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おのづ
ふりがな文庫
“
自
(
おのづ
)” の例文
また夜更けに話すのと、白晝に話すのとは、
自
(
おのづ
)
から人の氣分も違ふ譯ですから、勢ひ周圍にある天然を
外
(
よそ
)
にする譯に行かないでせう。
小説に用ふる天然
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
貫一は食はんとせし栗を持ち直して、
屹
(
き
)
とお峯に打向ひたり。聞く耳もあらずと知れど、秘密を語らんとする彼の声は
自
(
おのづ
)
から
潜
(
ひそま
)
りぬ。
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
必らず
酬
(
むく
)
ふべしと思ふ程ならば、酬はずして
自
(
おのづ
)
から酬ゆるものを。必らず忘れじといふ恩ならば、忘るゝとも自から忘るまじきを。
哀詞序
(新字旧仮名)
/
北村透谷
(著)
私は初めての事でもあり、且つは、
話題
(
はなし
)
を絶やさぬ志田君と隣つて居る故か、
自
(
おのづ
)
と人の目について、返せども、/\、盃が集つて来る。
菊池君
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
衆人醉へる中に獨り醒むる者は
容
(
い
)
れられず、斯かる氣質なれば時頼は
自
(
おのづ
)
から
儕輩
(
ひと/″\
)
に
疎
(
うとん
)
ぜられ、瀧口時頼とは武骨者の
異名
(
いみやう
)
よなど嘲り合ひて
滝口入道
(旧字旧仮名)
/
高山樗牛
(著)
▼ もっと見る
彼寺
(
かのてら
)
、
此邸
(
このてい
)
、皆
其
(
それ
)
等古人の目に触れ、前の橋、
後
(
うしろ
)
の
路
(
みち
)
、
凡
(
すべ
)
て
其
(
それ
)
等偉人の足跡を
印
(
しる
)
して居るのだと思へば予の胸は
自
(
おのづ
)
から
跳
(
をど
)
る。
巴里より
(新字旧仮名)
/
与謝野寛
、
与謝野晶子
(著)
野々宮君は生涯現実世界と接触する気がないのかも知れない。要するに此静かな空気を呼吸するから、
自
(
おのづ
)
からあゝ云ふ気分にもなれるのだらう。
三四郎
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
自
(
おのづ
)
からときめく胸を抑へてわたしは其処へ行つた。と、またこれはどうしたことぞ、其処は大きなランプ部屋であつた。
木枯紀行
(新字旧仮名)
/
若山牧水
(著)
是を以て君
言
(
のたま
)
ふときは臣承はり、上行ふときは下
靡
(
なび
)
く。故に詔を承はりては必ず慎め、謹まずんば
自
(
おのづ
)
からに敗れなむ。
大和古寺風物誌
(新字新仮名)
/
亀井勝一郎
(著)
かくの如く路地は一種云ひがたき生活の悲哀の
中
(
うち
)
に
自
(
おのづ
)
から又深刻なる滑稽の情趣を伴はせた小説的世界である。
路地
(新字旧仮名)
/
永井荷風
(著)
ソレから其年靜岡に行くまでには馬鹿な危險の目にも
自
(
おのづ
)
から出遇ツたし、今考へて見るとお話しをするにも困る程の始末だが、たゞ其頃は
些
(
すこ
)
しも
山氣
(
やまぎ
)
なし
兵馬倥偬の人
(旧字旧仮名)
/
塚原渋柿園
、
塚原蓼洲
(著)
信仰に
由
(
よ
)
りて我等が認むる所の物もかしこにては知らるべし、但し
證
(
あかし
)
せらるゝに
非
(
あら
)
ず、人の信ずる第一の眞理の如くこの物
自
(
おのづ
)
から明らかならむ 四三—四五
神曲:03 天堂
(旧字旧仮名)
/
アリギエリ・ダンテ
(著)
それは
自
(
おのづ
)
