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一寸
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ちよつと
ふりがな文庫
“
一寸
(
ちよつと
)” の例文
彼
(
かれ
)
が
薦
(
こも
)
つくこを
擔
(
かつ
)
いで
歸
(
かへ
)
つて
來
(
き
)
た
時
(
とき
)
は
日向
(
ひなた
)
の
霜
(
しも
)
が
少
(
すこ
)
し
解
(
と
)
けて
粘
(
ねば
)
ついて
居
(
ゐ
)
た。お
品
(
しな
)
は
勘次
(
かんじ
)
が
一寸
(
ちよつと
)
の
間
(
ま
)
居
(
ゐ
)
なく
成
(
な
)
つたので
酷
(
ひど
)
く
寂
(
さび
)
しかつた。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
帽も
上衣
(
うはき
)
も
裳
(
ジユツプ
)
も黒つぽい所へ、
何処
(
どこ
)
か緋や純白や
草色
(
くさいろ
)
を
一寸
(
ちよつと
)
取合せて強い
調色
(
てうしよく
)
を見せた冬服の
巴里
(
パリイ
)
婦人が
樹蔭
(
こかげ
)
を
行
(
ゆ
)
き
交
(
か
)
ふのも面白い。
巴里より
(新字旧仮名)
/
与謝野寛
、
与謝野晶子
(著)
板
(
いた
)
の
間
(
ま
)
には
余
(
あま
)
り人が
居
(
を
)
りませぬで、四五
人
(
にん
)
居
(
を
)
りました。
此湯
(
このゆ
)
は
昔風
(
むかしふう
)
の
柘榴口
(
ざくろぐち
)
ではないけれども、はいる
処
(
ところ
)
が
一寸
(
ちよつと
)
薄暗
(
うすぐら
)
くなつて
居
(
を
)
ります。
年始まはり
(新字旧仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
仕舞には只今番頭が
一寸
(
ちよつと
)
出
(
で
)
ましたから、帰つたら聞いて持つて参りませうと云つて、頑固に一枚の蒲団を
蚊帳
(
かや
)
一杯に敷いて出て行つた。
三四郎
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
一寸
(
ちよつと
)
、
靴
(
くつ
)
の
先
(
さき
)
へ
團栗
(
どんぐり
)
の
實
(
み
)
が
落
(
お
)
ちたやうな
形
(
かたち
)
らしい。
但
(
たゞ
)
しその
風丰
(
ふうばう
)
は
地仙
(
ちせん
)
の
格
(
かく
)
、
豫言者
(
よげんしや
)
の
概
(
がい
)
があつた。
小狡
(
こざか
)
しき
目
(
め
)
で、じろりと
視
(
み
)
て
間引菜
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
▼ もっと見る
『いいわ。どうかなるわ。けれどあなた
一寸
(
ちよつと
)
新橋の
停車場
(
すていしよん
)
へ電話で聞いて見て下すつても好いわ。あのう、食堂車の前の箱ですつて。』
帰つてから
(新字旧仮名)
/
与謝野晶子
(著)
探す段になると
一寸
(
ちよつと
)
ないものよ。滅多なものはお世話は出来ないしね。その前にも私は一軒心当りのところへ行つて見たんだけど。
桑の実
(新字旧仮名)
/
鈴木三重吉
(著)
幾許
(
いくら
)
急いで出掛けたつて、何とか
一言
(
ひとこと
)
ぐらゐ
言遺
(
いひお
)
いて
行
(
い
)
きさうなものぢやないか。
一寸
(
ちよつと
)
其処
(
そこ
)
へ行つたのぢやなし、四五日でも旅だ。
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
