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自然
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しぜん
ふりがな文庫
“
自然
(
しぜん
)” の例文
夏
(
なつ
)
になると、
真
(
ま
)
っ
白
(
しろ
)
な
雲
(
くも
)
が
屋根
(
やね
)
の
上
(
うえ
)
を
流
(
なが
)
れました。
女
(
おんな
)
は、ときどき、それらのうつりかわる
自然
(
しぜん
)
に
対
(
たい
)
して、ぼんやりながめましたが
ちょうと三つの石
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
文化
(
ぶんくわ
)
が
發達
(
はつたつ
)
して
來
(
く
)
れば、
自然
(
しぜん
)
何處
(
どこ
)
か
漠然
(
ばくぜん
)
として
稚氣
(
ちき
)
を
帶
(
お
)
びて
居
(
ゐ
)
るやうな
面白
(
おもしろ
)
い
化物思想
(
ばけものしさう
)
などを
容
(
い
)
れる
餘地
(
よち
)
が
無
(
な
)
くなつて
來
(
く
)
るのである。
妖怪研究
(旧字旧仮名)
/
伊東忠太
(著)
また
貝殼
(
かひがら
)
の
一方
(
いつぽう
)
しかないといふことは、
自然
(
しぜん
)
にたまつたものでなく、
昔
(
むかし
)
の
人
(
ひと
)
が
食
(
く
)
つて
殼
(
から
)
をすてたものであるといふほかはないのです。
博物館
(旧字旧仮名)
/
浜田青陵
(著)
勘次
(
かんじ
)
は
極
(
きは
)
めて
狹
(
せま
)
い
周圍
(
しうゐ
)
を
有
(
いう
)
して
居
(
ゐ
)
る。
然
(
しか
)
し
彼
(
かれ
)
の
痩
(
や
)
せた
小
(
ちひ
)
さな
體躯
(
からだ
)
は、
其
(
そ
)
の
狹
(
せま
)
い
周圍
(
しうゐ
)
と
反撥
(
はんぱつ
)
して
居
(
ゐ
)
るやうな
關係
(
くわんけい
)
が
自然
(
しぜん
)
に
成立
(
なりた
)
つて
居
(
ゐ
)
る。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
旅
(
りよ
)
行の時にはもう
戀
(
こひ
)
人のやうな
伴侶
(
はんりよ
)
で、
撮影
(
さつえい
)
、
現像
(
げんぞう
)
、
燒
(
や
)
き
付
(
つけ
)
の
技量
(
ぎれう
)
も
自然
(
しぜん
)
と巧くなつて、學校での
展覽會
(
てんらんくわい
)
では
得意
(
とくい
)
な出
品
(
ひん
)
物
(
ぶつ
)
であり
写真と思ひ出:――私の写真修行――
(旧字旧仮名)
/
南部修太郎
(著)
▼ もっと見る
その
予備知識
(
よびちしき
)
があつて、ことさらに
尋
(
たず
)
ねてみたのだから、
自然
(
しぜん
)
にこちらも、
注意
(
ちゅうい
)
ぶかくこの
重役
(
じゅうやく
)
の
態度
(
たいど
)
を
観察
(
かんさつ
)
していたわけである。
金魚は死んでいた
(新字新仮名)
/
大下宇陀児
(著)
「
貴方
(
あなた
)
は、
何
(
な
)
んかてえと
家
(
うち
)
が淋しい淋しいツて
有仰
(
おつしや
)
いますけれども、そりや家に病身の人がゐりや、
自然
(
しぜん
)
陰氣
(
いんき
)
になりもしますわ。」
青い顔
(旧字旧仮名)
/
三島霜川
(著)
下
(
した
)
には
小石
(
こいし
)
が一
面
(
めん
)
に
敷詰
(
しきづ
)
めてある。
天井
(
てんぜう
)
の