から作品の中にさういふものが含まれるといふだけであつて、作家としての心構へとしてはやつぱり見物と対等の立場で作品を書くべきだと思ひます。
対話
(新字旧仮名)
/
岸田国士
(著)
自
(
おのづ
)
から
睡氣
(
ねむけ
)
の差すまで、かうして過してゐる二三十分間が、彼れには一日中の最も樂しい時間であつた。
入江のほとり
(旧字旧仮名)
/
正宗白鳥
(著)
強いて一度は冷かな笑を湛え得たにしても、それは
自
(
おのづ
)
から内から崩れて行く。忽ち縦断されて了ふ。
心理の縦断
(新字旧仮名)
/
田山花袋
、
田山録弥
(著)
さう心に誓つてゐて、私は自棄の気味と
自
(
おのづ
)
からなる性の目覚めとで、下女とみだらな関係を結んだ。
途上
(新字旧仮名)
/
嘉村礒多
(著)
東岸一帶は小高い丘をなして
自
(
おのづ
)
から海風をよけ、幾多の人家は水の
畔
(
はた
)
から上段かけて其蔭に群がり、幾多の舟船は其蔭に
息
(
いこ
)
うて居る。余等は辨天社から燈臺の方に上つた。
熊の足跡
(旧字旧仮名)
/
徳冨蘆花
(著)
自
(
おのづ
)
から振作するの勇氣は、以て笑ひつゝ天災地變に臨むことが出來ると思ふものゝ、絶つに絶たれない係累が多くて見ると、どう考へても事に對する處決は單純を許さない。
水害雑録
(旧字旧仮名)
/
伊藤左千夫
(著)
櫻町
(
さくらまち
)
が
殿
(
との
)
の
面影
(
おもかげ
)
も
今
(
いま
)
は
飽
(
あ
)
くまで
胸
(
むね
)
に
浮
(
うか
)
べん、
我
(
わ
)
が
良人
(
をつと
)
が
所爲
(
しよゐ
)
のをさなきも
強
(
しひ
)
て
隱
(
かく
)
さじ、
百八
(
ひやくはち
)
煩惱
(
ぼんなう
)
自
(
おのづ
)
から
消
(
き
)
えばこそ、
殊更
(
ことさら
)
に
何
(
なに
)
かは
消
(
け
)
さん、
血
(
ち
)
も
沸
(
わ
)
かば
沸
(
わ
)
け
炎
(
ほのほ
)
も
燃
(
も
)
えばもえよとて
軒もる月
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
なし流れ/\て嘉川家へ
入
(
いり
)
込しに當時嘉川の
評判
(
ひやうばん
)
惡
(
あし
)
き故
自
(
おのづ
)
から
知音
(
ちいん
)
の人も
遠
(
とほ
)
ざかりしにより
常陸
(
ひたち
)
筑波
(
つくば
)
山の近邊に少しの知音を
便
(
たよ
)
り行んと千住へ出筑波を
指
(
さし
)
て急ぎしが先江戸
近邊
(
きんぺん
)
を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
俊男
(
としを
)
は見るともなく
自
(
おのづ
)
と
庭
(
には
)
に
蔓
(
はびこ
)
ツた
叢
(
くさむら
)
に眼を移して力なささうに
頽然
(
ぐつたり
)
と
倚子
(
いす
)
に
凭
(
もた
)
れた。
青い顔
(旧字旧仮名)
/
三島霜川
(著)
ユウゴオの趣味は典雅ならず、性情奔放にして
狂颷
(
きようひよう
)
激浪の如くなれど、
温藉静冽
(
おんしやせいれつ
)
の気
自
(
おのづ
)
からその詩を貫きたり。
対聯
(
たいれん
)
比照に富み、光彩陸離たる形容の文辞を畳用して、
燦爛
(
さんらん
)
たる一家の詩風を作りぬ。
海潮音
(新字旧仮名)
/
上田敏
(著)
自
(
おのづ
)
から詩の情想の底に漂つてゐる。
定本青猫:01 定本青猫
(旧字旧仮名)
/
萩原朔太郎
(著)
今にして思へば政海の波浪は
自
(
おのづ
)
から高く自から
卑
(
ひく
)
く、虚名を貪り俗情に
蹤
(
お
)
はるゝの人には
棹
(
さを
)
を
役
(
つか
)
ひ、
