くわし)” の例文
さて抽斎が弘前にいる間、江戸の便たよりがあるごとに、必ず長文の手紙が徳から来た。留守中の出来事を、ほとんど日記のようにくわしく書いたのである。
渋江抽斎 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
そうして貴下が、仏像の前で、その言行録をじゅする経文だといった、くわしい話を聞きましょう。
式部小路 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
(近常の事は余程くわしいようだ。)と天狗様が、私にさ、貴方、おじぎの仕方から、もっ立尻の様子まで……その昨夜ゆうべ宿で聞いたっていう按摩の遣った通り——按摩はいましたとさ、話しながら。