猛狒
(
ゴリラ
)
の
類
(
るい
)
は
此
(
この
)
穴
(
あな
)
の
周圍
(
しうゐ
)
に
牙
(
きば
)
を
鳴
(
なら
)
し、
爪
(
つめ
)
を
磨
(
みが
)
いて
居
(
を
)
るのだから、
一寸
(
ちよつと
)
でも
鐵檻車
(
てつおりくるま
)
の
外
(
そと
)
へ
出
(
で
)
たら
最後
(
さいご
)
、
直
(
たゞ
)
ちに
無殘
(
むざん
)
の
死
(
し
)
を
遂
(
と
)
げてしまうのだ。
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
ラゲさんは、自分の
生国
(
しやうこく
)
が、クリストフが
嘗
(
かつ
)
て居住してゐた土地であるといふ話し
等
(
など
)
が出たので、
一寸
(
ちよつと
)
因縁
(
いんねん
)
をつけて考へたものであつた。
風変りな作品に就いて
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
『よし、さあでは引きあげ、おい
誰
(
たれ
)
でもおれたちがこの車を出ないうちに
一寸
(
ちよつと
)
でも動いたやつは胸にスポンと穴をあけるから、さう思へ』
氷河鼠の毛皮
(新字旧仮名)
/
宮沢賢治
(著)
血腥
(
ちなまぐさ
)
い事件の豫感に、平次は
一寸
(
ちよつと
)
憂欝
(
いううつ
)
になりましたが、直ぐ氣を變へて、ぞんざいに顏を洗ふと、
鬢
(
びん
)
を撫で付け乍ら家へ
入
(
はひ
)
つて行きました。
銭形平次捕物控:097 許婚の死
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
韋駄天は天のはてからどし/\
駈
(
か
)
けてきて、爺の目のまへにぴつたり立ちふさがりました。爺はとぢてゐた目を
一寸
(
ちよつと
)
ばかり開いて見ました。
天童
(新字旧仮名)
/
土田耕平
(著)
兒玉
(
こだま
)
は
先程來
(
さきほどらい
)
、
多
(
おほ
)
く
口
(
くち
)
を
開
(
ひら
)
かず、
微笑
(
びせう
)
して
人々
(
ひと/″\
)
の
氣焔
(
きえん
)
を
聽
(
きい
)
て
居
(
ゐ
)
たが、
今
(
いま
)
突然
(
とつぜん
)
出身
(
しゆつしん
)
の
學校
(
がくかう
)
を
問
(
と
)
はれたので、
一寸
(
ちよつと
)
口
(
くち
)
を
開
(
ひら
)
き
得
(
え
)
なかつたのである。
日の出
(旧字旧仮名)
/
国木田独歩
(著)
「どうもしないさ。僕は散歩した
次手
(
ついで
)
に
一寸
(
ちよつと
)
寄つたのだよ。まだ夕餐は食べないけどお腹は空かないから何も御馳走しなくつてもいゝよ。」
仮面
(旧字旧仮名)
/
正宗白鳥
(著)
一通りの話がすんだもんだから、小池さんに
一寸
(
ちよつと
)
外へ出て
貰
(
もら
)
つて、駅前の
葭簾張
(
よしずば
)
りの下のベンチで、よく/\懇談をした筈だ。
椎の若葉
(新字旧仮名)
/
葛西善蔵
(著)
「
椰子
(
やし
)
の水はおいしいもんだわね。
一寸
(
ちよつと
)
ねえ、冷くてとても
生
(
なま
)
ぐさい匂ひがしたわねえ……。椰子の実の水が飲みたいのよ」
浮雲
(新字旧仮名)
/
林芙美子
(著)
吾妻は
微笑
(
ほゝゑ
)
みつ「なに、郷里へ
一寸
(
ちよつと
)
帰つただけのです、今晩あたり多分
帰京
(
かへ
)
つた筈です、で、罪名は何とする
御心算
(
おつもり
)
ですネ」
火の柱
(新字旧仮名)
/
木下尚江
(著)
腹
(
はら
)
も
立
(
た
)
たずか
言譯
(
いひわけ
)
