“溺没”の読み方と例文
読み方割合
できぼつ100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
鏡のような両側の壁は、たがいにその光を反映し、はねかえし、それがまた天井の内輪へ照りかえって、洞道ポテルン全体が、赫奕かくえきたる光の氾濫の中へ溺没できぼつする。
地底獣国 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
資本の奴隷どもは、やうやく真人間の仲間入をしようとする権利を得ながら、半途にしてこの宗教といふ下等な火酒くわしゆの中に溺没できぼつしてしまふのである。とさへののしつてゐる。
日本大地震 (新字旧仮名) / 斎藤茂吉(著)
烈風はふなばたを打って、怒濤は逆巻いて、今にも艦は溺没できぼつせんばかりの、その見上げるような、浪頭の中に、海底の岩礁で散々に砕かれたらしい、膚をかれて真っ白になった無数の巨木や
ウニデス潮流の彼方 (新字新仮名) / 橘外男(著)