高
(
たか
)
さは
中央部
(
ちうわうぶ
)
は五
尺
(
しやく
)
四
寸
(
ずん
)
あるが。
蒲鉾式
(
かまぼこしき
)
に
圓
(
まる
)
く
張
(
は
)
つて
居
(
ゐ
)
るので、四
隅
(
すみ
)
はそれより
自然
(
しぜん
)
に
低
(
ひく
)
い。
探検実記 地中の秘密:29 お穴様の探検
(旧字旧仮名)
/
江見水蔭
(著)
あれより外に自慢するものは何もない。所が其富士山は
天然
(
てんねん
)
自然
(
しぜん
)
に
昔
(
むかし
)
からあつたものなんだから仕方がない。
我々
(
われ/\
)
が
拵
(
こしら
)
へたものぢやない
三四郎
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
で、
自然
(
しぜん
)
私達
(
わたくしたち
)
の
対話
(
はなし
)
は
死
(
し
)
んでから
後
(
のち
)
の
事柄
(
ことがら
)
に
限
(
かぎ
)
られることになりました。
私
(
わたくし
)
が
真先
(
まっさ
)
きに
訊
(
き
)
いたのは
良人
(
おっと
)
の
死後
(
しご
)
の
自覚
(
じかく
)
の
模様
(
もよう
)
でした。——
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
尤
(
もつと
)
も
先祖
(
せんぞ
)
は
武家出
(
ぶけで
)
であらうが、
如何
(
いか
)
にも
件
(
くだん
)
の、
世
(
よ
)
が
世
(
よ
)
ならばが、
友
(
とも
)
だちの
耳
(
みゝ
)
に
觸
(
さは
)
つて
聞苦
(
きゝぐる
)
しい。
自然
(
しぜん
)
につきあつて
遊
(
あそ
)
ぶものも
少
(
すく
)
なくなる。
一席話
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
それが
次第
(
しだい
)
に
進
(
すゝ
)
んで、
旅行中
(
りよこうちゆう
)
の
歌
(
うた
)
にはほんとうに
自然
(
しぜん
)
を
詠
(
よ
)
みこなした
立派
(
りつぱ
)
なものが、
萬葉集
(
まんようしゆう
)
になると、だん/\
出
(
で
)
て
來
(
き
)
てゐます。
歌の話
(旧字旧仮名)
/
折口信夫
(著)
見いだし且つは其所の役人
自然
(
しぜん
)
私欲
(
しよく
)
の
筋
(
すぢ
)
等之れあり下々の者
難澁
(
なんじふ
)
致す向もあらば夫々御
糺明
(
きうめい
)
仰付
(
おほせつけ
)
らるゝ御
趣意
(
しゆい
)
なり依て上樣御
目代
(
もくだい
)
との仰を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
いや
阿關
(
おせき
)
こう
言
(
い
)
ふと
父
(
ちゝ
)
が
無慈悲
(
むじひ
)
で
汲取
(
くみと
)
つて
呉
(
く
)
れぬのと
思
(
おも
)
ふか
知
(
し
)
らぬが
決
(
けつ
)
して
御前
(
おまへ
)
を
叱
(
し
)
かるではない、
身分
(
みぶん
)
が
釣合
(
つりあ
)
はねば
思
(
おも
)
ふ
事
(
こと
)
も
自然
(
しぜん
)
違
(
ちが
)
ふて
十三夜
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
(あとになってわかったことだが、くまは、ガラスまどに手をつっこんだひょうしに片手にけがをしたので、
自然
(
しぜん
)
そんな手つきをしたのだ。)
くまと車掌
(新字新仮名)
/
木内高音
(著)
自然
(
しぜん
)
