“薩摩潟”の読み方と例文
読み方割合
さつまがた100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
やがて、法勝寺執行しゅぎょう俊寛、丹波少将成経、平判官康頼の三人は、清盛の命令で薩摩潟さつまがた鬼界ヶ島きかいがしまに流されることになった。
鬼界きかいが島の海岸。荒涼こうりょうとした砂浜すなはま。ところどころに芦荻ろてきなどとぼしくゆ。向こうは渺茫びょうぼうたる薩摩潟さつまがた。左手はるかに峡湾きょうわんをへだてて空際くうさい硫黄いおうたけそびゆ。いただきより煙をふく。
俊寛 (新字新仮名) / 倉田百三(著)
もし、それが都であったならば、秋がけて、変りやすい晩秋の空に、北山時雨しぐれが、折々襲ってくる時であるが、薩摩潟さつまがたの沖遥かな鬼界きかいしまでは、まだ秋の初めででもあるように暖かだった。
俊寛 (新字新仮名) / 菊池寛(著)