)” の例文
とたんに棚に頭をごつんとぶちつけ、た! と仰天したやうな悲鳴を発して頭を抱へると、胴を丸くし首をちぢめて一散に走り出した。
青春の天刑病者達 (新字旧仮名) / 北条民雄(著)
(猿の耳を引張れば、猿は引つかく。)え、え、てえ、痛てえ。こん畜生、だしぬけに引つ掻きやあがつたな。
権三と助十 (旧字旧仮名) / 岡本綺堂(著)
あ、たッ、何でい、わーい、という声が譟然がやがやと入違って、友達は皆道草を喰っている中を、私一人は駈脱かけぬけるようにして側視わきみもせずに切々せっせと帰って来る。
平凡 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
脛押すねおしか。』と轟大尉とゞろきたいゐかほしかめたが、けぬ大尉たいゐ何程なにほどことやあらんとおなじく毛脛けずねあらはして、一押ひとおししたが、『あた、たゝゝゝ。』とうしろ飛退とびのいて
「遠方から来た者です、へい、この地方に、お訪ねしたいお人があったのに。……そ、それを理不尽りふじんにも、いきなり縄目にかけやがッて。……あて、アててて」
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
てえ/\つちからまくつてたら、うぶらんとつたつきりでわしもはあ、魂消たまげつちやつて
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
白「そんなに叩かなくってもいゝ、寝ちゃアいねえんだ、うに眼が覚めている、そんなに叩くと戸がこわれらア、どれ/\待っていろ、あゝたゝゝゝ戸を明けたのに己の頭をなぐる奴があるものか」
お庄は押入れから夜具を卸していながら、ぴしゃんとてつけた戸と柱の間へ挟んだ指をなめながら、「おた。」と大げさな声を立てて突っ立っていた。母親が戸締りをしてからそこへ寄って来た。
足迹 (新字新仮名) / 徳田秋声(著)
「あつ、た、ほうさん。」
私の生ひ立ち (新字旧仮名) / 与謝野晶子(著)
「あッ、あたッ」
海底大陸 (新字新仮名) / 海野十三(著)
「おゝてえまあ」群集ぐんしふなかから假聲こわいろでいつた。をどりれつ先刻さつきからくづれてごと勘次かんじとおつぎの周圍まはりあつまつたのである。おつぎはこのこゑくとともみだけた衣物きものあはつくろうた。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
婆「あた/\どうするのだ」
業平文治漂流奇談 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
「アててて」
宮本武蔵:06 空の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)