、火薬も少量しか使えないので、そういうピストルは、殺す相手の身体にぴったりとつけて発射しないと、弾丸が身体の中へはいらない。
少年探偵長
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
大浪
(
おほなみ
)
小浪
(
こなみ
)
の
景色
(
けしき
)
、
何
(
なん
)
だ。
今
(
いま
)
の
今
(
いま
)
まで
僕
(
ぼく
)
をよろこばして
居
(
ゐ
)
た
自然
(
しぜん
)
は、
忽
(
たちま
)
ちの
中
(
うち
)
に
何
(
なん
)
の
面白味
(
おもしろみ
)
もなくなつてしまつた。
僕
(
ぼく
)
とは
他人
(
たにん
)
になつてしまつた。
湯ヶ原より
(旧字旧仮名)
/
国木田独歩
(著)
勢
(
いきほひ
)
の
自然
(
しぜん
)
と言つては
堅過
(
かたす
)
ぎるが、
成程
(
なるほど
)
江戸時代
(
えどじだい
)
から
考
(
かんが
)
へて見ても、
湯屋
(
ゆや
)
と
与太郎
(
よたらう
)
とは
横町
(
よこちやう
)
の
方
(
ほう
)
が
語呂
(
ごろ
)
がいゝ。(十八日)
もゝはがき
(新字旧仮名)
/
斎藤緑雨
(著)
もと/\
山
(
やま
)
には、
高
(
たか
)
い
山
(
やま
)
、
低
(
ひく
)
い
山
(
やま
)
、
滑
(
なめら
)
かな
山
(
やま
)
、
嶮
(
けは
)
しい
山
(
やま
)
とさま/″\ありますが、
日本
(
につぽん
)
でも、どれにも、はじめは、
自然
(
しぜん
)
に
木
(
き
)
が
茂
(
しげ
)
つてゐたのです。
森林と樹木と動物
(旧字旧仮名)
/
本多静六
(著)
汝
(
そなた
)
の
黒
(
くろ
)
い
外套
(
マントル
)
で
頬
(
ほゝ
)
に
羽
(
は
)
ばたく
初心
(
うぶ
)
な
血
(
ち
)
をすッぽりと
包
(
つゝ
)
んでたも、すれば
臆病
(
おくびゃう
)
な
此
(
この
)
心
(
こゝろ
)
も、
見
(
み
)
ぬゆゑに
強
(
きつ
)
うなって、
何
(
なに
)
するも
戀
(
こひ
)
の
自然
(
しぜん
)
と
思
(
おも
)
ふであらう。
ロミオとヂュリエット:03 ロミオとヂュリエット
(旧字旧仮名)
/
ウィリアム・シェークスピア
(著)
人の
住
(
すむ
)
あたりの雪は
自然
(
しぜん
)
にきゆるをまたずして
家毎
(
いへごと
)
に雪を
取捨
(
とりすつ
)
るに、あるひは雪を籠にいれてすつるもあり、あるひは
鋸
(
のこぎり
)
にて雪を
挽割
(
ひきわり
)
てすてもし
北越雪譜:06 北越雪譜二編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
といつて、
例
(
れい
)
の
車
(
くるま
)
をさし
寄
(
よ
)
せると、
不思議
(
ふしぎ
)
にも
堅
(
かた
)
く
閉
(
とざ
)
した
格子
(
こうし
)
も
土藏
(
どぞう
)
も
自然
(
しぜん
)
と
開
(
あ
)
いて、
姫
(
ひめ
)
の
體
(
からだ
)
はする/\と
出
(
で
)
ました。
竹取物語
(旧字旧仮名)
/
和田万吉
(著)
正直
(
しやうぢき
)
の
頭
(
かうべ
)
に
神
(
かみ
)
宿
(
やど
)
る——
嫌
(
いや
)
な思をして
稼
(
かせ
)
ぐよりは
真
(
ま
)
ツ
正直
(
しやうぢき
)
に
遊
(
あそ
)
んで
暮
(
くら
)
すが
人間
(
にんげん
)
の
自然
(
しぜん
)
にして
祈
(
いの
)
らずとても
神
(
かみ
)
や
守
(
まも
)
らん。
為文学者経
