“破目:はめ” の例文
“破目:はめ”を含む作品の著者(上位)作品数
岡本綺堂10
吉川英治4
梅崎春生2
夢野久作2
近松秋江2
“破目:はめ”を含む作品のジャンル比率
文学 > 文学 > 叢書 全集 選集9.5%
文学 > 英米文学 > 小説 物語3.4%
文学 > 日本文学 > 小説 物語0.9%
(注)比率=対象の語句にふりがなが振られている作品数÷各ジャンルの合計の作品数
……のみならずそのうちにWは又、それ以上の手厳しい打撃を受けて、涙を呑んで退却しなければならぬ破目はめに陥った。
ドグラ・マグラ (新字新仮名) / 夢野久作(著)
単に情痴ならばあのような破目はめに落ちずとも、少くとも彼ほどの男なら、もっと悧口りこうに身を処することが出来る筈なのだ。
日の果て (新字新仮名) / 梅崎春生(著)
併しながら今や絶體絶命ぜつたいぜつめいの場合となつて、何方とも身の振方を付けなければならぬ破目はめに押付けられてゐる。で、
平民の娘 (旧字旧仮名) / 三島霜川(著)
今更それは嘘だとも云えない破目はめになって、よんどころなしに表へ出たが、もとより越前屋へ行くわけには行かない。
半七捕物帳:44 むらさき鯉 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
長屋の胴腹に穴をあけて造つたトンネル路地まで來ると、周三は、そこの破目はめもたれてしやがんでしまつた。
天国の記録 (旧字旧仮名) / 下村千秋(著)
それに、そんなものを書くことは、自分で自分を一層どうしようもない破目はめおとし入れるようなものであることにも気がついたのだ。
美しい村 (新字新仮名) / 堀辰雄(著)
「どうすると言うて、逃がれぬ破目はめじゃ。」と、小坂部は再び嘆息した。「夜のあけぬ間に都を落つる。それよりほかに仕様はあるまい。」
小坂部姫 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
若し房一達の来るのがもう少し遅れたら、加藤巡査の報告もあやふやになり、署長はじめを現場へ案内せざるを得ない破目はめにもなつただらう。
医師高間房一氏 (新字旧仮名) / 田畑修一郎(著)
「何方も拔き差しならねえ破目はめだ。仲間の仕來りは、こんな時には二てうの匕首に物を言はせる外はねえ」
お座なりのお世辞がだんだん身を縛つてしまつて、ぬきさしの出来ない破目はめとなつたのでもあらう。
二黒の巳 (新字旧仮名) / 平出修(著)
しかも私の女神はまだ怒っていたので、私が自身に出頭して謝罪しなければならない破目はめになった。
苦しい破目はめもあるというのは、一人の六十あまりになるおばアさんの人があって、このおばアさんの考えでは自分の身内の或る人を嫁に入れようとする。
白い光と上野の鐘 (新字新仮名) / 沼田一雅(著)
いかに玉藻に口説かれても、千枝太郎は師匠の使命を果たさなければならない破目はめになっていた。
玉藻の前 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
ひょんな破目はめで、敵味方になったといってあんまりつらく当るのも、泥棒仲間の、仁義じんぎ道徳にかけるというもんだ——あれだって、茶碗ざけの一杯も
雪之丞変化 (新字新仮名) / 三上於菟吉(著)
「御冗談でございましょう。お! 御冗談といえばもう一つその御婦人とやらでおなくなりなすったというのもあんまり破目はめをはずした御冗談じゃありませんかね」
つづれ烏羽玉 (新字新仮名) / 林不忘(著)
結局のところ濠洲黄金狂時代の申し子であった巨船「グレート・イースタアン」が、結局のところ大西洋を——他人のうみを——稼がねばならん破目はめとなった。
黒船前後 (新字新仮名) / 服部之総(著)
隨分つかはせたあげくだが、その友人と共に店の格子さきに立ち、百圓の金がなければ免職される破目はめになつたから、どうかして呉れないかとの相談を持ち込んだ。
泡鳴五部作:03 放浪 (旧字旧仮名) / 岩野泡鳴(著)
ことに妊娠というようなことにでもなれば、抜き差しならぬ破目はめに陥ることがある。
学生と生活:――恋愛―― (新字新仮名) / 倉田百三(著)
そういう破目はめになると葉子は存外力のない自分であるのを知らねばならなかった。
或る女:2(後編) (新字新仮名) / 有島武郎(著)
何事もなければ仔細はないが、こういう事件が出来しゅったいした以上、もう隠すにも隠されない破目はめになって、市之助は当然そのせめを負わなければならなかった。
半七捕物帳:14 山祝いの夜 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
所詮しょせんこういう苦しい破目はめに落ちたのが男も自分も不運である。
心中浪華の春雨 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
