの中だ。
吉原新話
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
左様な事を申さず早く
往
(
ゆ
)
け、もし此の事が人の耳に
入
(
い
)
りなば飯島の家に係わる大事、
悉
(
くわ
)
しい事は
書置
(
かきおき
)
に有るから早く
行
(
ゆ
)
かぬか、これ孝助、一旦
主従
(
しゅうじゅう
)
の因縁を結びし事なれば、
仇
(
あだ
)
は仇恩は恩
怪談牡丹灯籠:04 怪談牡丹灯籠
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
赤門寺のお上人は、よく店へお立寄り下さいますが、てまえどもの方の事にも、それはお
悉
(
くわ
)
しゅうございましてな。
夫人利生記
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
私よりお
悉
(
くわ
)
しいと存じますが、浅草の観世音に、旧、九月九日、大抵十月の
中旬
(
なかば
)
過ぎになりますが、その
重陽
(
ちょうよう
)
の
節
(
せつ
)
、菊の日に、菊供養というのがあります。
菊あわせ
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
その
因縁
(
いんえん
)
でおいらちょいちょい
父親
(
おやじ
)
の何とかてえ支那の家へ
出入
(
でいり
)
をするから、
悉
(
くわ
)
しいことを知ってるんだ。
海城発電
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
その因縁でおいらちよいちよい
父親
(
おやじ
)
の何とかてえ支那の家へ出入をするから、
悉
(
くわ
)
しいことを知つてるんだ。
海城発電
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
人にも言わぬ積り積った苦労を、どんなに胸に
蓄
(
たくわ
)
えておりましたか、その容体ではなかなか一通りではなかろうと思う一部始終を、
悉
(
くわ
)
しく申したのでありまする。
湯女の魂
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
まして打明けた蝶吉の身の上を
悉
(
くわ
)
しく知ってからは、
謂
(
い
)
うべからざる同情の感に打たれたのである。
湯島詣
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
早瀬は
悉
(
くわ
)
しく
懺悔
(
ざんげ
)
するがごとく語ったが、都合上、ここでは要を摘んで置く。……
婦系図
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
けれども、軍隊のことに就いては、何にも知っちゃあいないので、赤十字の方ならば
悉
(
くわ
)
しいから、病院のことなんぞ、悉しく謂って聞かしてやったです。が、そんなことは役に立たない。
海城発電
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
けれども、軍隊のことについては、何にも知つちやあゐないので、赤十字の方ならば
悉
(
くわ
)
しいから、病院のことなんぞ、悉しくいつて聞かして
遣
(
や
)
つたです。が、
其様
(
そん
)
なことは役に立たない。
海城発電
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
客はこの
近辺
(
ちかまわり
)
の場所には余り似合わぬ学生風、何でも中洲に住んでるとより外
悉
(
くわ
)
しくは知らないが、久しい間の
花主
(
とくい
)
で紋床はただ
背後
(
うしろ
)
の私立学校で一科目預っている人物と心得て、先生
三枚続
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
いきなり(目は一つだけか。)と言われてから
以来
(
こっち
)
、ほんとうに大師匠だと恐入って、あとあとまでも、
悉
(
くわ
)
しく
細
(
こまか
)
く、さし
合
(
あい
)
のない処でさえあれば、話すのを、按摩も、そっちこっちから
ピストルの使い方:――(前題――楊弓)
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
今もって、取留めた、
悉
(
くわ
)
しい事は知らないんだが、それも、もう三十年。
縷紅新草
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
小さな白髪の
祖母
(
おばあ
)
さんの
起居
(
たちい
)
の様子もなしに、
悉
(
くわ
)
しく言えば誰が取次いだという形もなしに、土間から格子戸まで見通しの
框
(
かまち
)
の板敷、
取附
(
とっつ
)
きの縦四畳、框を仕切った二枚の障子が、すっと開いて
薄紅梅
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
他
(
ほか
)
の二三の新聞にも
記
(
か
)
いてあるですが。このA……が一番
悉
(
くわ
)
しい。
婦系図
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
ああ、看護婦がいいます、勿論
悉
(
くわ
)
しいことは話さない。
式部小路
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
「大分
悉
(
くわ
)
しいじゃないか。」
三枚続
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
「いずれ
悉
(
くわ
)
しいお話を。」
露萩
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
「
悉
(
くわ
)
しく聞こうよ。」
政談十二社
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
悉
漢検準1級
部首:⼼
11画
“悉”を含む語句
悉皆
知悉
悉達多
悉達
悉知
悉々
悉達太子
悉皆成仏
悉檀
悉多太子
詳悉
悉皆屋
悉曇
草木国土悉皆成仏
竝波悉林
蘇悉地経
瞿摩悉達
衆怨悉退散
衆病悉除
皆悉
...