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齒切
狡猾で
恥知らずで、
齒切れがわるくて
何一つ
取り
柄のない
人間ばかりの
住んで
居る
土地だ。
紀はなんとも
答へなかつたが、
厭で
厭でたまらないこの
土地の
生ぬるい、
齒切れのわるい
人間をこツぴどくやつ
付けてくれた
殿樣の
小氣味のよい
言葉が、
氣持ちよく
耳の
穴へ
流れ
込んで
打れて
眞逆さまに倒るゝをお花は
透さず
駈寄て左の
腕を
打落せば吾助は
起んと
齒切を爲す友次郎お花忠八
諸共押重り十分止めを
刺貫し終に首を