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和郎
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そなた
ば
引摺り込み
結納までも
取交せしぞ
息子の
意に
叶たる者にてあらばとは
云たれど惡ひ病があつても
能いと我々夫婦は決して云ぬに
和郎は左樣な
女兒とも知ずに
縁を
も見ずして我家へ
歸り向ふの始末
斯々と
咄して
汗を
拭ひけり夫婦は聞て先は
安堵此事
一子に云ん物と思へど未だ暇に
乏しく咄しもせねば
和郎まづ
一子に
篤と此
由を
探り給ふか
吾儕も共に案じられてと云ば忠兵衞
點頭て年より
怜悧和郎の心配吾儕も
切迫に
詰つた故
先云るゝ通り五日をば承知をなして受合たれど何を
當にも雲を
闇。