トップ
>
没
>
い
ふりがな文庫
“
没
(
い
)” の例文
旧字:
沒
それ故蛇を殺すにはなるべく多くの細片に切り
剉
(
きざ
)
めばことごとく継ぎ合うに時が掛かる、その内に日が
没
(
い
)
るから死んでしまうそうじゃ。
十二支考:04 蛇に関する民俗と伝説
(新字新仮名)
/
南方熊楠
(著)
日は全く
没
(
い
)
りしほどに山深き夜のさま常ならず、天かくすまで茂れる森の間に微なる風の渡ればや、
樹端
(
こずゑ
)
の
小枝
(
さえだ
)
音もせず動きて
二日物語
(新字旧仮名)
/
幸田露伴
(著)
かう浅ましき身を海にも
没
(
い
)
らで、人の御心を
煩
(
わづら
)
はし奉るは
罪
(
つみ
)
深きこと。今の詞は
徒
(
あだ
)
ならねども、只酔ごこちの
一一〇
狂言
(
まがこと
)
におぼしとりて、ここの海にすて給へかしといふ。
雨月物語:02 現代語訳 雨月物語
(新字新仮名)
/
上田秋成
(著)
我が国は当時の地理上の知識において、知りうる限りの世界の最東にあるが故に、所謂
日出処
(
ひいづるところ
)
、すなわち「
朝
(
あさ
)
」の国であり、これに対して西方なる支那は日の
没
(
い
)
る国、すなわち「
暮
(
くれ
)
」の国である。
国号の由来
(新字新仮名)
/
喜田貞吉
(著)
日は程なく
没
(
い
)
り方の雲に隠れて静かな夕暮は来た。
続スウィス日記(千九百二十三年稿)
(新字新仮名)
/
辻村伊助
(著)
▼ もっと見る
言
(
こと
)
あげて
雖称
(
ほむとも
)
つきじ月の
没
(
い
)
る西の
戎
(
えみし
)
の
大丈夫
(
ますらお
)
ごゝろ
墨汁一滴
(新字旧仮名)
/
正岡子規
(著)
草生
(
くさぶ
)
には出で
没
(
い
)
る帯の
海豹と雲
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
日は
没
(
い
)
りて東窓の部屋の
中
(
うち
)
やゝ暗く、
都
(
すべ
)
ての物薄墨色になって、暮残りたるお辰白き肌
浮出
(
うきいず
)
る如く、
活々
(
いきいき
)
とした姿、
朧
(
おぼろ
)
月夜に
真
(
まこと
)
の人を見る
様
(
よう
)
に、呼ばゞ答もなすべきありさま
風流仏
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
猶
(
なほ
)
心
怠
(
おこた
)
らず
供養
(
きようやう
)
す。露いかばかり
袂
(
そで
)
にふかかりけん。日は
没
(
い
)
りしほどに、山深き夜のさま
三二
常
(
ただ
)
ならね、石の
牀
(
ゆか
)
木の葉の
衾
(
ふすま
)
いと寒く、
神
(
しん
)
清
(
す
)
み
骨
(
ほね
)
冷
(
ひ
)
えて、
三三
物とはなしに
凄
(
すざま
)
じきここちせらる。
雨月物語:02 現代語訳 雨月物語
(新字新仮名)
/
上田秋成
(著)
雲霧
自然
(
おのづ
)
と消え行けば、岩角の苔、樹の姿、ありしに変らで
眼
(
まなこ
)
に遮るものもなく、たゞ冬の日の暮れやすく彼方の峯に
既
(
はや
)
没
(
い
)
りて、梟の
羽翥
(
はばたき
)
し初め、空やゝ暗くなりしばかりなり。
二日物語
(新字旧仮名)
/
幸田露伴
(著)
月はやがて
没
(
い
)
るべく西に廻りて、御堂に射し入る其光り水かとばかり冷かに、端然として合掌せる二人の姿を浮ぶが如くに御堂の闇の中に照し出しぬ。(明治三十四年一月「文芸倶楽部」)
二日物語
(新字旧仮名)
/
幸田露伴
(著)
没
常用漢字
中学
部首:⽔
7画
“没”を含む語句
陥没
没義道
日没
埋没
没落
没分暁漢
没分暁
没収
沈没
没怪
没交渉
没情漢
日没前
没却
没薬
没頭
出没
覆没
神出鬼没
溺没
...