“紅蓼”の読み方と例文
読み方割合
べにたで100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
という、ななめに見える市場の裏羽目に添って、紅蓼べにたでと、露草の枯れがれに咲いて残ったのが、どちらがその狐火きつねび小提灯こじょうちんだか、濡々ぬれぬれともれて、尾花にそよいで……それ動いて行く。
古狢 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
塵も置かない綺麗事の庭の小さな池のふちに、手で一寸ちよつとしきられるばかりな土に、紅蓼べにたで、露草、蚊帳釣草、犬ぢやらしなんど、雑草なみに扱はるゝのが、野山みち、田舎のさま髣髴ほうふつとして
玉川の草 (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)
兩方りやうはうのふちをはさんで、雜草ざつさう植込うゑこんだのが、やがて、蚊帳かやつりぐさになり、露草つゆくさになり、紅蓼べにたでになつて、なつのはじめから、朝露あさつゆ夕露ゆふつゆ、……よる姿すがたかくれても、つきおもかげいろ宿やどして、むしこゑさへ
浅茅生 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)