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擁
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いだ
ふりがな文庫
“
擁
(
いだ
)” の例文
彼にあつて自由に華やかに澄徹した調を送つた歌の鳥もすでに聲を收めて、いつしかその姿をかくした。
此
(
こゝ
)
には孤獨の思ひを
擁
(
いだ
)
く島崎氏あるのみである。
新しき声
(旧字旧仮名)
/
蒲原有明
(著)
僕の耳には
亡父
(
なきちち
)
の
怒罵
(
どば
)
の声が聞こえるのです。僕の
眼
(
め
)
には疲れ
果
(
はて
)
た
身体
(
からだ
)
を起して、何も知らない無心の子を
擁
(
いだ
)
き、男泣きに泣き
給
(
たも
)
うた様が見えるのです。
運命論者
(新字新仮名)
/
国木田独歩
(著)
あの
手
(
て
)
に
握
(
にぎ
)
つた
他
(
ほか
)
の
手
(
て
)
、あの
胸
(
むね
)
に
擁
(
いだ
)
いた
他
(
ほか
)
の
胸
(
むね
)
のあつたことを
想像
(
さうぞう
)
して、
心臓
(
しんざう
)
の
鼓動
(
こどう
)
も一
時
(
じ
)
に
停
(
とま
)
り、
呼吸
(
いき
)
も
窒
(
ふさ
)
がつたやうに
覚
(
おぼ
)
えた。
同時
(
どうじ
)
に
色々
(
いろ/\
)
の
疑問
(
ぎもん
)
が
胸
(
むね
)
に
起
(
おこ
)
つた。
背負揚
(新字旧仮名)
/
徳田秋声
(著)
二日過ぎて、ベルナルドオは我頸を
擁
(
いだ
)
き、我手を
把
(
と
)
りていふやう。アントニオよ。今こそは我心を語らめ。桂冠の我頭に觸れたる時は、われは
百千
(
もゝち
)
の
棘
(
いばら
)
もて刺さるゝ如くなりき。
即興詩人
(旧字旧仮名)
/
ハンス・クリスチャン・アンデルセン
(著)
大抵の詩人は一度は小説を書いて見ようという気構えを、いつも発作的に
擁
(
いだ
)
いているものだが、百田宗治も私が小説を書きはじめた時分に、二、三篇の小説を書いてそれを話していた。
我が愛する詩人の伝記
(新字新仮名)
/
室生犀星
(著)
▼ もっと見る
わが
鴿
(
はと
)
よ、わが友よ、いざともに
擁
(
いだ
)
かまし。
邪宗門
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
擁
(
いだ
)
きて
浮
(
う
)
きし
濡髮
(
ぬれかみ
)
の、これや、したたり。
白羊宮
(旧字旧仮名)
/
薄田泣菫
、
薄田淳介
(著)
詩人は努力精進して別に
深邃
(
しんすゐ
)
なる詩の法門をくゞり、三眛の境地に脚を
停
(
とゞ
)
めむとして
遽
(
には
)
かに
踵
(
きびす
)
をかへされた。吾人は「寂寥」篇一曲を
擁
(
いだ
)
いて詩人の遺教に泣くものである。
新しき声
(旧字旧仮名)
/
蒲原有明
(著)
われはまた
汝
(
な
)
が首を
擁
(
いだ
)
きしめ、擁きしめ
思ひ出:抒情小曲集
(旧字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
かたみに
人
(
ひと
)
は
擁
(
いだ
)
きあひ
白羊宮
(旧字旧仮名)
/
薄田泣菫
、
薄田淳介
(著)
「若菜集」を讀む前にませて
歪
(
ゆが
)
んだ或種の思想を
擁
(
いだ
)
いて
居
(
を
)
ればこそ他に無垢なる光明世界のあるのを見ないのであらう。輝ける
稚
(
わか
)
き世——それが「若菜集」の世界である、
嬥歌
(
かゞひ
)
の
塲
(
には
)
である。
新しき声
(旧字旧仮名)
/
蒲原有明
(著)
かろく
擁
(
いだ
)
けば手はかゆく
思ひ出:抒情小曲集
(旧字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
眞白手しかと
擁
(
いだ
)
きて
泣菫詩抄
(旧字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
擁
(
いだ
)
きぬ、触れぬ、燃えなす願ひよ、
将
(
は
)
た
機縁:(友なる画家の画稿に題す)
(新字旧仮名)
/
蒲原有明
(著)
再び
擁
(
いだ
)
く、君と我。
第二邪宗門
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
聖母は御子の寢すがたを
擁
(
いだ
)
きたまへり
有明集
(旧字旧仮名)
/
蒲原有明
(著)
われはまた君を
擁
(
いだ
)
きて泣くなめり
有明集
(旧字旧仮名)
/
蒲原有明
(著)
擁
(
いだ
)
くは
勁
(
つよ
)
く張りし琴
草わかば
(旧字旧仮名)
/
蒲原有明
(著)
雙
(
さう
)
の
腕
(
かひな
)
にかき
擁
(
いだ
)
き
有明集
(旧字旧仮名)
/
蒲原有明
(著)
擁
常用漢字
中学
部首:⼿
16画
“擁”を含む語句
抱擁
擁護
相擁
簇擁
擁護者
擁立
相抱擁
包擁
雪擁藍関
豪歩簇擁
繁擁
雪擁藍關馬不前
雪擁藍関馬不前
求児擁護
擁遏
擁護愛愍
一擁
擁護人
擁済会
擁書楼
...