“弛廃”の読み方と例文
旧字:弛廢
読み方割合
しはい100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
一たびつながれては断ち難い、堅靭けんじんなるなわを避けながら、己は縛せられても解き易い、脆弱ぜいじゃくなる索に対する、戒心を弛廃しはいさせた。
青年 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
すなわち、この両者は早くから家中の綱紀粛正を考え、弛廃しはいし堕落した政治のたてなおしを計画していた。
思い違い物語 (新字新仮名) / 山本周五郎(著)
尤もその頃は武家ですらが蓄妾を許され、町家はなお更家庭の道徳が弛廃しはいしていたから、さらぬだに放縦な椿岳は小林城三と名乗って別に一戸を構えると小林家にもまた妻らしい女を迎えた。