すさまじ)” の例文
途端にものすさまじき響きあり。——地震だ。——山鳴やまなりだ。——夜叉ヶ池の上を見い。夜叉ヶ池の上を見い。夜叉ヶ池の上を見い。
夜叉ヶ池 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
現に只今も、独機八機現わるという想定のもとに、どすんどすんと空砲をはなって、猛練習であるが、そのすさまじい砲声を原稿にたくして送れないのが甚だ残念だ。
沈没男 (新字新仮名) / 海野十三(著)
すさまじき谷川の響に紛れつつ、小歇をやみもせざる雨の音の中に、かの病憊やみつかれたるやうの柱時計は、息も絶気たゆげに半夜を告げわたる時、両箇ふたりねやともしたちまあきらかに耀かがやけるなり。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
一、長閑のどかあたたかうららか日永ひながおぼろは春季と定め、短夜みじかよすずしあつしは夏季と定め、ひややかすさまじ朝寒あささむ夜寒よさむ坐寒そぞろさむ漸寒ややさむ肌寒はださむしむ夜長よながは秋季と定め、さむし、つめたしは冬季と定む。
俳諧大要 (新字旧仮名) / 正岡子規(著)
梅子はしひて平然と装へり、れど制すべからざるは其顔なり、よ、其のすさまじ蒼白さうはくを、芳子は稍々やゝ予算狂へるが如く、いぶかしげに姉のかほ見つめて、居たりしが、芳子々々と
火の柱 (新字旧仮名) / 木下尚江(著)
不意に竹山の室の障子を開けて、恐ろしいものに襲はれた様に、すさまじい位眼を光らして、顔一体を波立つ程苛々いらいらさせ乍ら、「肉の叫び! 肉の叫び!」と云つて入つて来た事があつた。
病院の窓 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
何をかいかり何にか迷はせたまふ、く、疾く、曲路の邪業じやごふを捨て正道の大心を発し玉へ、と我知らず地を撃つて諫め奉れば、院の御亡霊みたまは、山壑さんがくもたぢろき木石も震ふまでにすさまじくも打笑はせ玉ひて
二日物語 (新字旧仮名) / 幸田露伴(著)
アカイア軍を勵まして物すさまじく呼び叫ぶ
イーリアス:03 イーリアス (旧字旧仮名) / ホーマー(著)
あだへるその憤懣いきどほりは如何ならん。必ずかの人のすさまじう激せるを見ば、静緒は幾許いかばかり我を怪むらん。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
材木町ざいもくちやう陶器屋たうきやつま嬰兒あかごふところに、六歳ろくさいになる女兒をんなのこいて、すさまじ群集ぐんしふのなかをのがれたが、大川端おほかはばたて、うれしやとほつ呼吸いきをついて、こゝろづくと、ひとごみに揉立もみたてられたために
間引菜 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
宮はやうやう顔を振挙げしも、すさまじく色を変へたる貫一のおもてに向ふべくもあらでしをしぬ。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
一際ひときわはげしきひかりもののうちに、一たび、小屋の屋根に立顕たちあらわれ、たちまち真暗まっくらに消ゆ。再びすさまじじきいなびかりに、鐘楼に来り、すっくと立ち、鉄杖てつじょうちょうと振って、下より空さまに、鐘に手を掛く。
夜叉ヶ池 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
我折がを染々しみ/″\たのんでひたひげるとざつといふすさまじおとで。
高野聖 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)