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懷
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いだ
ふりがな文庫
“
懷
(
いだ
)” の例文
新字:
懐
將軍家のお聲懸りの利章を、忠之はどうすることも出來ぬが、
豫
(
かね
)
て
懷
(
いだ
)
いてゐた惡感情は消えぬのみか、
却
(
かへ
)
つて募るばかりである。
栗山大膳
(旧字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
然
(
しか
)
し
其
(
その
)
最
(
もつと
)
も
恐
(
おそ
)
れを
懷
(
いだ
)
くべき
金錢
(
きんせん
)
の
問題
(
もんだい
)
が
其
(
その
)
心
(
こゝろ
)
を
抑制
(
よくせい
)
するには
勘次
(
かんじ
)
は
餘
(
あま
)
りに
慌
(
あわ
)
てゝ
且
(
かつ
)
驚
(
おどろ
)
いて
居
(
ゐ
)
た。
醫者
(
いしや
)
は
鬼怒川
(
きぬがは
)
を
越
(
こ
)
えて
東
(
ひがし
)
に
居
(
ゐ
)
る。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
しかし私の手は私の思想を
補
(
たす
)
ける力がなかつたと見えて、いつも私の
懷
(
いだ
)
いてゐたものゝ蒼ざめた姿を寫し出したにすぎない。
ジエィン・エア:02 ジエィン・エア
(旧字旧仮名)
/
シャーロット・ブロンテ
(著)
しかしてわが今述べんとするところは、聲これを傳へ、墨これを
録
(
しる
)
しゝことなく、想像もこれを
懷
(
いだ
)
きしことなし 七—九
神曲:03 天堂
(旧字旧仮名)
/
アリギエリ・ダンテ
(著)
別
(
べつ
)
に
苦
(
く
)
にもならず
總
(
すべ
)
てを
義母
(
おつかさん
)
にお
任
(
まかせ
)
して
茶
(
ちや
)
ばかり
飮
(
の
)
んで
内心
(
ないしん
)
一の
悔
(
くい
)
を
懷
(
いだ
)
きながら
老人夫婦
(
としよりふうふ
)
をそれとなく
觀察
(
くわんさつ
)
して
居
(
ゐ
)
た。
湯ヶ原ゆき
(旧字旧仮名)
/
国木田独歩
(著)
▼ もっと見る
我が爲めには此詞の
嘲謔
(
てうぎやく
)
の意あるが如く聞えて、我は此
家
(
や
)
の内にあるに堪へず、一つの憂をもて來し身の、今は二つの憂を
懷
(
いだ
)
きて、逃るが如く馳せ去りぬ。
即興詩人
(旧字旧仮名)
/
ハンス・クリスチャン・アンデルセン
(著)
その昔平將門が此處に登つて京都を下瞰しながら例の大野望を
懷
(
いだ
)
いたと稱せらるる處で、まことに四空蒼茫
比叡山
(旧字旧仮名)
/
若山牧水
(著)
實際頭巾にて覆はれ
居
(
を
)
るべき耳の形が
外
(
そと
)
に作り設けて有ればとて
格別
(
かくべつ
)
に不審を
懷
(
いだ
)
くにも及ばざるべし。
コロボックル風俗考
(旧字旧仮名)
/
坪井正五郎
(著)
〔譯〕
刀槊
(
たうさく
)
の
技
(
ぎ
)
、
怯
(
きよ
)
心を
懷
(
いだ
)
く者は
衄
(
くじ
)
け、
勇氣
(
ゆうき
)
を
頼
(
たの
)
む者は
敗
(
やぶ
)
る。必や
勇怯
(
ゆうきよ
)
を一
靜
(
せい
)
に
泯
(
ほろぼ
)
し、
勝負
(
しようぶ
)
を一
動
(
どう
)
に
忘
(
わす
)
れ、之を
動
(
うご
)
かすに天を以てして、
廓然
(
かくぜん
)
太公
(
たいこう
)
に、之を
靜
(
しづ
)
むるに地を以てして、
物
(
もの
)
來つて
順應
(
じゆんおう
)
せん。
南洲手抄言志録:03 南洲手抄言志録
(旧字旧仮名)
/
秋月種樹
、
佐藤一斎
(著)
その頃料らずも外山正一氏の畫論を讀みて、
我
(
わが
)
懷
(
いだ
)
けるところに衝突せるを覺え、
遂
(
つひ
)
に
技癢
(
ぎやう
)
にえ
禁
(
た
)
へずして
反駁
(
はんばく
)
の文を草しつ。
柵草紙の山房論文
(旧字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
明
(
あか
)
るい
光
(
ひかり
)
に
滿
(
み
)
ちた
田圃
(
たんぼ
)
を
其
(
そ
)
の
惑亂
(
わくらん
)
し