(新字旧仮名)
/
内田魯庵
、
三文字屋金平
(著)
そこで、
石
(
いし
)
ころの
多
(
おほ
)
い
坂路
(
さかみち
)
を
歩
(
ある
)
いても
疲
(
つか
)
れないやうな
強
(
つよ
)
い
脚
(
あし
)
の
力
(
ちから
)
が、
木曾生
(
きそうま
)
れの
馬
(
うま
)
には
自然
(
しぜん
)
と
具
(
そな
)
はつて
居
(
ゐ
)
るのです。
ふるさと
(旧字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
そこで父母が
姙娠
(
にんしん
)
したことを怪しんで、その女に、「お前は
自然
(
しぜん
)
に
姙娠
(
にんしん
)
した。夫が無いのにどうして姙娠したのか」
古事記:03 現代語訳 古事記
(旧字新仮名)
/
太安万侶
、
稗田阿礼
(著)
「なるほど、
或
(
あるひ
)
はそうかも
知
(
し
)
れない。けれど
自分
(
じぶん
)
は
飢
(
う
)
えてゐる。それだから
食
(
た
)
べる。これは
自然
(
しぜん
)
だ、また
權利
(
けんり
)
だ」
ちるちる・みちる
(旧字旧仮名)
/
山村暮鳥
(著)
でもね人間の力でなくても
自然
(
しぜん
)
の力でも いまここに
映
(
うつ
)
る
位
(
ぐら
)
いのまつすぐな運河もできるのぢや ごらんあれを
小熊秀雄全集-22:火星探険―漫画台本
(新字旧仮名)
/
小熊秀雄
(著)
さすれば、いま天下に身のおきどころのない、
落人
(
おちゅうど
)
が、そこをたよってくるのは、まことに
自然
(
しぜん
)
だとかんがえます
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
美しいもの——と云つて無氣力な私の
觸角
(
しよくかく
)
に寧ろ媚びて來るもの。——さう云つたものが
自然
(
しぜん
)
私を慰めるのだ。
檸檬
(旧字旧仮名)
/
梶井基次郎
(著)
じつにすばらしい
花
(
はな
)
が
日本
(
にっぽん
)
にはあるものだ。いつかお
父
(
とう
)
さんが、
日本
(
にっぽん
)
ほど
自然
(
しぜん
)
の
美
(
び
)
にめぐまれている
国
(
くに
)
はないとおっしゃったが、ほんとうにそうだと
思
(
おも
)
う。
ごんごろ鐘
(新字新仮名)
/
新美南吉
(著)
もし
大
(
たい
)
した
地震
(
ぢしん
)
でないといふ
見込
(
みこみ
)
がついたならば、
心
(
こゝろ
)
も
自然
(
しぜん
)
に
安
(
やす
)
らかなはずであるから
過失
(
かしつ
)
の
起
(
おこ
)
りようもない。
地震の話
(旧字旧仮名)
/
今村明恒
(著)
もしまた
医学
(
いがく
)
の
目的
(
もくてき
)
が
薬
(
くすり
)
を
以
(
もっ
)
て、
苦痛
(
くつう
)
を
薄
(
うす
)
らげるものと
為
(
な
)
すなれば、
自然
(
しぜん
)
ここに一つの
疑問
(
ぎもん
)
が
生
(
しょう
)
じて
来
(
く
)
る。
六号室
(新字新仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
けっしてまっすぐに歩けるものではありません。
自然
(
しぜん
)
に、右か左かにまがってしまいます。人間は、どんなりっぱな
身体
(
からだ
)
のひとでも、右と左とはかたわです……。
風ばか
(新字新仮名)
/
豊島与志雄
(著)
寢食
(
しんしよく
)
の
事
(
こと
)
は
申
(
まを
)
すに
及
(
およ
)
ばず、
器物
(
きぶつ
)
の
取扱
(
とりあつかひ
)
、
火
(
ひ
)
の
事
(
こと
