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灯
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つ
ふりがな文庫
“
灯
(
つ
)” の例文
旧字:
燈
親爺は湯殿に這入ると、天井からブラ下がっている針金を探って、今日買って来たばかりの五
分心
(
ぶしん
)
の石油ラムプを吊して火を
灯
(
つ
)
けた。
いなか、の、じけん
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
「じゃ、なぜ暑いのに、あの窓を閉めっぱなしにしとくんです? あの窓は、いつも明りが
灯
(
つ
)
いて、でも閉まったままだったわ」
軍国歌謡集
(新字新仮名)
/
山川方夫
(著)
「それが判りません。何しろ江戸一番の締り屋で、二階廊下が危ないのを承知の上で、どうしても
有明
(
ありあけ
)
を
灯
(
つ
)
けさせない人です」
銭形平次捕物控:070 二本の脇差
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
楠平は、手燭を
灯
(
つ
)
けた。そして揺れる灯を
庇
(
かば
)
いながら、庭へ出て行ったが、主人たちの住む南側の母屋を見て、眼を
恟
(
すく
)
めた。
夕顔の門
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
高く薄暗い電燈が只一つ
灯
(
つ
)
いているきりで、凹んだ眼、尖った頬骨、大きな鼻と凹凸の多い彼の顔にクッキリとした影をつけて、彼を一層物凄く見せていた。
支倉事件
(新字新仮名)
/
甲賀三郎
(著)
▼ もっと見る
下関発上り一二等特急、富士号、二等寝台車の上段の
帷
(
カーテン
)
をピッタリと
鎖
(
とざ
)
して、シャツに
猿股
(
さるまた
)
一つのまま枕元の豆電燈を
灯
(
つ
)
けた。
冥土行進曲
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
お坊主が、
網雪洞
(
あみぼんぼり
)
を
灯
(
つ
)
ける、
紙燭
(
ししょく
)
を広間へくばる。——だが、それすら今日に限って、なんとなく薄暗い気がしてならない。
新編忠臣蔵
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
廊下が尽きるところに、金網の掛った、有明が
灯
(
つ
)
いて居ります。三之丞はそれを外して左手に持つと雨戸を開けて、真ん中の土蔵の戸前に掛ります。
黄金を浴びる女
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
そのうちに二十分間ばかりラムプがアカアカと
灯
(
つ
)
いていたようであったが、それもやがて消えてシインとしてしまった。
骸骨の黒穂
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
あかりが
灯
(
つ
)
く。
館
(
やかた
)
じゅうが
朧
(
おぼろ
)
に浮き出す。灯は雪まだらな庭園と
映
(
は
)
え合って、廊から廊のツリ燈籠まで小松の
大臣
(
おとど
)
の風流を真似たかのようである。
私本太平記:04 帝獄帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
女にも強いのがあり、男にも弱いのもあるよ、——それから、今朝死骸を見付けた時、行燈の有明が
灯
(
つ
)
いてゐたかどうか、ちよいと訊いて來てくれないか。
銭形平次捕物控:314 美少年国
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
、こうして今、懸命に写しておるので手が離せぬ。……アア
行燈
(
あかり
)
もまだ
灯
(
つ
)
いていないの。
燈
(
ひ
)
の用意はわしがするから、さがして来い、鷹を探して来い
夕顔の門
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
……眠っている枕元に、往来の電車の音が走りかかって来るような気がして、ツイ電燈を
灯
(
つ
)
けてみたくなるのだ。
ドグラ・マグラ
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
「まず提灯のことを考えるがいい。弥惣が持込んだ提灯で外に誰も人がいなかったら、
蝋燭
(
ろうそく
)
は
翌
(
あく
)
る日の朝まで
灯
(
つ
)
いているか、でなきゃ燃え尽しているはずだ」
銭形平次捕物控:127 弥惣の死
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
『吉川君、東京じゅうで、電燈がいちばん遅く
灯
(
つ
)
いた所は、どこだか知ってる?』『さあ。いずれ場末でしょうか』
美しい日本の歴史
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
枕許には、水差しと湯呑、それに、有明の
行燈
(
あんどん
)
が一つ、一本燈芯で、薄明く
灯
(
つ
)
いてゐるといつた寸法でした。
銭形平次捕物控:015 怪伝白い鼠
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
つい今
先刻
(
さっき
)
、吾輩がここを出かける時まで
空室
(
あきべや
)
であった、あの六号の病室にアカアカと電燈が
灯
(
つ
)
いている。
ドグラ・マグラ
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
灯
(
つ
)
けつ放しのまゝ、御隱居の榮衞門樣は、向う向きに布團を
被
(
かぶ
)
つて、スヤスヤと眠つてお出でのやうでした
銭形平次捕物控:251 槍と焔
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
机の端に置きました
小
(
こ
)
ラムプに火を
灯
(
つ
)
けまして、ふるえる指で目次にありましたあなた様の感想談のところを開いてみましたが、それを読んで行きますうちに私は
押絵の奇蹟
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
燈火
(
ともしび
)
などは、一点たりと
灯
(
つ
)
かない。魚油も菜たね油もみんな食糧として
舐
(
な
)
め尽してしまったのだ。