しながら
後刻
(
のち
)
に
後刻
(
のち
)
にと
行過
(
ゆきすぎ
)
るあとを、
一寸
(
ちよつと
)
舌打
(
したうち
)
しながら
見送
(
みおく
)
つて
後
(
のち
)
にも
無
(
な
)
いもんだ
來
(
く
)
る
氣
(
き
)
もない
癖
(
くせ
)
に
にごりえ
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
一寸
(
ちよつと
)
みたゞけでは何んの商売か見当のつかない店の
上
(
あが
)
り
端
(
はな
)
に、端然と腰をかけたかれのすがたがみつかつたではないか……
にはかへんろ記
(新字旧仮名)
/
久保田万太郎
(著)
男はおかみさんの袋を両手に持上げて重みを計り、あたりに
一寸
(
ちよつと
)
気を配りながら自転車の後に縛りつけた袋と、棒のついた
秤
(
はかり
)
とを取りおろした。
買出し
(新字旧仮名)
/
永井荷風
(著)
母が
一寸
(
ちよつと
)
外
(
そと
)
へ出た隙を見て、伯母は私の部屋へ這入つて參りました。私は下を向いたきり一言も口が利けませんでした。
反古
(旧字旧仮名)
/
小山内薫
(著)
「お疲れでしたでせう。相済みませんでした。」夫婦から
一寸
(
ちよつと
)
離れた
据膳
(
すゑぜん
)
で
箸
(
はし
)
をとつたAさんが、
眉
(
まゆ
)
を寄せて見せた。
姉弟と新聞配達
(新字旧仮名)
/
犬養健
(著)
ナニ、
俊子
(
トシこ
)
の様な子供に其黄金機会がないとおいひのか?おまへ
一寸
(
ちよつと
)
、さしあたりどんな黄金機会が
入用
(
いりよう
)
なのですか
黄金機会
(新字旧仮名)
/
若松賤子
(著)
本當
(
ほんたう
)
に
考
(
かんが
)
へて
見
(
み
)
れば、
一寸
(
ちよつと
)
した
機會
(
チヤンス
)
、また一
秒間
(
びやうかん
)
の
時
(
とき
)
の
爲
(
た
)
めに、
未來
(
みらい
)
のどんな
運命
(
うんめい
)
が
湧
(
わ
)
き
出
(
で
)
ないともかぎらないのだ。
追憶
(旧字旧仮名)
/
素木しづ
(著)
とお栄は
流許
(
ながしもと
)
へ来て、棚の上にある黄色い薔薇の花を
一寸
(
ちよつと
)
自分で嗅いで見て、それから子供の鼻の先へ持つて行つた。
出発
(新字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
「それもさうやなア。……重さん
一寸
(
ちよつと
)
いて、太政官呼んで來いよ。……あいつが儲けた普請や、このざま見せたろ。」
太政官
(旧字旧仮名)
/
上司小剣
(著)
それとも短兵急に将門から攻められることを恐れて、責め
逼
(
せま
)
らるゝまゝに已むを得ず出したか、
一寸
(
ちよつと
)
奇異に思はれる。
平将門
(新字旧仮名)
/
幸田露伴
(著)
愛
(
あい
)
ちやんは
兎
(
うさぎ
)
が
襯衣
(
チヨツキ
)
の
衣嚢
(
ポケツト
)
から
時計
(
とけい
)
を
取出
(
とりだ
)
して、
面白
(
おもしろ
)
さうにそれを
燒
(
や
)
いて
了
(
しま
)
うなんてことを、
是
(
こ
)
れまで
决
(
けつ
)
して
見
(
み
)
たことがないわと
心
(
こゝろ
)
に
一寸
(
ちよつと
)
思
(
おも
)
ひました。
愛ちやんの夢物語
(旧字旧仮名)
/
ルイス・キャロル
(著)
子供は気を呑まれて
一寸
(
ちよつと
)
静かになつたが、直ぐ低い
啜
(
すゝ
)
り泣きから出直して、前にも増した
大袈裟
(
おほげさ
)
な泣き声になつた。
An Incident
(新字旧仮名)
/
有島武郎
(著)
一寸
(
ちよつと
)
掘
(
ほ
)