)
、
水
(
みづ
)
の
事
(
こと
)
、
掃除
(
さうぢ
)
の
事
(
こと
)
、
其外
(
そのほか
)
一
體
(
さい
)
の
仕事
(
しごと
)
に
關
(
くわん
)
して
皆
(
みん
)
な
銘々
(
めい/\
)
の
獨立心
(
どくりつしん
)
に
依
(
よ
)
つて
行
(
おこな
)
へば
自然
(
しぜん
)
と
責任
(
せきにん
)
を
重
(
おも
)
んずるやうになる。
女教邇言
(旧字旧仮名)
/
津田梅子
(著)
即
(
すなは
)
ち
熊公
(
くまこう
)
の
口
(
くち
)
から
自然
(
しぜん
)
に
迸
(
ほとば
)
しり
出
(
で
)
た『
目
(
め
)
の
玉
(
たま
)
のでんぐりかへる』といふ
大膽
(
だいたん
)
な
用語
(
ようご
)
が
寧
(
むし
)
ろ
奇拔
(
きばつ
)
でいゝね。
ハガキ運動
(旧字旧仮名)
/
堺利彦
(著)
夜
(
よる
)
の
色
(
いろ
)
にその
葉
(
は
)
の
緑
(
みどり
)
は
黒
(
くろ
)
ずみ、
可愛
(
かあい
)
らしい
珊瑚珠
(
さんごじゆ
)
のやうな
赤
(
あか
)
い
實
(
み
)
も
眠
(
ねむ
)
たげではあるけれど、
荒涼
(
くわうりやう
)
たる
冬
(
ふゆ
)
に
於
(
お
)
ける
唯
(
ゆゐ
)
一の
彩
(
いろど
)
りが、
自然
(
しぜん
)
の
野
(
の
)
からこの
部屋
(
へや
)
に
移
(
うつ
)
されて
日の光を浴びて
(旧字旧仮名)
/
水野仙子
(著)
村に行わるゝ
自然
(
しぜん
)
の
不文律
(
ふぶんりつ
)
で、相応な
家計
(
くらし
)
を立てゝ居る者が他人の
櫟
(
くぬぎ
)
の枝一つ折っても
由々敷
(
ゆゆしい
)
咎
(
とが
)
になるが、貧しい者は
些
(
ちっと
)
やそとのものをとっても、大目に見られる。
みみずのたはこと
(新字新仮名)
/
徳冨健次郎
、
徳冨蘆花
(著)
其
(
その
)
扉
(
とびら
)
は
自然
(
しぜん
)
に
閉
(
と
)
ぢ、
艇
(
てい
)
の
再
(
ふたゝ
)
び
海面
(
かいめん
)
に
浮
(
うか
)
ばんとするや、
其
(
その
)
扉
(
とびら
)
は
忽然
(
こつぜん
)
として
自
(
おのづか
)
ら
開
(
ひら
)
くやうになつて
居
(
を
)
る。
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
さうすれば
自然
(
しぜん
)
あの
方
(
かた
)
のお
名前
(
なまへ
)
にも
傷
(
きず
)
のつくことでございますから、
船
(
ふね
)
にお
乗
(
の
)
りになるまで、
我慢
(
がまん
)
してゐた
方
(
はう
)
が、
双方
(
さうはう
)
の
利益
(
りえき
)
だらうと、
兄
(
あに
)
もさう
申
(
まう
)
しますものですから。
彼女の周囲
(新字旧仮名)
/
徳田秋声
(著)
それにかの女の身ぶりと目つきとは、べつにことばの助けを
借
(
か
)
りる
必要
(
ひつよう
)
のないほどじゅうぶんにものを言って、そこによけい
自然
(
しぜん
)
な
情愛
(
じょうあい
)
がふくまれているようであった。
家なき子:02 (下)
(新字新仮名)
/
エクトール・アンリ・マロ
(著)
文句は
薩張
(
さっぱり
)
分らぬが、如何にも深い思いがあるらしく、誰かをさして訴うるらしく、銀の様な声をあげては延ばし、延ばしては収め、誰教うるともない
節奏
(
せっそう
)
自然
(
しぜん
)
妙
(
みょう
)
に
入
(
い
)
って
漁師の娘
(新字新仮名)
/
徳冨蘆花
(著)
