“なまち”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
生血68.8%
鮮血31.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
大杉の生涯は革命家の生血なまちしたたる戦闘であったが、同時に二人の女にもつれ合う恋のどもえの一代記でもあった。
最後の大杉 (新字新仮名) / 内田魯庵(著)
梅林の奥、公園外の低い人家の屋根を越して西の大空一帯に濃い紺色の夕雲が物すごい壁のように棚曳たなびき、沈む夕日は生血なまちしたたる如くその間に燃えている。
深川の唄 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
私もヤレ安心と庭へ降りよふと欄干へ手を掛けると鮮血なまちがペツたり手へ附いたから、誰れかやられたなと思ひ庭にあつた下駄を一足持つて逃げたのです。
千里駒後日譚 (新字旧仮名) / 川田瑞穂楢崎竜川田雪山(著)
男はさらに壇の上から一つの土器かわらけのようなものを持ち出して来て、まだ死に切らないでうごめいている猫の傷口から真っ紅な鮮血なまちを絞り出して、土器へなみなみと注ぎ込んだ。
小坂部姫 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)