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此所
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こゝ
ふりがな文庫
“
此所
(
こゝ
)” の例文
「おや、
此所
(
こゝ
)
に
入
(
い
)
らつしやるの」と云つたが、「
一寸
(
ちよいと
)
其所
(
そこい
)
らに
私
(
わたくし
)
の
櫛
(
くし
)
が落ちて
居
(
ゐ
)
なくつて」と聞いた。
櫛
(
くし
)
は
長椅子
(
ソーフア
)
の
足
(
あし
)
の
所
(
ところ
)
にあつた。
それから
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
砧村
(
きぬたむら
)
の
途中
(
とちう
)
で
磨石斧
(
ませきふ
)
を
拾
(
ひろ
)
ひ、それから
小山
(
こやま
)
の
上
(
あが
)
り
口
(
くち
)
で、
破片
(
はへん
)
を
拾
(
ひろ
)
つたが、
既
(
も
)
う
此所
(
こゝ
)
までに五
里
(
り
)
近
(
ちか
)
く
歩
(
ある
)
いたので、
余
(
よ
)
は
少
(
すこ
)
しく
參
(
まゐ
)
つて
來
(
き
)
た。
探検実記 地中の秘密:05 深大寺の打石斧
(旧字旧仮名)
/
江見水蔭
(著)
頼
(
たの
)
までは叶ふまじといへば吉兵衞は
夫
(
それ
)
は兎も角も
船頭
(
せんどう
)
任
(
まかせ
)
なれば
宜
(
よき
)
樣
(
やう
)
に
計
(
はから
)
ひ給へとて其議に決し
此所
(
こゝ
)
にて水差を
頼
(
たの
)
み江戸
廻
(
まは
)
りとぞ定めける
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
どんなに
厭
(
いや
)
な思ひをしても、工場の方で解雇しない限りはおとなしく
此所
(
こゝ
)
へかじりついてゐるに越した事はないといふ心持になるのだつた。
煤煙の匂ひ
(新字旧仮名)
/
宮地嘉六
(著)
即
(
すなは
)
ち
此所
(
こゝ
)
の
市長
(
しちやう
)
並
(
ならび
)
に
町會議員
(
ちやうくわいぎゐん
)
は
皆
(
みな
)
生物知
(
ゝまものし
)
りの
町人
(
ちやうにん
)
である、であるから
醫師
(
いし
)
を
見
(
み
)
ることは
神官
(
しんくわん
)
の
如
(
ごと
)
く、
其
(
そ
)
の
言
(
い
)
ふ
所
(
ところ
)
を
批評
(
ひゝやう
)
せずして
信
(
しん
)
じてゐる。
六号室
(旧字旧仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
▼ もっと見る
主人「本所達磨横町というのは
何処
(
どこ
)
だえ、慥か
此所
(
こゝ
)
らかと思うが、あの酒屋さんで聞いて見な左官の長兵衞さんというお方がございますかッて」
文七元結
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
此所
(
こゝ
)
を
聞
(
き
)
けよ、
二人
(
ふたり
)
の
人
(
ひと
)
。……
御身達
(
おみたち
)
が、
言
(
い
)
ふ
通
(
とほ
)
り、
今
(
いま
)
新
(
あたら
)
しく
遣直
(
やりなほ
)
せば、
幾干
(
いくら
)
か
勝
(
すぐ
)
れたものは
出来
(
でき
)
やう、がな、
其
(
それ
)
は
唯
(
たゞ
)
前
(
まへ
)
のに
較
(
くら
)
べて
些
(
ち
)
と
優
(
まさ
)
ると
言
(
い
)
ふばかりぢや。
神鑿
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
『
若
(
も
)
し
誰
(
だれ
)
でも
其
(
そ
)
の
説明
(
せつめい
)
の
出來
(
でき
)
たものに』と
愛
(
あい
)
ちやんが
云
(
い
)
ひました、(
此所
(
こゝ
)
少時
(
しばらく
)
の
間
(
あひだ
)
に
