歯痛しつう)” の例文
旧字:齒痛
聞いて見ると、この歯医者の先生は、いまだかつて歯痛しつうの経験がないのだそうである。それでなければ、とてもこんなに顔のゆがんでいる僕をつかまえて辣腕らつわんをふるえる筈がない。
田端日記 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
歯痛しつうおのずからおさまったので、秋におそわれるような寒い気分は、少し軽くなったけれども、やがて御米が隠袋ポッケットから取り出して来た粉薬を、ぬるま湯にいてもらって、しきりに含嗽うがいを始めた。
(新字新仮名) / 夏目漱石(著)
歯痛しつうの色のきな、沃土ホルムのきな、粉つぽい亢奮のきな
東京景物詩及其他 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)