一寸ちょい)” の例文
一寸ちょいとお若を見ますると変な様子でげすから、伊之助もなんとなく白けて見え、手持無沙汰でおりますので、お若さんもようよう気がいて
私の父が又その通りで、父が大阪に居るとき山陽先生は京都に居り、是非ぜひ交際しなければならぬはずであるに一寸ちょいとも付合わぬ。
福翁自伝:02 福翁自伝 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
旨い長官は長官だけに、一寸ちょいと励まして呉れたぞ、けどが貴公の様な初心とは少し癪に障るナ、初心でも谷間田の様な無学には未だ負けんぞ、ナニ感心する者か
無惨 (新字新仮名) / 黒岩涙香(著)
花「海上さん何うも済みません、今朝から何処どこで浮気してました、なんですね、そんなとぼけた顔をしてさ、おきんどん一寸ちょいと御覧よ、ホヽヽヽヽ」
およそ一箇月ばかりたって本当の喫烟客になった。処が例の酒だ。何としても忘れられない。卑怯ひきょうとは知りながら一寸ちょい一盃いっぱいやって見るとたまらない。
福翁自伝:02 福翁自伝 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
一寸ちょいと目科に念を推して更に「のみならず店番の言立いいたてでも大概は察せられるじゃ有ませんか、店番は何と云いました倉子と云う女は大変な美人で、望みも大きく、 ...
血の文字 (新字新仮名) / 黒岩涙香(著)
今日筑前屋敷に行たら、う云う原書が黒田侯の手に這入はいったといって見せてれられたから、一寸ちょいと借りて来たとう。
福翁自伝:02 福翁自伝 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
其の代り心底しんそこからこの人と見込んで惚れて仕舞うと、なか/\情合は深い、素人衆の一寸ちょいぼれして水でもさゝれると移りがするのと訳がちがうそうで
得てにわかに己の重きを増したる如く一寸ちょいと目科を尻目に掛け容体ようだいぶりて説き始む
血の文字 (新字新仮名) / 黒岩涙香(著)
正「わたくし一寸ちょい向脛むこうずねの毛を三本ばかり抜きましょう」