“打戦”のいろいろな読み方と例文
旧字:打戰
読み方割合
うちわなな50.0%
うちおのの33.3%
うちそよ16.7%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
これを聞いてかれは思わず手を差延べて、いだこうとしたが、触れば消失きえうせるであろうと思って、悚然ぞっとして膝に置いたが、打戦うちわななく。
黒百合 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
光子は涙浮びたる眼を開きて、わずかに老婦人を瞥見べっけんせるのみ、打戦うちおののきて手足をすくめ、前髪こぼれて地に敷くまで、こうべを垂れて俯向うつむきぬ。
貧民倶楽部 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
彼方此方かなたこなたに浮んだ蓮田はすだの蓮の花は青田の天鵞絨ビロウドに紅白の刺繍ぬいとりをなし打戦うちそよぐ稲葉の風につれてもいわれぬ香気を送って来る。
散柳窓夕栄 (新字新仮名) / 永井荷風(著)