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凄
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さび
ふりがな文庫
“
凄
(
さび
)” の例文
風流人の浦島にも、何だか見当のつかぬ可憐な、たよりない、けれども陸上では聞く事の出来ぬ気高い
凄
(
さび
)
しさが、その底に流れてゐる。
お伽草紙
(新字旧仮名)
/
太宰治
(著)
氷の塊かとも見ゆる冬の月は、キラキラとした
凄
(
さび
)
しい顔を大空に見せてはをれど、人は皆夜寒に怖ぢてや、各家戸を閉ぢたれば、まだ宵ながら四辺寂として音もなし。
小むすめ
(新字旧仮名)
/
清水紫琴
(著)
此の、ひきむしられるような
凄
(
さび
)
しさの在る限り、文学も不滅と思われますが、それも私の老書生らしい感傷で、お笑い草かも知れませぬ。
風の便り
(新字新仮名)
/
太宰治
(著)
あんまり小さく醜く
痩
(
や
)
せているので、
凄
(
さび
)
しくなって、おおぜいの人の前で泣いてしまった事さえございました。
ヴィヨンの妻
(新字新仮名)
/
太宰治
(著)
お母さまのお
葬
(
とむら
)
いも、とっくに済ましていたのじゃないか。ああ、お母さまは、もうお亡くなりになったのだと意識したら、言い知れぬ
凄
(
さび
)
しさに身震いして、眼がさめた。
斜陽
(新字新仮名)
/
太宰治
(著)
凄
常用漢字
中学
部首:⼎
10画
“凄”を含む語句
物凄
凄然
凄惨
凄愴
凄気
凄婉
凄寥
凄々
凄味
凄艶
凄腕
凄文句
凄涼
凄壮
幽凄
凄絶
凄烈
凄慘
凄風
凄美
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