“きぬず”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
衣摺64.9%
衣擦28.1%
絹摺5.3%
絹摩1.8%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
第一、昨夜の曲者は衣摺きぬずれの音なんかしなかったぜ。百五十石や百八十石の御家人じゃ、平常着ふだんぎに羽二重や綸子りんずを着るはずはない。
銭形平次捕物控:126 辻斬 (新字新仮名) / 野村胡堂(著)
やがて廊下を隔てた隣の間でも、ドシ/\と男の足音がしたり、静かな話声がしたり、衣擦きぬずれの音がしたりして段々客があるらしい。
別れたる妻に送る手紙 (新字新仮名) / 近松秋江(著)
慄然りつぜんと、障子へれて起ったような絹摺きぬずれが、戸を隔てた外にまでれた。
濞かみ浪人 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
身動きするたびに、絹摩きぬずれの音がして、麝香猫じやかうねこのやうなにほひがぷん/\する。男はめまひがしさうになつて来た。