はま)” の例文
新字:
丁度ちようど普通ふつうちひさななみについてはまおい經驗けいけんするとほりであるから、此状態このじようたいになつてからは、なみといふよりもむしながれといふべきである。
地震の話 (旧字旧仮名) / 今村明恒(著)
又、萬有のすぐれてめでたき事もくうにはあらず又かのうつ蘆莖あしぐきそよぎもくうならず、裏海りかいはまアラルのふもとなる古塚ふるづかの上に坐して
頌歌 (旧字旧仮名) / ポール・クローデル(著)
おきなる島山しまやまいたゞき紫嵐しらんつゝまれ、天地てんちるとして清新せいしんたされてときはま寂寞じやくばくとしていつ人影じんえいなく、おだやかにせてはへすなみろう
日の出 (旧字旧仮名) / 国木田独歩(著)
荒物屋あらものや軒下のきした薄暗うすくらところに、斑犬ぶちいぬが一とう、うしろむきに、ながびてたばかり、ことなくいたのは由井ゆゐはまである。
星あかり (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
女房はさう言つて、多勢の女達のところへ行きましたが、やがて一人のみにくい女をつれて來ました。三十過ぎのこれはあとで、飯炊きのおはまといふ女とわかりました。
そこは町からも可成かなり離れてゐて、あたりには一軒の家もなく、人影も見えず、ただ「はまなし」と云ふ野薔薇のばらに似たやうな赤い花がところどころにぽつぽつ咲いてゐるばかりであつたが
処女作の思い出 (旧字旧仮名) / 南部修太郎(著)
たづねてい、と眞先まっさき促進すゝめたもこひなれば、智慧ちゑしたもこひしたもこひわし舵取かぢとりではないけれども、此樣このやうたからようためなら、千荒海あらうみの、其先そのさきはまへでも冐險ばうけんしよう。
右大臣うだいじんちかねて、自分じぶんでもとほうみして、たつつけ次第しだい矢先やさきにかけて射落いおとさうとおもつてゐるうちに、九州きゆうしうほうながされて、はげしい雷雨らいうたれ、そののち明石あかしはまかへされ
竹取物語 (旧字旧仮名) / 和田万吉(著)
右の通り御轉任ごてんにんにて八代將軍吉宗公と申上奉つる時に三十三歳なり寶永はうえい四年紀州家きしうけ御相續より十月とつき目にて將軍に任じ給ふ御運ごうん目出度めでたき君にぞありけるこれよつて江戸町々は申すにおよばず東は津輕つがるそとはま西は鎭西ちんぜい薩摩潟さつまがたまでみな萬歳ばんざい
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
はまはうへ五六けんすゝむと、土橋どばし一架ひとつなみちひさなのだけれども、滑川なめりがはかゝつたのだの、長谷はせ行合橋ゆきあひばしだのと、おなじきこえた亂橋みだればしといふのである。
星あかり (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
しんやまひの持病があつて、寢たり起きたり、奧は若くて美しい後妻のおはま采配さいはいを振ひ、店は叔父と言つても、遠縁の掛りうどけい之助と、働き者の手代の喜三郎に任せて、手堅い商賣と
門外おもてみちは、弓形ゆみなり一條ひとすぢ、ほの/″\としろく、比企ひきやつやまから由井ゆゐはま磯際いそぎはまで、なゝめかさゝぎはしわたしたやうなり
星あかり (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
はまは一生懸命さの中にも顏をあからめました。
三冬さんとうちつすれば、天狗てんぐおそろし。北海ほくかい荒磯あらいそ金石かないは大野おほのはま轟々ぐわう/\りとゞろくおと夜毎よごとふすまひゞく。
寸情風土記 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
一度いちど何處どこ方角はうがくれないしまへ、ふね水汲みづくみつたときはまつゞきの椰子やしおくに、うね、かすと、一人ひとり、コトン/\と、さびしくあはいて亡者まうじやがあつてね
印度更紗 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
加賀かが大野おほの根生ねぶはま歩行あるいたときは、川口かはぐちいたところあしひとむらさへあれば、行々子ぎやう/\しこゑうづてた、にななぎされば、さら/\とそでずれの、あしのもとに、幾十羽いくじつぱともない
木菟俗見 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
三百にんばかり、山手やまてから黒煙くろけぶりげて、羽蟻はありのやうに渦卷うづまいてた、黒人くろんぼやり石突いしづきで、はまたふれて、呻吟うめなや一人々々ひとり/\が、どうはらこし、コツ/\とつゝかれて、生死いきしにためされながら
印度更紗 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
櫻山さくらやま夏鶯なつうぐひすれつゝ、岩殿寺いはとのでら青葉あをば目白めじろく。なつかしや御堂みだう松翠しようすゐ愈々いよ/\ふかく、鳴鶴なきつるさきなみあをくして、新宿しんじゆくはまうすものゆきく。そよ/\とかぜわたところ日盛ひざかりもかはづこゑたからかなり。
松翠深く蒼浪遥けき逗子より (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
眞鶴まなづるはま風景ふうけいことし、大島おほしままで十三里じふさんり、ハジマまで三里さんりとぞ。
熱海の春 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)