“苦鳴”の読み方と例文
読み方割合
くめい100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
もみ合っているふたりのあいだから、おそろしい苦鳴(くめい)があがった。さては、民部が首をかき落とされたか、呂宋兵衛(るそんべえ)が脾腹(ひばら)をえぐられたか、どッちか一つ。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
七尺(しやく)有餘(いうよ)の猛狒(ゴリラ)は苦鳴(くめい)をあげ、鮮血(せんけつ)を吐(は)いて地上(ちじやう)に斃(たを)れた。私(わたくし)と少年(せうねん)とは夢(ゆめ)に夢見(ゆめみ)る心地(こゝち)。韋駄天(いだてん)の如(ごと)く其(その)傍(かたはら)に走(はし)り寄(よ)つた時(とき)、水兵(すいへい)は猛獸(まうじう)に跨(またが)つて止(とゞ)めの一刀(いつたう)、海軍士官(かいぐんしくわん)は悠然(いうぜん)として此方(こなた)に向(むか)つた。
虎(とら)は比較的(ひかくてき)愚(おろか)な動物(どうぶつ)で、憤然(ふんぜん)身(み)を躍(をど)らして、鐵車(てつしや)の前方(ぜんぽう)から飛付(とびつ)いたから堪(たま)らない、恐(おそ)る可(べ)き旋廻圓鋸機(せんくわいえんきよき)のために、四肢(しゝ)や、腹部(ふくぶ)を引裂(ひきさ)かれて、苦鳴(くめい)をあげて打斃(うちたを)れた。最(もつと)も狡猾(こうくわつ)なるは猛狒(ゴリラ)である。