たたかひ)” の例文
旧字:
あしたのたたかひでわたくしが勝つことがいゝのか、山烏がかつのがいゝのかそれはわたくしにわかりません、たゞあなたのお考のとほりです
烏の北斗七星 (新字旧仮名) / 宮沢賢治(著)
万国の上には立法の君主が無ければ、国と国との曲直のあらそひそもそたれの手で公明正大に遺憾無いかんなく決せらるるのだ。ここに唯一つ審判の機関がある、いはたたかひ
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
かのゲエテの希臘ギリシヤと雖も、トロイのたたかひの勇士の口には一抹いつまつミユンヘンの麦酒ビイルの泡のいまだ消えざるを如何いかにすべき。歎ずらくは想像にもまた国籍の存する事を。(二月六日)
そして今では、海の上のたたかひで、きずをうけた者も、お爺さんのきず薬で、たいていなほつてしまひました。戦で死んだ者たちのためには、墓地に石碑をたてゝやつたところです。
シロ・クロ物語 (新字旧仮名) / 豊島与志雄(著)
前線に今ぞつとふ文ありて生死しやうしもわかねたたかひ勝ちぬ
黒檜 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
慈悲悔恨のゆるみ無く、修羅しゆらたたかひたけなは
海潮音 (新字旧仮名) / 上田敏(著)
人の生活いのちたたかひ
枯草 (新字旧仮名) / 野口雨情(著)
もつともそれは僕の知人なども出征してゐた為めもあるかも知れない。この知人は南山なんざんたたかひ鉄条網てつでうまうにかかつて戦死してしまつた。鉄条網といふ言葉は今日こんにちでは誰も知らない者はない。
本所両国 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
たたかひは日ごろのこのみ、いざさらば
海潮音 (新字旧仮名) / 上田敏(著)