新書太閤記:06 第六分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
稲荷町や、桜山には、白いなかにチラチラと、もう宵の
燈
(
ひ
)
が
灯
(
つ
)
きはじめている。お蔦は、どこの座敷にいるか、
怒
(
おこ
)
りっ放しで、俺がこんな目に遭っているのも知るまい。
松のや露八
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
持って来た二メートルほどの棒の先へ
蝋燭
(
ろうそく
)
を
灯
(
つ
)
けた。それを前へ突出すようにして進むのです。
水中の宮殿
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
英領
加奈陀
(
カナダ
)
との競争状態といったような各項に亘って無慮、数千万語、手を挙げ眉を
展
(
の
)
ばして熱弁する事、約二時間半、夕食が終って、電燈が
灯
(
つ
)
いてもまだ結論が附かない。
近世快人伝
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
「お月待ちだからと言つて、わざと一本燈芯にしましたが、行燈が
灯
(
つ
)
いては居ました」
銭形平次捕物控:255 月待ち
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
と、鉄之丞が、あたふた、
弓張提灯
(
ゆみはり
)
を
灯
(
つ
)
けて、引っ立てられて行く
縄附
(
なわつき
)
の
側
(
そば
)
についた。
松のや露八
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
まったく……まだ五時だってえのに
電燈
(
でんき
)
を
灯
(
つ
)
けなくちゃ物が見えねえなんて……店ん中に
妖怪
(
おばけ
)
でも出そうで……もっとも古本屋なんて商売は、あんまり明るくちゃ工合が悪う御座いますナ。
悪魔祈祷書
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
「さア入るぞ、有毒ガスがあるかも知れないから、穴の中へ入ったら
蝋燭
(
ろうそく
)
を
灯
(
つ
)
けよう」
水中の宮殿
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
「その時は、おいらも
捕手
(
とりて
)
と一緒になって浜町へ行くよ。ちょうど明りの
灯
(
つ
)
く時分に」
江戸三国志
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
蚊帳には牛九郎老人の枕元に
血飛沫
(
ちしぶき
)
がかかっているだけで、ほかに何の異状も認められないところを見ると、二人の寝息を
窺
(
うかが
)
った犯人は、大胆にも電燈を
灯
(
つ
)
けるか何かして蚊帳の中に忍び入って
巡査辞職
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
母上はいつものやうに手燭を
灯
(
つ
)
けて私を迎へて下すつたが、ひどく青い顏をして出られた。私は何んにも言はずに自分の部屋に入つてしまつた。——それだけの事だよ、錢形の親分。
銭形平次捕物控:256 恋をせぬ女
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
「
燈火
(
あかり
)
をつけるのも忘れていやがる。——誰か、あかりを
灯
(
つ
)
けんのかっ」
宮本武蔵:03 水の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
それから悠々と金口煙草を一本出してライターを
灯
(
つ
)
けた。
オンチ
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
此処
(
ここ
)
だったのか、
飛
(
と
)
んだ
心配
(
しんぺい
)
をしたぜ、家へ行って見ると、
行灯
(
あんどん
)
を
灯
(
つ
)
けっ放しで空っぽだろう——お隣で聞くと、母親の三七日を済ませて、がっかり気を落したものか、物に憑かれたように
礫心中
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
『……墨江、
行燈
(
あかり
)
が消えている。……行燈を
灯
(
つ
)
けたらいいだろう』
死んだ千鳥
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
真ん中に明るい
飾電灯
(
シャンデリヤ
)
が下って、その上幾つかのスタンドまで
灯
(
つ
)
け、部屋の中の物の影も作らせないほど明るく、得体も知れない巨大な器械が、その部屋の面積の大部分を占めて、頑張って居ります。
音波の殺人
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
燈
(
あか
)
りは
灯
(
つ
)
いているが、返辞はない。十兵衛は舌打ちならして
柳生月影抄
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
そして中庭越しの向うの部屋には明りが
灯
(
つ
)
いた。
新・水滸伝
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「二階へは
有明
(
ありあけ
)
を
灯
(
つ
)
けておくのか」
銭形平次捕物控:117 雪の夜
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
「お待ち、今、明りを
灯
(
つ
)
けてやるからの……」
宮本武蔵:04 火の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「だから電灯を
灯
(
つ
)
けましょう」
新奇談クラブ:04 第四夜 恋の不在証明
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
「懐中電灯を
灯
(
つ
)
けようか」
水中の宮殿
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
灯
常用漢字
小4
部首:⽕
6画
“灯”を含む語句
提灯
灯火
灯明
鬼灯
小提灯
灯影
高張提灯
大提灯
弓張提灯
遠灯
紅提灯
鬼灯提灯
岐阜提灯
電灯
御灯
酸漿提灯
挑灯
灯花
行灯
瓦斯灯
...