“古蓑”の読み方と例文
読み方割合
ふるみの100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
横手の衝立ついたて稲塚いなづかで、火鉢の茶釜ちゃがまは竹の子笠、と見ると暖麺ぬくめん蚯蚓みみずのごとし。おもんみればくちばしとがった白面のコンコンが、古蓑ふるみの裲襠うちかけで、尻尾のつまを取ってあらわれそう。
菎蒻本 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
左の方の柱には古笠と古蓑ふるみのとが掛けてあつて、右の方の暖炉だんろの上には写真板の手紙の額が黒くなつて居る。北側の間半けんはんの壁には坊さんの書いた寒山かんざんの詩の小幅が掛つて居るが極めて渋い字である。
墨汁一滴 (新字旧仮名) / 正岡子規(著)
たとひ今は世に亡き人にもせよ、正に自分の恋人であればだけれども、可怪おかし枯野かれのの妖魔が振舞ふるまい、我とともに死なんといふもの、恐らく案山子かかしいだ古蓑ふるみの
二世の契 (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)