れば
直
(
す
)
ぐに
完全
(
くわんぜん
)
な
物
(
もの
)
が
出
(
で
)
る
位
(
くらゐ
)
に
考
(
かんが
)
へて
居
(
ゐ
)
た
見物連
(
けんぶつれん
)
は、一
向
(
かう
)
何
(
なに
)
も
出
(
で
)
ないので、
釣
(
つり
)
を
見
(
み
)
るよりも
未
(
ま
)
だつまらぬなど、そろ/\
惡口
(
わるくち
)
を
掘出
(
ほりだ
)
すのである。
探検実記 地中の秘密:20 大森貝塚の発掘
(旧字旧仮名)
/
江見水蔭
(著)
折角
睡
(
ねむ
)
らうとすればもしもしと呼び起され、少しとろとろしたと思ふと、頭を
毛脛
(
けずね
)
で跳ね飛ばされなどして、
一寸
(
ちよつと
)
の
間
(
ま
)
も不自由な思ひをしないことはない。
茶話:08 大正十五(一九二六)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
今
(
いま
)
の
今
(
いま
)
まで
張
(
は
)
りつめてゐた
氣
(
き
)
が
一寸
(
ちよつと
)
の
間
(
ま
)
ゆるんで、
彼女
(
かのぢよ
)
は一
時
(
じ
)
の
安心
(
あんしん
)
のためにがつかりしてしまつたのである。
悔
(旧字旧仮名)
/
水野仙子
(著)
「天の羽衣とはどんなものか、
一寸
(
ちよつと
)
見せなさい。」と言つて、見るものもありました。けれどもそれは一寸見たゞけでは
只
(
ただ
)
真白
(
まつしろ
)
な絹布のやうに見えました。
竜宮の犬
(新字旧仮名)
/
宮原晃一郎
(著)
それで一時
一寸
(
ちよつと
)
之が評判になつて、逢ふ人が皆其の事を言ひ出すので、僕はお蔭でうるさい
想
(
おもひ
)
をさせられた。
露都雑記
(新字旧仮名)
/
二葉亭四迷
(著)
そして、
一
(
ひと
)
かど、
考
(
かんが
)
へ
込
(
こ
)
んで、
眞面目
(
まじめ
)
な
顏
(
かほ
)
をして、
一寸
(
ちよつと
)
、
待
(
ま
)
つて
頂戴
(
ちやうだい
)
、
待
(
ま
)
つて
頂戴
(
ちやうだい
)
つたら、と
喧嘩
(
けんくわ
)
してゐる。
長谷川時雨が卅歳若かつたら
(旧字旧仮名)
/
直木三十五
(著)
では
一寸
(
ちよつと
)
御尋
(
おたづ
)
ね致したい事がございます。私共の国の先の殿様は大層悪い殿様で無茶苦茶に高い税金を取られまして、もう国中は貧乏になつてしまひました。
蚊帳の釣手
(新字旧仮名)
/
沖野岩三郎
(著)
無論一部の事には
候
(
そろ
)
へども
江戸
(
えど
)
つ
子
(
こ
)
の
略語
(
りやくご
)
に
難有
(
ありがた
)
メの
字
(
じ
)
と申すが
有之
(
これあり
)
、
難有迷惑
(
ありがためいわく
)
の
意
(
い
)
に
候
(
そろ
)
軽
(
かる
)
くメの
字
(
じ
)
と
略
(
りやく
)
し切りたる
洒落工合
(
しやれぐあひ
)
が
一寸
(
ちよつと
)
面白いと
存候
(
ぞんじそろ
)
。(十九日)
もゝはがき
(新字旧仮名)
/
斎藤緑雨
(著)
そこに加納暁、結城哀草果、高田浪吉、辻村直の諸君が入つた。赤彦君は
一寸
(
ちよつと
)
うなづき、『おれはなるたけ物を云はぬが、君等はいろいろ話してくれたまへ』
島木赤彦臨終記
(新字旧仮名)
/
斎藤茂吉
(著)
「何てエ馬鹿だらう此奴は、……誰がそんな呑気な気でゐられる、ほんとに拳固だぞ。」と彼は無気になつて怒つたが、
一寸
(
ちよつと
)
周子の懸念が自分でも感ぜられた。
熱海へ
(新字旧仮名)
/
牧野信一
(著)
今、お宅へ伺つたら、こちらだといふ事でしたから。……
一寸
(
ちよつと
)
