“いだ”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:イダ
語句割合
50.0%
24.6%
18.8%
1.7%
1.6%
射出0.8%
0.7%
鋳出0.7%
発出0.3%
0.1%
委它0.1%
委蛇0.1%
彼出0.1%
0.1%
0.1%
見出0.1%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
……だんだん、ぼくはかれが傷つけられてはいないこと、あるいはそう振舞ってくれていることに、ある安堵あんどと信頼をいだきはじめた。
煙突 (新字新仮名) / 山川方夫(著)
彼は明和二年錦絵発明ののち、板刻の技術の漸く進歩するに従ひ次第に背景を綿密ならしめ、河流、庭園、海浜等の風景を描きいだしぬ。
江戸芸術論 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
甲州屋の親たちも内々のうたがいをいだいていながら、迂闊うかつにそんなことを口外することは出来ないので、わざと自分のあとを追わせて
半七捕物帳:35 半七先生 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
僕の耳には亡父なきちち怒罵どばの声が聞こえるのです。僕のには疲れはて身体からだを起して、何も知らない無心の子をいだき、男泣きに泣きたもうた様が見えるのです。
運命論者 (新字新仮名) / 国木田独歩(著)
しかそのもつとおそれをいだくべき金錢きんせん問題もんだいそのこゝろ抑制よくせいするには勘次かんじあまりにあわてゝかつおどろいてた。醫者いしや鬼怒川きぬがはえてひがしる。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
その瞬間燕返つばめがえしに、見も知りもせぬ路傍の人に与えるような、冷刻な驕慢きょうまんな光をそのひとみから射出いだしたので、木部の微笑は哀れにも枝を離れた枯れ葉のように
或る女:1(前編) (新字新仮名) / 有島武郎(著)
其声それよりでかき声をいだして馬鹿めと罵りながら爲右衞門づか/\と立出で、僮僕をとこども此狂漢きちがひを門外に引き出せ、騒〻しきを嫌ひたまふ上人様に知れなば、我等が此奴のために叱らるべしとの下知
五重塔 (新字旧仮名) / 幸田露伴(著)
暗い中で自分をあやつっている運命の糸と、どんな関係をっているか、固より想像し得るはずがないので、ただそこに鋳出いだされた模様と、それがしまってあった袋とを見比べるだけで
彼岸過迄 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
奈良や京都はいざ知らず上野浅草芝山内、江戸にて此塔これに勝るものなし、殊更塵土に埋もれて光も放たず終るべかりし男を拾ひあげられて、心の宝珠たまの輝きを世に発出いだされし師の美徳
五重塔 (新字旧仮名) / 幸田露伴(著)
不思議な友情をはっきり見てから、すても永い間経験したことのない女の気持をむさぼるよう、むねにかきいだいた。すては元来た道を、うすものおもてを蔽うたまま馬をはしらせた。
ふたたび貝がそれを繰り返した時に、すては貝の手の甲をはたいた。貝はおとなしく手を引きこめると、こんどは肩をいだこうとし、それも、すてによってはずみが食わせられた。
主人の蔭多き大柳樹の下にありて、あつらへし朝餉あさげの支度する間に、我等はこの烟煤えんばいの窟をのがれ、古祠ふるほこらを見に往くことゝしたり。委它いだたる細徑は荊榛けいしんの間に通ぜり。
上智部においては「遠猷えんゆう」を説き、明智部においては「剖疑ぼうぎ」を説き、察智部においては「得情」を説き、胆智部においては「威克」を説き、術智部においては「委蛇いだ」「謬数びゅうすう」を説き
蔦葛木曽棧 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
山木が田崎に向かいて娘お豊を武男が後妻こうさいにとおぼろげならず言いでしその時は、川島未亡人とお豊の間は去る六げつにおける日清にっしんの間よりも危うく、彼出いだすか、われづるか
小説 不如帰  (新字新仮名) / 徳冨蘆花(著)
魚沼郡の内にて縮をいだす事一様ならず、村によりていだしなにさだめあり。こはおのづからむかしより其しなにのみ熟練じゆくれんしてほかしなうつらざるゆゑ也。其所その品をいだす事左のごとし。
「じゃ、じゃ、じらえだが、いだぐしたが。」
鹿踊りのはじまり (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)
奇体な窓を幾つも屋上に建て出した古風な老をくなどが其処そこに多く見出いだされる。
巴里より (新字旧仮名) / 与謝野寛与謝野晶子(著)