大變
(
たいへん
)
大
(
おほ
)
きくなつたので、
誰
(
た
)
れ
憚
(
はゞか
)
る
所
(
ところ
)
もなく
大膽
(
だいたん
)
に
喙
(
くち
)
を
容
(
い
)
れて)、
私
(
わたし
)
は十
錢
(
せん
)
與
(
あ
)
げてよ。
愛ちやんの夢物語
(旧字旧仮名)
/
ルイス・キャロル
(著)
過
(
す
)
ぎし
心
(
こゝろ
)
に
恥
(
はづ
)
かしや、
我
(
わ
)
れ
迷
(
まよ
)
ひたりお
姿
(
すがた
)
今
(
いま
)
一
度
(
ど
)
見
(
み
)
まほしゝと
延
(
の
)
び
上
(
あ
)
がれば、モシと
扣
(
ひか
)
へらるゝ
袂
(
たもと
)
の
先
(
さき
)
、
誰
(
た
)
れぞオヽ
松野
(
まつの
)
か
何
(
なん
)
として
此所
(
こゝ
)
へは
否
(
い
)
や
何時
(
いつ
)
の
間
(
ま
)
にと
詞
(
ことば
)
有哉無哉
(
うやむや
)
支離滅裂
(
しりめつれつ
)
たま襻
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
人足軽子其他
種〻
(
さま/″\
)
の入目を幾晩かかゝつて漸く調べあげた積り書、又一ツは
彼所
(
あすこ
)
を何して
此所
(
こゝ
)
を斯してと工夫に工夫した下絵図、腰屋根の地割だけなもあり、平地割だけなのもあり
五重塔
(新字旧仮名)
/
幸田露伴
(著)
或日
(
あるひ
)
近所
(
きんじよ
)
の
川
(
かは
)
に
漁
(
れふ
)
に出かけて
彼處
(
かしこ
)
の
淵
(
ふち
)
此所
(
こゝ
)
の
瀬
(
せ
)
と
網
(
あみ
)
を
投
(
う
)
つて
廻
(
ま
)
はるうち、ふと網に
掛
(
かゝ
)
つたものがある、
引
(
ひ
)
いて見たが
容易
(
ようい
)
に
上
(
あが
)
らないので川に
入
(
はひ
)
つて
探
(
さぐ
)
り
試
(
こゝろ
)
みると
一抱
(
ひとかゝへ
)
もありさうな
石
(
いし
)
である。
石清虚
(旧字旧仮名)
/
国木田独歩
(著)
夫 それがさ、
実家
(
さと
)
がいやんなつたら、
此所
(
こゝ
)
へ帰つて来なけれやならんといふ法はあるまい。同じ家で顔をつき合はせてゐるんぢや。いくら規約を作つたつて、完全な世帯休業が出来ないよ。
世帯休業
(新字旧仮名)
/
岸田国士
(著)
出
(
いづ
)
ればまた
曠野
(
ひろの
)
にて
燒石
(
やけいし
)
昔し噴出せしまゝなり開墾せんにも二三尺までは灰の如き土にて何も作りがたしとぞ
此所
(
こゝ
)
は輕井澤より
沓掛
(
くつかけ
)
追分小田井の三宿の間なり四里程なれば忽ち小田井に着きて滊車を
木曽道中記
(旧字旧仮名)
/
饗庭篁村
(著)
なつかしい母さへ
此所
(
こゝ
)
に葬つたかと思ふと、急に
勿体
(
もったい
)
なくなる。そこで手紙が
来
(
き
)
た時丈は、しばらく此世界に彽徊して旧歓を温める。
三四郎
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
此所
(
こゝ
)
ならば
度々
(
たび/″\
)
來
(
き
)
たが、
未
(
ま
)
だ
大發掘
(
だいはつくつ
)
はせずに
居
(
ゐ
)
るのだ。
今日
(
けふ
)
掘
(
ほ
)
つても
好
(
い
)
いかと
問
(
と
)
ふと、
大丈夫
(
だいじやうぶ
)
だ。
原田文海
(
はらだぶんかい
)
が
心得
(
こゝろえ
)
とると
大呑込
(
おほのみこ
)
み。
探検実記 地中の秘密:03 嶺の千鳥窪
(旧字旧仮名)
/
江見水蔭
(著)
なアに
誰
(
だれ
)
があんな所へ
行
(
ゆ
)
くもんか、まア
君
(
きみ
)
一緒
(
いつしよ
)
に
行
(
ゆ
)
き
給
(
たま
)
へ、
何処
(
どこ
)
ぞで
昼飯
(
ひるめし
)
を
附合給
(
つきあひたま
)
へ。乙「そんなら
此所
(
こゝ
)
から遠くもないから
御成道
(
おなりみち
)
の
黒焼屋
(
くろやきや
)
の
横町
(
よこちやう
)
さ。 ...
