鮮血ちしお)” の例文
元より強弱敵しがたく、無残や肉裂け皮破れて、悲鳴のうちに息たえたる。その死骸なきがらくちくわへ、あと白雪を蹴立けたてつつ、虎はほらへと帰り行く。あとには流るる鮮血ちしおのみ、雪に紅梅の花を散らせり。
こがね丸 (新字旧仮名) / 巌谷小波(著)