“おのずから”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
自然90.9%
9.1%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
時に、露、時雨、霜と乾いて、日は晴れながらひさしの影、自然おのずからなる冬がまえ。朝虹の色寒かりしより以来このかた、狂いと、乱れと咲きかさなり、黄白の輪揺曳ようえいして、小路の空は菊の薄雲。
式部小路 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
しかしどうしても夢とは思えない、あきらめられない人間の世界にこそ、宗教が必要なのです。しかもこの人間味を、深く深く掘り下げてゆきさえすれば、自然おのずからに宗教の世界に達するのです。
般若心経講義 (新字新仮名) / 高神覚昇(著)
去歳こぞの春すがもりしたるか怪しき汚染しみは滝の糸を乱して画襖えぶすま李白りはくかしらそそげど、たてつけよければ身の毛たつ程の寒さを透間すきまかこちもせず、かくも安楽にして居るにさえ、うら寂しくおのずからかなしみを知るに
風流仏 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)