穿)” の例文
左右が高くって、中心がくぼんで、まるで一間はばを三角に穿って、その頂点が真中まんなかつらぬいていると評してもよい。路を行くと云わんより川底をわたると云う方が適当だ。
草枕 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
そうしておけば、一々ハッパ押えを、断崖の下まで吹き飛ばされないで済むし、ハッパ穴が五六尺の高い段の上に穿られても、上からハッパ押えを吊るしておけるのだった。
鋭いのみ穿りぬいたように、大曲りにねった山稜リッジを、連鎖にして、その果に突立っている、仰ぐと、西の天は雲が三万尺も高く、うずたかくなって、その隙間には湖水のように澄徹した碧空が
白峰山脈縦断記 (新字新仮名) / 小島烏水(著)
梃でも動かない玉石へ、ハッパ穴を穿つてゐるのだつた。
万福追想 (新字旧仮名) / 葉山嘉樹(著)