畑の方をのぞいて来たんですが、まあ、何と言つたらいゝんでせうかね。僕等のやうな弱い
心臓
(
ハート
)
を
新らしき祖先
(新字旧仮名)
/
相馬泰三
(著)
今
(
いま
)
濱田
(
ハマダ
)
宮本
(
ミヤモト
)
兩先生
(
りようせんせい
)
の
御話
(
おはなし
)
に
就
(
つい
)
て、
私
(
わたくし
)
が
已徃
(
きおう
)
に
於
(
おい
)
て
感
(
かん
)
じましたる
事
(
こと
)
を
一寸
(
ちよつと
)
貴方所
(
あなたがた
)
に
申
(
まう
)
し
上
(
あ
)
げましたのです。
手療法一則:(二月例会席上談話)
(旧字旧仮名)
/
荻野吟子
(著)
見て
打驚
(
うちおど
)
ろきて居たる時にお
專
(
せん
)
は
穩當
(
しとやか
)
に昌次郎に向ひ昨日
一寸
(
ちよつと
)
御目に
掛
(
かゝ
)
り金子百五十兩御渡し申せし彌太八樣
最
(
もう
)
私しか
參
(
まゐ
)
りし上は
爭
(
あらそ
)
ひ給ふも
益
(
えき
)
なきこと早々金子を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
娘の頃は学用品や身の廻りの
一寸
(
ちよつと
)
した買物、女学校でも卒業すると、反物の選び方に腐心するやうになるが、家庭にはいつて、買物の範囲はグツとひろめられて来る。
買ひものをする女
(新字旧仮名)
/
三宅やす子
(著)
それから少し変つてゐるのに、
一寸
(
ちよつと
)
西洋
(
せいやう
)
の童謡見たやうなのがあります。それは珍らしいものです。
お月さまいくつ
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
普通
(
ふつう
)
に
出來
(
でき
)
てゐる
水道鐵管
(
すいどうてつかん
)
は、
地震
(
ぢしん
)
によつて
破損
(
はそん
)
し
易
(
やす
)
い。
啻
(
たゞ
)
に
大地震
(
だいぢしん
)
のみならず、
一寸
(
ちよつと
)
した
強
(
つよ
)
い
地震
(
ぢしん
)
にもさうである。
特
(
とく
)
に
地盤
(
ぢばん
)
の
弱
(
よわ
)
い
市街地
(
しがいち
)
に
於
(
おい
)
てはそれが
著明
(
ちよめい
)
である。
地震の話
(旧字旧仮名)
/
今村明恒
(著)
それでも小ぐまさんは、もう
一寸
(
ちよつと
)
の辛抱だ、もう一寸の辛抱だと思つて、我慢をしてゐました。
かくれんぼ
(新字旧仮名)
/
村山籌子
(著)
緑雨にも、私にも辞儀一つせず、楼婢には
一寸
(
ちよつと
)
目で挨拶をして座に著きながら、緑雨に「お前、どうしたい? 久しく来なかつたね」とまるで弟か甥に対するやうな口吻。
斎藤緑雨と内田不知菴
(新字旧仮名)
/
坪内逍遥
(著)
かりに一人のイギリス人があつて、それが日本語に精通して居たといふので、シエイクスピアの翻訳を企てたらどんなものであらう。
一寸
(
ちよつと
)
考へられない馬鹿気た話である。
翻訳製造株式会社
(新字旧仮名)
/
戸川秋骨
(著)
これこれテン太郎
一寸
(
ちよつと
)
まて きのふからな お父さんの
髯
(
ひげ
)
にコオロギが
巣
(
す
)
をつくつたんぢや
小熊秀雄全集-22:火星探険―漫画台本
(新字旧仮名)
/
小熊秀雄
(著)
“一寸”の意味
《形容動詞》
一寸(ちょっと 別表記:鳥渡)
数量や程度がわずかであること。
《名詞》
一寸(いっすん)
一尺の十分の一。約3㎝。
ほんのわずかな物の例え。
(出典:Wiktionary)
一
常用漢字
小1
部首:⼀
1画
寸
常用漢字
小6
部首:⼨
3画
“一寸”で始まる語句
一寸法師
一寸々々
一寸見
一寸角
一寸試
一寸前後
一寸位
一寸遁
一寸刻
一寸前