和女そなた)” の例文
和女そなたは人殺しの罪に汚れた身で到底此の丸部道九郎の妻には出来ぬのみか此の家へ置くも汚らわしいから用意の出来次第に此の家を
幽霊塔 (新字新仮名) / 黒岩涙香(著)
うるほせしが此方に向ひてコリヤ娘必ず泣な我も泣じ和女そなたそだて此年月よき婿むこ取んと思ふ所へ幸ひなるかなと今度の婚姻無上こよなき親娘おやこが悦びを
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
和女そなたは森林を探検して、何も不思議な物を見なかったか」と問えば、一番目の娘は澄ました顔で
黄金の腕環:流星奇談 (新字新仮名) / 押川春浪(著)
もしまた当地滞留中いささかも行いをみださなんだら、和女そなたわれに五百金銭を持って来なとかけをした。それからちゅうものは前に倍してしげく来り媚びへつらうに付けて、商主ますます心を守って傾く事なし。
堪忍かんにんせよかし和女そなたにまでをかけてあらぬおもひにこゝろ
五月雨 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
「それは気のどく、和女そなたはどうした素性の者じゃ」
魔王物語 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
頼みたく今日は和女そなたの歸りをば實は二個ふたりで待てゐたりと言ばお金はまばらなるあらはして打笑ひ然いふ目出度お話と聞ては吾儕わたしも實にうれしく斯いふ事を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
実は是なるお浦が是非とも和女そなたに逢い、前の無礼を親しく詫びたいと云い、私に和女の居る所を
幽霊塔 (新字新仮名) / 黒岩涙香(著)
流星の消えた場所には何か不思議な物が落ちて居ると云われて居る、夫れは本当かうそか分らぬが、兎に角今あのさびしい森林の中へは流星が落ちた、和女そなただあの森林の中へ入った事はあるまいが
黄金の腕環:流星奇談 (新字新仮名) / 押川春浪(著)
三郎さぶろうさまと申のなり此頃このごろたまひしは和女そなた丁度ちやうど不在るすときよ一あしちがひに御歸宅ごきたくゆゑらぬのは道理どうりひかけてお八重やへかほさしのぞき此願このねがかなはゞ生涯しやうがい大恩だいおんぞかしくどうははぬこゝろこれよとはすうれしきいろはあらはれたり
五月雨 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
はらす其爲にやいばを振つてあだたふす實に見上げたる和女そなた心底しんてい年まだ二十歳はたちに足らざる少女の爲可きわざにはあらざりける男まさり擧動ふるまひこそ親はづかしき天晴あつぱれ女然れども人を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
これ/\、和女そなたは今夜うかして居るよ、いつもと違い余り小説じみた事を
血の文字 (新字新仮名) / 黒岩涙香(著)
和女そなたも矢張り不思議な物を見なかったか」
黄金の腕環:流星奇談 (新字新仮名) / 押川春浪(著)
たがひぞとて御優おやさしき御詞おことばわれもしきりにうれしくてたづぬるひとありとこそあかさゞりしが種々いろ/\との物語ものがたり和女そなた母御はゝご斯々かく/\ひとならずやとおもらぬ御問おとまことかぞなんとして御存ごぞんじとへばわすれてるべきか和女そなたれとは兄弟きやうだいぞかしれは梨本なしもというなるを
五月雨 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
或時あるとききしにおたかおなじくなみだになりてわたしこゝろるものは和女そなたばかりよしさまのことはおもりても御兩親ごりやうしん行末ゆくすゑ心配しんぱいなり明日あすえんきなばかく自由じいうかなふまじ其時そのときたのむは和女そなたぞかしとゝさまのおこゝろよくりて松澤まつざはさまとのなかむかしとほりにしてしゝひとつがおたのみぞとて兩手りやうて
別れ霜 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)