お鉄は振り切って逃げて帰ろうとするのを、かれは腕ずくで引き留めたので、何事も主人のためと観念して、お鉄はなぶり殺しよりも辛い思いをしなければならない破目はめに陥った。
半七捕物帳:37 松茸 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
まごつくとワイアに、はね飛ばされねばならぬ破目はめになるのであった。
海に生くる人々 (新字新仮名) / 葉山嘉樹(著)
私を此のような破目はめに追いこんだ何物かに、私は烈しい怒りを感じた。
桜島 (新字新仮名) / 梅崎春生(著)
——そのため、まもなく仁木、細川、今川、吉良などの味方を加えるには加えたが、鷺坂のふせぎもならず、またぞろ、駿州の手越河原まで敗退するの余儀ない破目はめになってしまった。
私本太平記:10 風花帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
彼女はわたしが殉道に身を投じてゆく破目はめになるのを知って、いかにも私に勇気づけるように、力強い頼みがいのある顔を見せました。その眼は詩のように、眼の動きは歌のように思われたのです。
自分の知らぬ間に母親とその男との仲に立ってもっぱら周旋したのがその客で入っていたお茶屋の骨折りであったことを思って、もう今となっては、ちょっと抜きしならぬ破目はめになってしまったのも
霜凍る宵 (新字新仮名) / 近松秋江(著)
自分を保つすべがないやうな破目はめになります。
寒い夜の自我像 (新字旧仮名) / 中原中也(著)
その当時の俳優組合規約によれば、大歌舞伎の俳優は小芝居へ出勤することを許されないにもかかわらず、彼は神田の三崎座の舞台開きに出勤したので、東京に身を置き兼ねる破目はめおちいったのである。
源之助の一生 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
「判りませぬ。」と、采女は鸚鵡返しに答えた。「しかし唯者ではござりませぬ。時の破目はめで、こうして誘われては来たものの、彼奴あやついよいよ不審と見ましたら斬って捨つるまでのことでござりまする。」
小坂部姫 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
「古土タダアゲマス」屋根に書いて破目はめに打付けてあるその露地へ入って行った女は白足袋しろたびの鼠色になった裏がすっかり見えるように吾妻下駄あずまげたの上でひっくらかえす歩き方を繰り返して行く。
豆腐買い (新字新仮名) / 岡本かの子(著)
あがけばつまづき、躓いては踠き、揚句あげくに首も廻らぬ破目はめに押付けられて、一夜あるよ頭拔づぬけて大きな血袋ちぶくろ麻繩あさなわにブラ下げて、もろくもひやツこい體となツて了ツた。
平民の娘 (旧字旧仮名) / 三島霜川(著)
しかもノブ子はこのために一時病気となり、加うるに資金欠乏のために当座の仕事を中止せねばならぬ破目はめに陥りましたが、コンドルはこの時も前と同様に親切に妻の世話を致しまして、巨額の金を貸し与え、仕事が続くようにしてくれました。
暗黒公使 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
併しもうこういう破目はめになっては、なまじいに包み隠しても仕方があるまい、いよいよ相手の疑いを増すばかりで、まとまるべき相談も却ってまとまらないかも知れないと覚ったらしく、女はお亀と半七にむかって自分の秘密を正直に打ち明けた。
半七捕物帳:07 奥女中 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
『おぬしが受けただけの傷は、いやもっと心にまで深く、格之進に与えたではないか。その上、刺止とどめまで刺すのは武士の情ではない。——のみならず、それでは、旧主の惣七どのを、是が非でも、わがを成敗せねばならぬ破目はめに立たせてしまう』
夕顔の門 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
それは余儀ない破目はめから女優になったとはいえ、こうまでに成功してゆけば、どれからはいって歩んだとしても、道はひとつではないか、けれど、立脚地が違うゆえ、全生命を没頭しきれないで、ただ人気があったというだけにしてその後の研鑽琢磨たくまを投げすててしまい
マダム貞奴 (新字新仮名) / 長谷川時雨(著)
……「正木博士は一箇月前に自殺した」なぞいうような口から出任せな嘘をいたのも、やっぱりそんな意味の親切気から、立ち聞きをしている正木博士が、あの場面に出て来ないように……そうしてアンナ苦しい破目はめに陥らないように……もしくは回復しかけている私の頭を
ドグラ・マグラ (新字新仮名) / 夢野久作(著)