七福神詣
(新字旧仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
此所
(
こゝ
)
の造船所はお海軍さまの工場だからまだ/\職工は大事にして下さるが、どうせ職工になれや人間扱ひにやされねえだ。なあようく聞きな。好えかよ。
ある職工の手記
(新字旧仮名)
/
宮地嘉六
(著)
しまい
肩
(
がた
)
ばつた/\と何にもかも
夕
(
ゆふ
)
べの夢の過たる惡事先第一は
現在
(
げんざい
)
の弟を殺して
此所
(
こゝ
)
に居る
姪
(
めひ
)
のお文の身の
代金
(
しろきん
)
を
奪
(
うば
)
ひ取たる
後腹
(
あとばら
)
は道十郎の
傘
(
からかさ
)
で
廣
(
ひろ
)
がる惡事を
骨
(
ほね
)
さへ折ず中山殿を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
『はい!』と
叫
(
さけ
)
んだものゝ
愛
(
あい
)
ちやんは、
餘
(
あま
)
りに
狼狽
(
あはて
)
たので
自分
(
じぶん
)
が
此所
(
こゝ
)
少時
(
しばらく
)
の
間
(
あひだ
)
に、
如何
(
いか
)
ばかり
大
(
おほ
)
きくなつたかと
云
(
い
)
ふことを
全然
(
すつかり
)
忘
(
わす
)
れて、
遽
(
には
)
かに
跳
(
と
)
び
上
(
あが
)
りさま、
着物
(
きもの
)
の
裾
(
すそ
)
で
裁判官
(
さいばんくわん
)
の
席
(
せき
)
を
拂
(
はら
)
ひ
愛ちやんの夢物語
(旧字旧仮名)
/
ルイス・キャロル
(著)
是
(
こ
)
は
何
(
なに
)
とせんと
困
(
かう
)
じ
果
(
は
)
てゝ、
垣根
(
かきね
)
の
際
(
ひま
)
よりさしのぞけば、
今
(
いま
)
しも
雲足
(
くもあし
)
きれて
新
(
あら
)
たに
照
(
て
)
らし
出
(
いだ
)
す
月
(
つき
)
の
光
(
ひか
)
りに、
目
(
め
)
と
目
(
め
)
見合
(
みあは
)
して
立
(
たつ
)
たる
人
(
ひと
)
、
何時
(
いつ
)
の
間
(
ま
)
に
此所
(
こゝ
)
へは
來
(
き
)
て、
今
(
いま
)
まで
隱
(
かく
)
れてゞも
居
(
ゐ
)
しものか
たま襻
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
此
(
こ
)
の
聖像
(
せいざう
)
は
代診
(
だいしん
)
自
(
みづか
)
ら
買
(
か
)
つて
此所
(
こゝ
)
に
懸
(
か
)
けたもので、
毎日曜日
(
まいにちえうび
)
、
彼
(
かれ
)
の
命令
(
めいれい
)
で、
誰
(
だれ
)
か
患者
(
くわんじや
)
の
一人
(
ひとり
)
が、
立
(
た
)
つて、
聲
(
こゑ
)
を
上
(
あ
)
げて、
祈祷文
(
きたうぶん
)
を
讀
(
よ
)
む、
其
(
そ
)
れから
彼
(
かれ
)
は
自身
(
じしん
)
で、
各病室
(
かくびやうしつ
)
を、
香爐
(
かうろ
)
を
提
(
さ
)
げて
振
(
ふ
)
りながら
廻
(
まは
)
る。
六号室
(旧字旧仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
追立
(
おつたて
)
て見ませうかと云ふ我手を振りて是を願ひ下げ
此
(
こゝ
)
にて晝餉を
認
(
したゝ
)
めしが雨はいよ/\本降となりしゆゑ
豫
(
かね
)
て梅花道人奉行となりて新調せしゴム引の
合羽
(
かつぱ
)
を取り
出
(
いだ
)
し支度だけ
凛々敷
(
りゝしく
)
此所
(
こゝ
)
を出れば胸を
木曽道中記
(旧字旧仮名)
/
饗庭篁村
(著)
此
(
この
)
矮小
(
わいせう
)
な
若僧
(
じやくそう
)
は、まだ
出家
(
しゆつけ
)
をしない
前
(
まへ
)
、たゞの
俗人
(
ぞくじん
)
として
此所
(
こゝ
)
へ
修業
(
しゆげふ
)
に
來
(
き
)
た
時
(
とき
)
、
七日
(
なのか
)
の
間
(
あひだ
)