溷濁
(
こんだく
)
した
心
(
こゝろ
)
を
懷
(
いだ
)
いて
寂
(
さび
)
しく
歩數
(
あゆみ
)
を
積
(
つ
)
んで
行
(
ゆ
)
く
彼
(
かれ
)
は、
玻璃器
(
はりき
)
の
水
(
みづ
)
を
日
(
ひ
)
に
翳
(
かざ
)
して
發見
(
はつけん
)
した一
點
(
てん
)
の
塵芥
(
ごみ
)
であつた。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
若し思ふ存分さう出來たとしても、セント・ジョンは基督教徒らしくない復讐心を
懷
(
いだ
)
いてもゐなかつた——また私の髮の毛一本も傷けようとしたのではなかつた。
ジエィン・エア:02 ジエィン・エア
(旧字旧仮名)
/
シャーロット・ブロンテ
(著)
中にも女友二人の如きは、相見るごとに我が悲哀の記憶を喚び
醒
(
さま
)
すことを免れず。われは悲哀を
懷
(
いだ
)
いてヱネチアに來ぬ。而してヱネチアは更に我に悲哀を與へしなり。
即興詩人
(旧字旧仮名)
/
ハンス・クリスチャン・アンデルセン
(著)
であるから
自分
(
じぶん
)
は
馬
(
うま
)
を
書
(
か
)
きながらも
志村
(
しむら
)
は
何
(
なに
)
を
書
(
か
)
いて
居
(
ゐ
)
るかといふ
問
(
とひ
)
を
常
(
つね
)
に
懷
(
いだ
)
いて
居
(
ゐ
)
たのである。
画の悲み
(旧字旧仮名)
/
国木田独歩
(著)
彼
(
かれ
)
は
反目
(
はんもく
)
して
居
(
ゐ
)
るだけならば
久
(
ひさ
)
しく
馴
(
な
)
れて
居
(
ゐ
)
た。
然
(
しか
)
し
彼
(
かれ
)
は
從來
(
じゆうらい
)
嘗
(
かつ
)
てなかつた
卯平
(
うへい
)
の
行爲
(
かうゐ
)
に
始
(
はじ
)
めて
恐怖心
(
きようふしん
)
を
懷
(
いだ
)
いたのであつた。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
異心を
懷
(
いだ
)
かぬのに、何事をか
捉
(
とら
)
へて口實にして、異心あるやうに、認められはすまいかと云ふのが、當時の大名の斷えず心配してゐる所である。
栗山大膳
(旧字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
されどわが嘗て受けし教と、
現
(
げん
)
に
懷
(
いだ
)
ける
見
(
けん
)
とは、
俘囚
(
とりこ
)
たるにあらずして、君等が間に伍すべきやうなし。これを聞きて、我を伴ひ來し男の顏は、忽ち
嚴
(
おごそか
)
なる色を見せたり。
即興詩人
(旧字旧仮名)
/
ハンス・クリスチャン・アンデルセン
(著)
私は、住居が森や丘に
懷
(
いだ
)
かれ、流れに沿つてゐると云つたが、そこは住むのにたのしい場所ではないだらうか。確かに、十分愉しい、併し健康によいか否かは別問題として。
ジエィン・エア:02 ジエィン・エア
(旧字旧仮名)
/
シャーロット・ブロンテ
(著)
夏
(
なつ
)
の
初
(
はじめ
)
の
旅
(
たび
)
、
僕
(
ぼく
)
は
何
(
なに
)
よりも
是
(
これ
)
が
好
(
すき
)
で、
今日
(
こんにち
)
まで
數々
(
しば/\
)
此
(
この
)
季節
(
きせつ
)
に
旅行
(
りよかう
)
した、
然
(
しか
)
しあゝ
何等
(
なんら
)
の
幸福
(
かうふく
)
ぞ、
胸
(
むね
)
に
樂
(
たの
)
しい、
嬉
(
う
)
れしい
空想
(
くうさう
)
を
懷
(
いだ
)
きながら、
今夜
(
こんや
)
は
彼
(
あ
)
の
娘
(
むすめ
)
に
遇
(
あ
)
はれると
思
(
おも
)
ひながら
湯ヶ原より
(旧字旧仮名)
/
国木田独歩
(著)
動植をきはむる學者の心は、世の常の用をばげに問はざるべけれど、進化説を唱ふる人は、微蟲を解剖するときも、おのれが
懷
(
いだ
)
ける説の旨に
愜
(
かな
)
はむことを願はざるにあらず。
柵草紙の山房論文
(旧字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
懷
部首:⼼
19画
“懷”を含む語句
可懷
懷胎
懷中
述懷
内懷
追懷
御懷
懷紙
人懷
懷中物
手懷
懷中鏡
懷中電燈
本懷
懷裡
懷提灯
懷手
山懷
懷劍
懷姙
...