もとより)” の例文
此事もとより妄説まうせつなりと安斎先生の菅像弁くわんざうべんにいへり。(菅家聖庿伝暦といふ書の附録に、沙門師嵩が菅神渡唐記あり、其説孟浪に属す。)
老人越遊ゑついうすゝめしこと年々なり。もとより山水にふけるへきあり、ゆゑに遊心いうしんぼつ々たれども事にまぎれはたさず。丁酉の晩夏ばんかつひ豚児せがれ京水をしたがへ啓行けいかうす。
今志保の生後百十余年にして、これを蠧冊とさつの中に求めむは、その難かるべきこともとよりである。
伊沢蘭軒 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
此事もとより妄説まうせつなりと安斎先生の菅像弁くわんざうべんにいへり。(菅家聖庿伝暦といふ書の附録に、沙門師嵩が菅神渡唐記あり、其説孟浪に属す。)
余也よやもとより浅学せんがくにして多くしよ不読よまず寒家かんかにして書に不富とまず、少く蔵せしもしば/\祝融しゆくいううばゝれて、架上かしやう蕭然せうぜんたり。
老人越遊ゑついうすゝめしこと年々なり。もとより山水にふけるへきあり、ゆゑに遊心いうしんぼつ々たれども事にまぎれはたさず。丁酉の晩夏ばんかつひ豚児せがれ京水をしたがへ啓行けいかうす。
余也よやもとより浅学せんがくにして多くしよ不読よまず寒家かんかにして書に不富とまず、少く蔵せしもしば/\祝融しゆくいううばゝれて、架上かしやう蕭然せうぜんたり。
○さて如件くだんのごとく条説でうせつするは、本編にいへる逃入村にごろむらの 神灵しんれいの事にちなみ実跡じつせきの書どもを摘要てきえうして御神の略伝りやくでん児曹こどもしめすなり。もとより不学ふがくのすさみなれば要跡えうせきもれたるもせつ誤謬あやまりたるもあるべし。