結跏
(
けつか
)
したぎり
少
(
すこ
)
しも
動
(
うご
)
かなかつたのである。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
抑
(
そもそ
)
も
此所
(
こゝ
)
千鳥窪
(
ちどりくぼ
)
が、
遺跡
(
ゐせき
)
として
認
(
みと
)
められたのは、
隨分
(
ずゐぶん
)
古
(
ふる
)
い
事
(
こと
)
で、
明治
(
めいぢ
)
二十一
年
(
ねん
)
の九
月
(
ぐわつ
)
には、
阿部正功
(
あべせいこう
)
若林勝邦
(
わかばやしかつくに
)
の二
氏
(
し
)
が
既
(
すで
)
に
發掘
(
はつくつ
)
をして
居
(
ゐ
)
る。
探検実記 地中の秘密:03 嶺の千鳥窪
(旧字旧仮名)
/
江見水蔭
(著)
作「仕様がねえだ、
己
(
おら
)
アこんなむかっ腹を立てる気象だが、詰らねえ事で人に難癖え附けられたから、
此所
(
こゝ
)
ばかり日は照らねえと思って出て来たのさ」
真景累ヶ淵
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
「私も以前は
此所
(
こゝ
)
の造船場に弁当さげて通つたもんですわい。」と客は自分の現在を語りたげに云つた。
煤煙の匂ひ
(新字旧仮名)
/
宮地嘉六
(著)
助十と聞ば知れるに
違
(
ちが
)
ひなしと其夜は河岸に
石
(
いし
)
材木
(
ざいもく
)
積置
(
つみおき
)
し處へ
行
(
ゆき
)
寄凭
(
よりかゝ
)
りて少し
睡
(
まどろ
)
まんとするに知らぬ江戸と
云
(
いひ
)
此所
(
こゝ
)
は如何なる處やらん
若
(
もし
)
咎
(
とが
)
められなば何と答んと心を苦しめ夜の明るを
待事
(
まつこと
)
千
秋
(
しう
)
を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
踊
(
おど
)
りに
妙
(
みやう
)
を
得
(
ゑ
)
し
雪
(
ゆき
)
といふ
美形
(
びけい
)
、
唯今
(
たゞいま
)
のお
座敷
(
ざしき
)
にてお
米
(
こめ
)
のなります
木
(
き
)
はと
至極
(
しごく
)
あどけなき
事
(
こと
)
は
申
(
まをす
)
とも、もとは
此所
(
こゝ
)
の
卷帶黨
(
まきおびづれ
)
にて
花
(
はな
)
がるたの
内職
(
ないしよく
)
せしものなり、
評判
(
ひやうばん
)
は
其頃
(
そのころ
)
に
高
(
たか
)
く
去
(
さ
)
るもの
日々
(
ひゞ
)
に
踈
(
うと
)
ければ
たけくらべ
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
おれは船つきのいゝ
此所
(
こゝ
)
へ来てさへ、一ヶ月立たないうちにもう帰りたくなつた。延岡と云へば山の中も山の中も大変な山の中だ。
坊っちやん
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
かゝる
大發掘
(
だいはつくつ
)
を
試
(
こゝろ
)
みてから、
非常
(
ひじやう
)
に
此所
(
こゝ
)
は
有名
(
いうめい
)
に
成
(
な
)
つたが、
今
(
いま
)
は
兒島惟謙翁
(
こじまゐけんおう
)
の
邸内
(
ていない
)
に
編入
(
へんにふ
)
せられて、
迚
(
とて
)
も
普通
(
ふつう
)
では
發掘
(
はつくつ
)
する
事
(
こと
)
が
出來
(
でき
)
ずに
居
(
ゐ
)
た。
探検実記 地中の秘密:20 大森貝塚の発掘
(旧字旧仮名)
/
江見水蔭
(著)
どうも仕方がないから此の通り秋は
樵
(
きこり
)
をして、冬になれば
猟人
(
かりゅうど
)
をして
漸々
(
よう/\
)
に暮している、実に尾羽打枯らした此の姿で、
此所
(
こゝ
)
で逢おうとは思わなんだのう
塩原多助一代記
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
で折角今日、
此所
(
こゝ
)
