)” の例文
旧字:
私は狐仙こせんだよ。百年前、お前さんのお祖父じいさんに可愛がられてたが、お祖父さんがくなったので、私もとうとう身を隠してしまった。
王成 (新字新仮名) / 蒲 松齢(著)
くなった父の老僧は、もし子供が不如意をかこって「なぜ、こんな世の中に自分を生んだか」と、父を恨むような場合があったら
食魔 (新字新仮名) / 岡本かの子(著)
今は姓ですが、母方のほうは李姓ですよ、所天ていしゅくなってから十年になりますが、男の子がないものだから、今にこうしております。
断橋奇聞 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
蜘蛛は蜘蛛暦くもれき三千八百年の五月にくなり銀色のなめくじがその次の年、狸が又その次の年死にました。三人の伝記をすこしよく調べて見ましょう。
蜘蛛となめくじと狸 (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)
その一人娘のバージニアが彼の病苦をやさしく慰めはしたものの、その後まもなく彼に先き立ってくなりました。
ガリレオ・ガリレイ (新字新仮名) / 石原純(著)
老人のい筈のあの古い家の中で何かがやがやしてゐるので、不思議に思つて近づいて見ると、老人の家の道具が丁度競売に附されてゐるところでした。
首相の思出 (新字旧仮名) / 牧野信一(著)
陣中の流行病にてくなりしこと、甘木あまぎの商人が暗号を誤りて剣銃にて突かれしことなど、おおよそ近郷四五里の間の遠征戸籍は一々に暗記したり、最後に館原の藤吉が
空家 (新字新仮名) / 宮崎湖処子(著)
自分をくなすことは、もっと大きな自分をつくるために必要かもしれないと、彼女は自分に言いきかせた。そして、それをするならば、それは今日だ、この覚悟がくずれないうちにと思った。
遠藤(岩野)清子 (新字新仮名) / 長谷川時雨(著)
以上説き来ったところで福沢先生及び我輩が如何いかなる考えを以て世に処したかがほぼ分明であろうと思う。すでに先生はくなられたが、思えば先生はり方が行り方だけにすこぶる敵が多かった。
ああ、この迷迭香ローズ・メリーでもフルール・ドウ・ルシイ——いいえ百合の花フルール・ド・ルスでも、どっちでもいいのだけれどきっとしぼんでしまうにきまってますわ、父のくなりました時、それは立派な最期でしたけど
オフェリヤ殺し (新字新仮名) / 小栗虫太郎(著)
「私、お母さんの子じゃないの。お父様は秦という苗字なの。お父様のくなった時、私、あかんぼでしたから、何も覚えはありませんの。」
嬰寧 (新字新仮名) / 蒲 松齢(著)
杭州城内過軍橋かぐんきょう黒珠巷こくじゅこうという処に許宣きょせんという若い男があったが、それは小さい時に両親をくして、あねの縁づいている李仁りじんという官吏のもとに世話になっていた。
雷峯塔物語 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
今年は蝶ちゃんのお父さんの先生がくなって十年目になり、うちの店から毎月届けている遺族手当も、もうこの辺で切上げてはと店で相談があったのを、誰かから聞込んで
生々流転 (新字新仮名) / 岡本かの子(著)
この方たちのお母さんは一昨年くなられました。ええボートはきっと助かったにちがいありません、何せよほど熟練な水夫たちがいですばやく船からはなれていましたから。
銀河鉄道の夜 (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)
それはという友人であったが、その顧がくなった時、妻子の面倒を見てやったので、邑宰むらやくにんがひどく感心して文章を寄せて交際を求めて来た。
連城 (新字新仮名) / 蒲 松齢(著)
杜陽は後に舅がくなったのでその事業を引受けてやったが、巨万の富を蓄積することができた。
陳宝祠 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
この方たちのお母さんは一昨年さくねんくなられました。ええ、ボートはきっとたすかったにちがいありません、なにせよほど熟練じゅくれん水夫すいふたちがいで、すばやく船からはなれていましたから
銀河鉄道の夜 (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)
後九年して母が果してくなった。宋公は母の葬式をすまして体を洗ってへやへ入ったが、そのまま死んでしまった。
考城隍 (新字新仮名) / 蒲 松齢(著)
私の家は白三班はくさんぱんで、私は白直殿はくちょくでんの妹で、張という家へ嫁いておりましたが、主人がくなりましたので、今日はその墓参をいたしましたが、こんな雨になって、困っているところを
雷峯塔物語 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
ゾンネンタールがくなつたさうですが
『春と修羅』 (新字旧仮名) / 宮沢賢治(著)
しょうという姓の家からむすめをもらって結婚させることにしてあったが、まだ嫁入って来ないうちにくなったので、代りに細君となるべき女を探していたが、まだまとまっていなかった。
嬰寧 (新字新仮名) / 蒲 松齢(著)
鄭は官が吏部郎までいったが、間もなくくなった。阿霞はその葬式を送って帰って来たが、その輿くるまけてみると中は空になって人はいなかった。そこで始めて阿霞が人でないということを知った。
阿霞 (新字新仮名) / 蒲 松齢(著)