一寸ちよと)” の例文
無理圧して感応寺に行かるゝ心か、強過ぎる、仮令行つたとて働きはなるまじ、行かいでも誰が咎めう、行かで済まぬと思はるゝなら妾が一寸ちよと走り
五重塔 (新字旧仮名) / 幸田露伴(著)
どんもりの、はッかけの、嫌やな奴め、這入つて来たら散々といぢめてやる物を、帰つたは惜しい事をした、どれ下駄をお貸し、一寸ちよと見てやる、とて正太に代つて顔を出せば軒の雨だれ前髪に落ちて
たけくらべ (新字旧仮名) / 樋口一葉(著)
お吉の居ぬを不審して何所へと問へば、何方へか一寸ちよと行て来るとてお出になりました、と何食はぬ顔でをんなの答へ、口禁くちどめされてなりとは知らねば、応左様歟、よし/\
五重塔 (新字旧仮名) / 幸田露伴(著)