娼婦しやうふ)” の例文
元来××番館はその始めアメリカの娼婦しやうふが住んでゐた建物なので、他のんな室よりも湯殿が立派な構造を示してゐた。
アリア人の孤独 (新字旧仮名) / 松永延造(著)
将来に就いて語りあふといふでもなく、まるで娼婦しやうふをあつかふやうなしぐさで、杉夫は、ゆき子をあつかつた。
浮雲 (新字旧仮名) / 林芙美子(著)
明治二十七八年頃江見水蔭子えみすゐいんしがこの地の娼婦しやうふを材料としてゑがいた小説「泥水清水どろみづしみつ」の一篇は当時硯友社けんいうしやの文壇に傑作として批評されたものであつたが、今よりして回想くわいさうすれば
水 附渡船 (新字旧仮名) / 永井荷風(著)