人間の子が
自然
(
しぜん
)
の理にしたがって、スクスクとのびて行くことにも無限の喜びを感じていた。
親は眺めて考えている
(新字新仮名)
/
金森徳次郎
(著)
圖中
精製石棒
(
せい/\いしばう
)
中央の下に
畫
(
ゑが
)
きたるは
自然
(
しぜん
)
の扁平石にして、周縁相對する部に
人爲
(
じんゐ
)
の
缺損
(
けつそん
)
有り。
コロボックル風俗考
(旧字旧仮名)
/
坪井正五郎
(著)
朝廷
(
ちょうてい
)
が
二派
(
ふたは
)
に
分
(
わ
)
かれたものですから、
自然
(
しぜん
)
おそばの
武士
(
ぶし
)
たちの
仲間
(
なかま
)
も
二派
(
ふたは
)
に
分
(
わ
)
かれました。
鎮西八郎
(新字新仮名)
/
楠山正雄
(著)
ゴットフリートは一
晩
(
ばん
)
に一つきり歌わなかった。
頼
(
たの
)
んでも
気持
(
きもち
)
よく歌ってはくれないことを、クリストフは知っていた。歌いたい時に
自然
(
しぜん
)
に
出
(
で
)
てくるのでなくてはだめだった。
ジャン・クリストフ
(新字新仮名)
/
ロマン・ロラン
(著)
自然
(
しぜん
)
の
風景
(
ふうけい
)
を
写
(
うつ
)
すほかは、
画帳
(
がちょう
)
は
悉
(
ことごと
)
く、
裸婦
(
らふ
)
の
像
(
ぞう
)
に
満
(
み
)
たされているという
変
(
かわ
)
り
様
(
よう
)
だった。
おせん
(新字新仮名)
/
邦枝完二
(著)
壯烈
(
そうれつ
)
なる
剛腸
(
ごうちよう
)
屡
(
しばし
)
ば
破天荒
(
はてんこう
)
の
暴圖
(
ぼうと
)
を
企
(
くわだ
)
て、シベリアの
霜雪
(
そうせつ
)
をして
自然
(
しぜん
)
の
威嚴
(
いげん
)
を
失
(
うしな
)
はしむ。
罪と罰(内田不知庵訳)
(旧字旧仮名)
/
北村透谷
(著)
人と森との
原始的
(
げんしてき
)
な
交渉
(
こうしょう
)
で、
自然
(
しぜん
)
の
順違
(
じゅんい
)
二面
(
にめん
)
が農民に
与
(
あた
)
えた
永
(
なが
)
い間の
印象
(
いんしょう
)
です。森が
子供
(
こども
)
らや
農具
(
のうぐ
)
をかくすたびに、みんなは「
探
(
さが
)
しに行くぞお」と
叫
(
さけ
)
び、森は「
来
(
こ
)
お」と答えました。
『注文の多い料理店』新刊案内
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
道
(
みち
)
というものは
川
(
かわ
)
によく
似
(
に
)
ています。それは、
川
(
かわ
)
というものがもともと
道
(
みち
)
だからです。つまり、川というのは
自然
(
しぜん
)
に
出来
(
でき
)
た道で、人は七
里
(
り
)
ひと
跳
(
と
)
びの
靴
(
くつ
)
をはいてそこを歩き
廻
(
まわ
)
るのです。
母の話
(新字新仮名)
/
アナトール・フランス
(著)
こういうことは、夏でないと、よく見えないのですが、それでもニールスは、
自然
(
しぜん
)
はなんておだやかでやさしいんだろうと思いました。そして、まえよりも、ずっと心がおちついてきました。
ニールスのふしぎな旅
(新字新仮名)
/
セルマ・ラーゲルレーヴ
(著)
“自然”の解説
自然(しぜん、el: φύσις la: natura en: nature)について解説する。
(出典:Wikipedia)
自
常用漢字
小2
部首:⾃
6画
然
常用漢字
小4
部首:⽕
12画
“自然”で始まる語句
自然薯
自然石
自然木
自然生
自然界
自然淘汰
自然物
自然法爾
自然現象
自然霊