提灯ちょうちんをもつことなんて一番やさしいことなんだから。二、僕と君との交友が、とかく、色眼鏡でみられるのは仕方がないのではないかな。中畑というのにも僕は一度あってるきりだし、世間さまに云わせたら、僕が君をなんとかしてケチをつけたい破目はめに居そうにみえるのではないかしら。
虚構の春 (新字新仮名) / 太宰治(著)
かつ淡島屋の身代は先代が作ったので、椿岳は天下の伊藤八兵衛の幕僚であっても、身代を作るよりは減らす方が上手じょうずで、養家の身代を少しも伸ばさなかったから、こういう破目はめとなると自然淡島屋を遠ざかるのが当然であって、維新後は互に往来していても家族的関係は段々と薄らいで来た。
おい、おい、なんとか返事をしろ。おめえも年上の女に可愛がられて、なにから何まで世話になっている以上は、たとい自分の気に済まねえことでも、女がこうと云やあ、よんどころなしに片棒かつぐというような苦しい破目はめがねえとも限らねえ。そりゃあ俺も万々察しているから、出来るだけのお慈悲は願ってやる。
半七捕物帳:02 石灯籠 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
もとより、人数のすくない少女たちのほうでは、初めからひそかに咲耶子さくやこすくいだす策略さくりゃくで来たのであるが、とちゅう、馬糧小屋まぐさごやにふしぎなけむりがもれていたため、その疑惑ぎわくにひまどって、ついに、こういう破目はめになったのは、まことにぜひないことであった。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
『そんな破目はめにある甚三郎を、悪く云うではないが、日頃からいやに君子ぶッて、い男を鼻にかけ、交際つきあいはしない奴だから、誰も同情する者はない。——この事件を、知っている者は、あいつ近頃、お小夜どのとの縁談で、ふわふわしているから、こんな失態を起したのだろう——と誰も皆、云っておる』
夏虫行燈 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
昔の氣紛きまぐれで(彼のやうな性急せつかちな、我儘な性質のものにはよくある缺點だ)、彼が、弱點を掴まれてしまふやうな破目はめに落ち、今更、ふり拂ふことも、無視することも出來なくなつてゐて、彼自身の無分別むふんべつの結果である、めた力を、彼女が彼の行動に及ぼしてゐるとしたら、どうだらう。
その折柄おりからにお身がうかうかと再びその悪魔に近づいて、なにかの秘密を覚られたら我われの苦心も水の泡じゃ。悪魔は人間よりも賢い。それと覚ったら又どのような手だてをめぐらそうも知れぬ。きょうは自然のめぐりあいで、まことに余儀ない破目はめであるが、これを機縁に再び彼女かれと親しゅうするなど夢にもならぬことじゃと思え。
玉藻の前 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
「何うも御馳走さま! ……宮ちゃん男を拵えるのが上手と思われるナ。……そりゃまあ、学生と娘と関係するなんか、ザラに世間にあることだから、悪くばかしは言えない。が、其の吉村という人とそんな仲になって、それから何ういう理由わけで、その男を逃げ隠れをするようになったり、またお前が斯様こんな処に来るような破目はめになったんだ?」私は
別れたる妻に送る手紙 (新字新仮名) / 近松秋江(著)
さあ、こう申したら、お前もさぞ驚くだろうが、ちょっとした殿のお誤りから、あのお子が悪者の手にかかってお果てなされなければならない破目はめ立到たちいたったのを、色々苦心の末に、この山奥にお捨て申して、律儀りちぎな百姓の手に御養育いたさせたのだ。その証拠はお子を拾い上げた者が所持しているはずだ。とにかく一刻も早く吉松殿にお目通りいたしたい。
三人の百姓 (新字新仮名) / 秋田雨雀(著)
別に深い馴染というでもありませんが、まんざら知らないお客でも無いそうです。なにしろ、そんな船に乗り合わせていたお俊も災難で、本人のした事じゃあありませんが、自然に伊勢屋の旦那の御機嫌を損じるような破目はめになって、その当座はちっともつれたようでしたが、芸者をさせて置けばこそこんな事にもなるのだと云うので、この六月、急にお俊を引かせる話になりました。
半七捕物帳:67 薄雲の碁盤 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
日の長い時分ですから、道中は楽でしたが、旧暦の五月ですから、日のうちはもう暑いのに少し弱りました。なに、こっちは湯治の何のというわけじゃないので、実は八丁堀の旦那(同心)の御新造ごしんぞが産後ぶらぶらしていて、先月から箱根の湯本に行っているので、どうしても一度は見舞に行かなけりゃあならないような破目はめになって、無けなしの路用をつかって、御用の暇をみて道中に出たわけなんです。
半七捕物帳:14 山祝いの夜 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)