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凄
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すさまじ
ふりがな文庫
“
凄
(
すさまじ
)” の例文
途端にもの
凄
(
すさまじ
)
き響きあり。——地震だ。——
山鳴
(
やまなり
)
だ。——夜叉ヶ池の上を見い。夜叉ヶ池の上を見い。夜叉ヶ池の上を見い。
夜叉ヶ池
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
現に只今も、独機八機現わるという想定のもとに、どすんどすんと空砲をはなって、猛練習であるが、その
凄
(
すさまじ
)
い砲声を原稿に
托
(
たく
)
して送れないのが甚だ残念だ。
沈没男
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
凄
(
すさまじ
)
き谷川の響に紛れつつ、
小歇
(
をやみ
)
もせざる雨の音の中に、かの
病憊
(
やみつか
)
れたるやうの柱時計は、息も
絶気
(
たゆげ
)
に半夜を告げわたる時、
両箇
(
ふたり
)
が
閨
(
ねや
)
の
燈
(
ともし
)
は
乍
(
たちま
)
ち
明
(
あきら
)
かに
耀
(
かがや
)
けるなり。
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
一、
長閑
(
のどか
)
、
暖
(
あたたか
)
、
麗
(
うららか
)
、
日永
(
ひなが
)
、
朧
(
おぼろ
)
は春季と定め、
短夜
(
みじかよ
)
、
涼
(
すずし
)
、
熱
(
あつし
)
は夏季と定め、
冷
(
ひややか
)
、
凄
(
すさまじ
)
、
朝寒
(
あささむ
)
、
夜寒
(
よさむ
)
、
坐寒
(
そぞろさむ
)
、
漸寒
(
ややさむ
)
、
肌寒
(
はださむ
)
、
身
(
み
)
に
入
(
しむ
)
、
夜長
(
よなが
)
は秋季と定め、
寒
(
さむし
)
、つめたしは冬季と定む。
俳諧大要
(新字旧仮名)
/
正岡子規
(著)
梅子は
強
(
しひ
)
て平然と装へり、
去
(
さ
)
れど制すべからざるは其顔なり、
看
(
み
)
よ、其の
凄
(
すさまじ
)
き
蒼白
(
さうはく
)
を、芳子は
稍々
(
やゝ
)
予算狂へるが如く、
訝
(
いぶ
)
かしげに姉の
面
(
かほ
)
見つめて、居たりしが、芳子々々と
火の柱
(新字旧仮名)
/
木下尚江
(著)
▼ もっと見る
不意に竹山の室の障子を開けて、恐ろしいものに襲はれた様に、
凄
(
すさまじ
)
い位眼を光らして、顔一体を波立つ程
苛々
(
いらいら
)
させ乍ら、「肉の叫び! 肉の叫び!」と云つて入つて来た事があつた。
病院の窓
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
何をか
瞋
(
いか
)
り何にか迷はせたまふ、
疾
(
と
)
く、疾く、曲路の
邪業
(
じやごふ
)
を捨て正道の大心を発し玉へ、と我知らず地を撃つて諫め奉れば、院の
御亡霊
(
みたま
)
は、
山壑
(
さんがく
)
もたぢろき木石も震ふまでに
凄
(
すさまじ
)
くも打笑はせ玉ひて
二日物語
(新字旧仮名)
/
幸田露伴
(著)
アカイア軍を勵まして物
凄
(
すさまじ
)
く呼び叫ぶ
イーリアス:03 イーリアス
(旧字旧仮名)
/
ホーマー
(著)
仇
(
あだ
)
に
遇
(
あ
)
へるその
憤懣
(
いきどほり
)
は如何ならん。必ずかの人の
凄
(
すさまじ
)
う激せるを見ば、静緒は
幾許
(
いかばかり
)
我を怪むらん。
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
材木町
(
ざいもくちやう
)
の
陶器屋
(
たうきや
)
の
婦
(
つま
)
、
嬰兒
(
あかご
)
を
懷
(
ふところ
)
に、
六歳
(
ろくさい
)
になる
女兒
(
をんなのこ
)
の
手
(
て
)
を
曳
(
ひ
)
いて、
凄
(
すさまじ
)
い
群集
(
ぐんしふ
)
のなかを
逃
(
のが
)
れたが、
大川端
(
おほかはばた
)
へ
出
(
で
)
て、うれしやと
吻
(
ほつ
)
と
呼吸
(
いき
)
をついて、
心
(
こゝろ
)
づくと、
人
(
ひと
)
ごみに
揉立
(
もみた
)
てられたために
間引菜
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
宮は
漸
(
やうや
)
う顔を振挙げしも、
凄
(
すさまじ
)
く色を変へたる貫一の
面
(
おもて
)
に向ふべくもあらで
萎
(
しを
)
れ
俯
(
ふ
)
しぬ。
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
一際
(
ひときわ
)
烈
(
はげ
)
しきひかりものの
中
(
うち
)
に、一たび、小屋の屋根に
立顕
(
たちあらわ
)
れ、たちまち
真暗
(
まっくら
)
に消ゆ。再び
凄
(
すさまじ
)
じき
電
(
いなびかり
)
に、鐘楼に来り、すっくと立ち、
鉄杖
(
てつじょう
)
を
丁
(
ちょう
)
と振って、下より空さまに、鐘に手を掛く。
夜叉ヶ池
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
と
我折
(
がを
)
れ
染々
(
しみ/″\
)
と
頼
(
たの
)
んで
額
(
ひたひ
)
を
上
(
あ
)
げるとざつといふ
凄
(
すさまじ
)
い
音
(
おと
)
で。
高野聖
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
凄
常用漢字
中学
部首:⼎
10画
“凄”を含む語句
物凄
凄然
凄惨
凄愴
凄気
凄婉
凄寥
凄々
凄味
凄艶
凄腕
凄文句
凄涼
凄壮
幽凄
凄絶
凄烈
凄慘
凄風
凄美
...