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穿
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あ
ふりがな文庫
“
穿
(
あ
)” の例文
それにも増して、刀身へ穴でも
穿
(
あ
)
けるかのように、その刀身を見詰めているのは、
燠
(
おき
)
のように熱を持った薪左衛門の眼であった。
血曼陀羅紙帳武士
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
ペツポ怒りて、
頑
(
かたくな
)
なる女かな、この木履もてそちが頭に、ピアツツア、デル、ポヽロの
通衢
(
おほぢ
)
のやうなる穴を
穿
(
あ
)
けんと叫びぬ。
即興詩人
(旧字旧仮名)
/
ハンス・クリスチャン・アンデルセン
(著)
底の方には蜂の出入口になる小さな穴が三つ
穿
(
あ
)
いてゐます。そして、内側には、今に出来る筈の
蜜窩
(
みつか
)
を支へる為めの幾本かの木釘があります。
科学の不思議
(新字旧仮名)
/
ジャン・アンリ・ファーブル
(著)
水槽を二つに仕切った格子の潜りの真下に、幅二分、長さ七八分、ちょうど短刀のなかごを逆に立てるほどの、真新しい穴が
穿
(
あ
)
いているのです。
銭形平次捕物控:016 人魚の死
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
演壇の右側には一警視の剣を
杖
(
つ
)
きて、弁士の横顔穴も
穿
(
あ
)
けよと
睨
(
にら
)
みつゝあり、三名の巡査は
俯
(
ふ
)
して速記に
忙殺
(
ばうさつ
)
せらる
火の柱
(新字旧仮名)
/
木下尚江
(著)
▼ もっと見る
どれも一文字に引いてあるのは、左から右に通っています。一体刃物を突き込んだ所は大きく穴が
穿
(
あ
)
き、引くに従って薄くなりますから、よく分る筈です。
琥珀のパイプ
(新字新仮名)
/
甲賀三郎
(著)
申分けが無いとなると、切腹するより他には無いのだが、同じ死ぬのならお前のドテッ腹へ風穴を
穿
(
あ
)
けて、屍骸が
痩
(
や
)
せるまで血を流さした上で、覚悟をする
悪因縁の怨
(新字新仮名)
/
江見水蔭
(著)
その首には三尺四方の板で首の入るだけ穴の
穿
(
あ
)
いた、厚み一寸二、三分のごく重い木で拵えた板が
箝
(
は
)
めてある。
チベット旅行記
(新字新仮名)
/
河口慧海
(著)
上部に鉄の
格子
(
こうし
)
を
穿
(
あ
)
けて中央の孔から鉄砲を打つと云う
仕懸
(
しかけ
)
の後世のものでは無論ない。いずれの時、何者が
錬
(
きた
)
えた盾かは盾の主人なるウィリアムさえ知らぬ。
幻影の盾
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
またその櫃には小さい孔を
穿
(
あ
)
けて、空気の流通を自由にし、しばしばグローチゥスをこれに入れて試験を行い、それからひたすら、好機会の到来を侍っておった。
法窓夜話:02 法窓夜話
(新字新仮名)
/
穂積陳重
(著)
大晦日
(
おおみそか
)
の雨はこの附近もひどかったらしく、木の根元に大孔を
穿
(
あ
)
けているので思うように飛ばせない。
単独行
(新字新仮名)
/
加藤文太郎
(著)
諸君はこの個我の宿中に穴を
穿
(
あ
)
けたいとは思はぬのか、自然の向う側を見たいとは思はぬのか! 自然とは、調和とは、一体何か。私は私の周囲に押し寄せて来る敵を見た。
精神のへど:――手帳より――
(新字旧仮名)
/
北条民雄
(著)
一所
(
ひとところ
)
闇が千切られた。そこへ
楔形
(
くさびがた
)
の穴が
穿
(
あ
)
いた。焔が楔形に燃え上がったのであった。五人の者は火を囲んだ。風に消されまいと取り囲んだ。
神州纐纈城
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
蜘蛛はほんの一寸の間に孔を
穿
(
あ
)
けて、虫が絹の材料の液をつくるやうにしてつくつた毒液の、やつと見える位の僅かの滴りをその管から流し込むのだ。
科学の不思議
(新字旧仮名)
/
ジャン・アンリ・ファーブル
(著)
これではどんなに自分が生活を守つても、片端から夫が大穴を
穿
(
あ
)
けて行くやうなものだと、彼女は近頃の夫に苛立しいものを感じるのだつた。彼女にも、夫の苦痛が全然判らない訳ではなかつた。
道化芝居
(新字旧仮名)
/
北条民雄
(著)
ちと
具合
(
ぐあひ
)
が
惡
(
わる
)
いので、三
人
(
にん
)
其所
(
そこ
)
に
立
(
た
)
つて
居
(
ゐ
)
ると、それと
知
(
し
)
つた
男子達
(
をとこたち
)
は、
聽
(
きこ
)
えよがしに
高話
(
たかばなし
)
である。
何處
(
どこ
)
の
奴
(
やつ
)
だか、
這
(
こ
)
んな
大穴
(
おほあな
)
を
穿
(
あ
)
けやアがつた。
今度
(
こんど
)
は
見附次第
(
みつけしだい
)
、
叩殺
(
たゝきころ
)
してやるといふ
血腥
(
ちなまぐさ
)
い
鼻息
(
はないき
)
※
探検実記 地中の秘密:07 末吉の貝塚
(旧字旧仮名)
/
江見水蔭
(著)
乳房のあるべき位置の辺りに、椀ほどの穴が
穿
(
あ
)
いていた。
剥
(
は
)
げた朱塗りの椀のように、諸所に赤い斑点があった。
神州纐纈城
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
蟻塚にはどれにもめいめいに其のてつぺんに、出入口になる穴が
穿
(
あ
)
いてゐるのだ。
科学の不思議
(新字旧仮名)
/
ジャン・アンリ・ファーブル
(著)
と云って黙ってはいられなかった。いつまでも黙っていようものなら、杖の先で顔を突かれるだろう。突かれたら顔へ穴が
穿
(
あ
)
こう。トロトロに顔が融かされよう。
神秘昆虫館
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
穴が
穿
(
あ
)
きましょう、綺麗な顔へ! 鉛を変えて黄金とする、道教での錬金術、それに用いる
醂麝
(
りんじゃ
)
液、一滴つけたら肉も骨も、
海鼠
(
なまこ
)
のように融けましょう、……さて付ける
神秘昆虫館
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
落ちるに従って石畳の上に、小穴がポッツリポッツリと
穿
(
あ
)
く。そうして煙りがポ——ッと立つ。
神秘昆虫館
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
星ばかりが空へ穴を
穿
(
あ
)
けていた。その
暗澹
(
あんたん
)
たる漆色の夜を、二つの焔が遠ざかって行った。一つは陸を行く仮面の城主の、身に纏っている
袍
(
ほう
)
であり、一つは帆船の帆であった。
神州纐纈城
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
穿
漢検準1級
部首:⽳
9画
“穿”を含む語句
草鞋穿
雪駄穿
穿鑿
草履穿
穿山甲
穿物
穿索
下駄穿
足駄穿
穿替
靴穿
穿過
股引穿
狭穿
庭穿
脛穿
麻裏穿
上穿
穿孔
脚絆穿
...