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箝
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はま
ふりがな文庫
“
箝
(
はま
)” の例文
たまたまそういう人がありとするも、そは年来の予定の行動の一部をなしたのでなく、むしろ計らずその地位に
箝
(
はま
)
ったという場合が多い。
自警録
(新字新仮名)
/
新渡戸稲造
(著)
見給え、ちょうどスープ鍋が半分ほどスポリと
箝
(
はま
)
るようになって上の方に小さな
孔
(
あな
)
がポツポツ
明
(
あ
)
いている。形状は先ず
太鼓胴
(
たいこどう
)
で深さが非常に深い。
食道楽:春の巻
(新字新仮名)
/
村井弦斎
(著)
例へば、余り善良なものは却つて
悪
(
あく
)
人であるかの如く
怯
(
おび
)
えるものだといふシヱクスピヤの言事は高橋に当
箝
(
はま
)
るだらう。
高橋新吉論
(新字旧仮名)
/
中原中也
(著)
ここに時計屋が仕事をしていた筈だと見て行くと、往来に接して窓に鉄の格子の
箝
(
はま
)
った黒い土蔵造の家がある。
桜の実の熟する時
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
またこの
獣
(
けもの
)
を拝し、
曰
(
い
)
ひけるは、誰かこの獣の如きものあらんや、誰かこれと戦ひをなすものあらんや……ね、
全
(
まる
)
で
独帝
(
カイゼル
)
に
当
(
あ
)
て
箝
(
はま
)
るだらう、所が次を見給へ
茶話:03 大正六(一九一七)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
▼ もっと見る
その狭い横町をずうッと抜けると
田圃
(
たんぼ
)
に出て、向うがすうっと駒込の方の山手に続き
微
(
かす
)
かに
未
(
ま
)
だ
藪蕎麦
(
やぶそば
)
の
灯火
(
あかり
)
が残っている。田圃道で車の輪が
箝
(
はま
)
って中々挽けません。
松と藤芸妓の替紋
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
それはようございます。あなたが身の利益になるような事情に当て
箝
(
はま
)
って来た折を見て、いよいよあなたの本性を顕わしてあなたの便宜を謀り、そうして日本人の名誉を
チベット旅行記
(新字新仮名)
/
河口慧海
(著)
菊五郎も
固
(
もと
)
ぼつとをかくる人ならず、ただ
申歳
(
さるどし
)
からの思ひ付で出したものなれば、
箝
(
はま
)
らぬは
尤
(
もっとも
)
とはいひながら、売込んだ愛敬を振廻し、やたらに気を利せ、
洒落
(
しゃれ
)
を云ふため
両座の「山門」評
(新字旧仮名)
/
三木竹二
(著)
砕けた腰がまた
箝
(
はま
)
ると、
揉手
(
もみで
)
をして取りつき、右が入って抱き込んだかと思うと、勝手が悪いと見えて捲き直してみたり、
諸差
(
もろざ
)
しになったから、もうこっちのものと思っている途端に
大菩薩峠:19 小名路の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
四角のものが円きところに
箝
(
はま
)
らんとするといったが、実にそのとおりで、おそらくなんの職業にしても、これに従事せる人につきいちいちに調べたならば
自警録
(新字新仮名)
/
新渡戸稲造
(著)
人物も光俊は綿密家にてよく何事にも行届きし人の様に思はるる故、
其所
(
そこ
)
には
箝
(
はま
)
りたり。物語は立派にて、心底を明さぬ
件
(
くだり
)
も光俊の品位を保ちてよし。乗切を見せぬは利口物なり。
明治座評:(明治二十九年四月)
(新字旧仮名)
/
三木竹二
(著)
只だ窓々に
鉄網
(
かなあみ
)
が張ってあるだけの事、また屋敷の向う側の土手に添うて
折曲
(
おりまが
)
った腰掛がありまして、丁度
白洲
(
しらす
)
の模様は今の芝居のよう、奉行の
後
(
うしろ
)
には
襖
(
ふすま
)
でなく障子が
箝
(
はま
)
っていまして
後の業平文治
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
姉の家から細い路地を曲つて行くと、
鼈甲屋
(
べつかふや
)
、時計屋などのある銀座の裏通りの町、そこにある黒い土藏造りの豐田さんの家、鐵格子の
箝
(
はま
)
つた窓などは、私には既に親しいものでした。
幼き日:(ある婦人に与ふる手紙)
(旧字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
「一息にこの
溝
(
みぞ
)
を飛ぶんだぞ、するとその拍子に
頤
(
あご
)
が
箝
(
はま
)
るからな。」
茶話:06 大正十一(一九二二)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
箝
漢検1級
部首:⽵
14画
“箝”を含む語句
箝制
当箝
箝口令
箝束的
打箝
箝入
箝木
箝束
箝板
箝硝子