まで出向いて来た彼女に無駄足踏ませるのも心ないことと思つたので、私は彼女を誘つて、すぐお隣りの地方裁判所の民事部九号法廷に同伴した。
老残
(新字旧仮名)
/
宮地嘉六
(著)
此所
(
こゝ
)
は夏の初めになると
苜蓿
(
うまこやし
)
が一面に生える。与次郎が入学願書を持つて事務へ
来
(
き
)
た時に、此桜の
下
(
した
)
に
二人
(
ふたり
)
の学生が
寐転
(
ねころ
)
んでゐた。
三四郎
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
此所
(
こゝ
)
で
余
(
よ
)
に
餘裕
(
よゆう
)
が
有
(
あ
)
ると、
之
(
これ
)
を
開
(
ひら
)
くのを
拒
(
こば
)
んで、
一狂言
(
ひときやうげん
)
するのであるが、そんな
氣
(
き
)
は
却々
(
なか/\
)
出
(
で
)
ぬ。ぶる/\
顫
(
ふる
)
へさうで、
厭
(
いや
)
アな
氣持
(
きもち
)
がして
來
(
き
)
た。
探検実記 地中の秘密:05 深大寺の打石斧
(旧字旧仮名)
/
江見水蔭
(著)
隅「御免なさいまし、御免なさいまし、一寸
此所
(
こゝ
)
を明けて下さいまし、あの、先生は
此方
(
こちら
)
にいらっしゃいますか」
真景累ヶ淵
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
つけられて、何ちふ義理知らずものもあつたものでせう、それ、
此所
(
こゝ
)
にゐる。此の厄介者が……。
ある職工の手記
(新字旧仮名)
/
宮地嘉六
(著)
所
(
ところ
)
が
杉原
(
すぎはら
)
の
方
(
はう
)
では、
妙
(
めう
)
な
引掛
(
ひつかゝ
)
りから、
宗助
(
そうすけ
)
の
此所
(
こゝ
)
に
燻
(
くす
)
ぶつてゐる
事
(
こと
)
を
聞
(
き
)
き
出
(
だ
)
して、
強
(
し
)
いて
面會
(
めんくわい
)
を
希望
(
きばう
)
するので、
宗助
(
そうすけ
)
も
已
(
やむ
)
を
得
(
え
)
ず
我
(
が
)
を
折
(
を
)
つた。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
大森
(
おほもり
)
の
貝塚
(
かひづか
)
は、
人類學研究者
(
じんるゐがくけんきうしや
)
の
眼
(
め
)
から、
最
(
もつと
)
も
神聖
(
しんせい
)
なる
地
(
ち
)
として
尊敬
(
そんけい
)
せられて
居
(
ゐ
)
る。
此所
(
こゝ
)
が
本邦
(
ほんぽう
)
最初
(
さいしよ
)
に
發見
(
はつけん
)
せられた
石器時代
(
せききじだい
)
の
遺跡
(
ゐせき
)
であるからだ。
探検実記 地中の秘密:20 大森貝塚の発掘
(旧字旧仮名)
/
江見水蔭
(著)
ぱらり持っていた刃物を落し、是はと取ろうとする所を
襟上
(
えりがみ
)
を取って膝の下へ引摺寄せる、山之助は
此所
(
こゝ
)
ぞと切込みましたが、
此方
(
こちら
)
は何分手ぶらで居った所
敵討札所の霊験
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
「それ、ウオツカと
乾葡萄
(
ほしぶだう
)
だぜ、露助め
素的
(
すてき
)
な物をくれよつた。あの爺さんに分けるんだが、どうせ
瓶
(
びん
)
ごと
此所
(
こゝ
)
に置くから勝手に飲むが好いや。そら一寸やつて見ねえ。」
煤煙の匂ひ
(新字旧仮名)
/
宮地嘉六
(著)
三四郎は論理を
此所
(
こゝ
)
迄延長して見て、少し広田さんにかぶれたなと思つた。実際の所は、これ程痛切に不足を感じてゐなかつたからである。
三四郎
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
其後
(
そののち
)
又
(
また
)
一
回
(
くわい
)
、
此所
(
こゝ
)
を
掘
(
ほ
)
つたが、
格別
(
かくべつ
)
の
物
(
もの
)
は
出
(
で
)
なかつた。
發掘
(
はつくつ
)
はそれ
切
(
き
)
りであるが、
表面採集
(
ひやうめんさいしふ
)
