“搉(いだ)” の例文
不思議な友情をはっきり見てから、すても永い間経験したことのない女の気持をむさぼるよう、むねにかき搉(いだ)いた。すては元来た道を、羅(うすもの)で面(おもて)を蔽うたまま馬をはしらせた。
ふたたび貝がそれを繰り返した時に、すては貝の手の甲をはたいた。貝はおとなしく手を引きこめると、こんどは肩を搉(いだ)こうとし、それも、すてによってはずみが食わせられた。
おれに狼の名を著(き)せぬよう承知してくれと、貝は拝むような眼附でそう言ったが、すては、ではあたしにも恥を掻かさないで搉(いだ)いただけで帰ってくれ、貝どのの命にかかわることだからといった。