“からくれない”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
唐紅52.2%
鮮血17.4%
韓紅17.4%
鮮紅13.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
未来を覗く椿つばきくだが、同時に揺れて、唐紅からくれない一片ひとひらがロゼッチの詩集の上に音なしく落ちて来る。まったき未来は、はやくずれかけた。
虞美人草 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
「あ、」と離すと、爪を袖口そでぐちすがりながら、胸毛むなげさかさ仰向あおむきかゝつた、鸚鵡の翼に、垂々たらたら鮮血からくれない
印度更紗 (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)
鍵屋の一群ひとむれはこれを見て棄て置かれず、島野に義作がついて店前みせさきへ出向いて、と見ると、多磨太は半面べとり血になって、頬から咽喉のどへかけ、例の白薩摩しろさつまの襟を染めて韓紅からくれない
黒百合 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
羽二重のくれないなるに、緋で渦巻を絞ったお千世のその長襦袢のしぼりが濃いので、乳の下、鳩尾みずおち、窪みに陰のすあたり、鮮紅からくれないに血汐が染むように見えた——俎に出刃を控えて
日本橋 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)