にはそれからも
度々
(
たび/″\
)
行
(
ゆ
)
つた。
探検実記 地中の秘密:04 馬籠と根方
(旧字旧仮名)
/
江見水蔭
(著)
玄「おゝ、弟の三次郎、成程
然
(
そ
)
う云えば、
何所
(
どこ
)
か見覚えのある顔だ、それが何うして
此所
(
こゝ
)
へ出て来た」
闇夜の梅
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
宗助
(
そうすけ
)
は
安井
(
やすゐ
)
を
此所
(
こゝ
)
に二三
度
(
ど
)
訪
(
たづ
)
ねた
縁故
(
えんこ
)
で、
彼
(
かれ
)
の
所謂
(
いはゆる
)
不味
(
まづ
)
い
菜
(
さい
)
を
拵
(
こし
)
らえる
主
(
ぬし
)
を
知
(
し
)
つてゐた。
細君
(
さいくん
)
の
方
(
はう
)
でも
宗助
(
そうすけ
)
の
顏
(
かほ
)
を
覺
(
おぼ
)
えてゐた。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
看
(
み
)
よ、
他
(
ほか
)
に
人一個
(
ひとひとり
)
居
(
を
)
らぬ
畑中
(
はたなか
)
。
其所
(
そこ
)
にわびしき
天幕
(
てんと
)
を
張
(
は
)
りて、
降
(
ふ
)
るや
降
(
ふ
)
らずの
中
(
なか
)
に
居
(
ゐ
)
る。それで
叔母達
(
をばたち
)
は
去
(
さ
)
るとも、
叔父
(
をぢ
)
と
共
(
とも
)
に
此所
(
こゝ
)
に
留
(
とゞま
)
るといふ。
探検実記 地中の秘密:07 末吉の貝塚
(旧字旧仮名)
/
江見水蔭
(著)
往
(
いつ
)
て
参
(
まゐ
)
りました。主「
大
(
おほ
)
きに
御苦労
(
ごくらう
)
だつた、早く
牡丹餅
(
ぼたもち
)
を食べな。小「へえ、
有難
(
ありがた
)
う
存
(
ぞん
)
じます、アヽ
此所
(
こゝ
)
なら
誰
(
だれ
)
も知りやアしない
桶
(
をけ
)
で
蓋
(
ふた
)
をしてあるから
気
(
き
)
が
附
(
つ
)
かない。 ...
日本の小僧
(新字旧仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
代助の心の底を能く見詰めてゐると、
彼
(
かれ
)
の本当に知りたい点は、却つて
此所
(
こゝ
)
に在ると、自から承認しなければならなくなる。
それから
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
主墳
(
しゆふん
)
では
有
(
あ
)
るまいが、
人氣
(
にんき
)
の
緩
(
ゆる
)
んで
居
(
ゐ
)
る
折柄
(
をりがら
)
とて、
學者
(
がくしや
)
も、
記者
(
きしや
)
も、
高等野次馬
(
かうとうやじうま
)
も、
警官
(
けいくわん
)
も、
悉
(
こと/″\
)
く
此所
(
こゝ
)
へ
集
(
あつ
)
まつて、
作業
(
さくげふ
)
の
邪魔
(
じやま
)
となる
事
(
こと
)
夥多
(
おびたゞ
)
しい。
探検実記 地中の秘密:29 お穴様の探検
(旧字旧仮名)
/
江見水蔭
(著)
是
(
これ
)
は
此
(
こ
)
の時のお
掛
(
かゝ
)
りの
方々
(
かた/″\
)
のお
詰所
(
つめしよ
)
と見えまして、
此所
(
こゝ
)
で
御拝
(
ぎよはい
)
があるといふことを
承
(
うけた
)
まはりました。
牛車
(新字旧仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
話
(
はなし
)
は
此所
(
こゝ
)
迄来ても、たゞ抽象的に進んだ丈であつた。代助は言葉の
上
(
うへ
)
でこそ、要領を得たが、平岡の本体を見届ける事は
些
(
ちつ
)
とも
出来
(
でき
)
なかつた。
それから
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
此
漢検準1級
部首:⽌
6画
所
常用漢字
小3
部首:⼾
8画
“此所”で始まる語句
此所等
此所迄
此所彼所