橈
(
かい
)
を用ゆるのおもしろみあるべきも
三日幻境
(新字旧仮名)
/
北村透谷
(著)
私は初めての事でもあり、且つは、話題を絶やさぬ志田君と隣つて居る故か、
自
(
おのづ
)
と人の目について、返せども返せども、盃が集つて來る。
菊池君
(旧字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
男たちは
自
(
おのづ
)
から
荒
(
すさ
)
められて、女の
挙
(
こぞ
)
りて
金剛石
(
ダイアモンド
)
に
心牽
(
こころひか
)
さるる
気色
(
けしき
)
なるを、
或
(
あるひ
)
は
妬
(
ねた
)
く、或は浅ましく、多少の興を
冷
(
さま
)
さざるはあらざりけり。
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
つゞいて、だから
先刻
(
さつき
)
云つた
金
(
かね
)
を貸して
下
(
くだ
)
さい、といふ文句が
自
(
おのづ
)
から
頭
(
あたま
)
の
中
(
なか
)
で
出来上
(
できあが
)
つた。——けれども代助はたゞ苦笑して
嫂
(
あによめ
)
の前に
坐
(
すは
)
つてゐた。
それから
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
わがかく
説分
(
ときわく
)
る處正しくば、愛せらるゝ禍ひは即ち
隣人
(
となりびと
)
の禍ひなる事亦
自
(
おのづ
)
から明かならむ、而して汝等の
泥
(
ひぢ
)
の中にこの愛の生ずる
状
(
さま
)
三あり 一一二—一一四
神曲:02 浄火
(旧字旧仮名)
/
アリギエリ・ダンテ
(著)
独逸
(
ドイツ
)
は南北に
由
(
よつ
)
て風土にも人情にも差があると聞いて居たが、南
独逸
(
ドイツ
)
の
精粋
(
せいすゐ
)
であるミユンヘンは自然の景勝も人づきあひも
自
(
おのづ
)
から
仏蘭西
(
フランス
)
に似た所が多い様である。
巴里より
(新字旧仮名)
/
与謝野寛
、
与謝野晶子
(著)
……よく
年
(
とし
)
よりが
言
(
い
)
つて
聞
(
き
)
かせた。——
飜
(
ひるがへ
)
つて
思
(
おも
)
ふに、
自
(
おのづ
)
から
忌
(
い
)
み
憚
(
はゞか
)
るやうに、
人
(
ひと
)
の
手
(
て
)
から
遠
(
とほ
)
ざけて、
渠等
(
かれら
)
を
保護
(
ほご
)
する、
心
(
こゝろ
)
あつた
古人
(
こじん
)
の
苦肉
(
くにく
)
の
計
(
はかりごと
)
であらうも
知
(
し
)
れない。
間引菜
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
其の騷々しさは又
自
(
おのづ
)
から牽手の心を興奮させる。自分は二頭の牝牛を引いて門を出た。腹部まで水に浸されて引出された乳牛は、どうされると思ふのか、右往左往と狂ひ廻る。
水害雑録
(旧字旧仮名)
/
伊藤左千夫
(著)
うしろ向きの表情の何処かにそれが
自
(
おのづ
)
から出るんだといふ、さういふ暗示的な一つの表現として受取れば受取れるんだけれども、それが少し行過ぎると作者の悪戯になるでせうね。
対話
(新字旧仮名)
/
岸田国士
(著)
その若者の群の中にも
自
(
おのづ
)
から勢力の有るものと、無いものとの区別があつて、其勢力のある者が、まだ十六七の若い青年を面白半分に悪いところに誘つて行く、これが第一の弊だと思ふ。
重右衛門の最後
(新字旧仮名)
/
田山花袋
(著)
偖又半四郎は
時
(
とき
)
移
(
うつ
)
るに隨ひて
醉
(
ゑひ
)
は十分に
發
(
はつ
)
し
自
(
おのづ
)
から
高聲
(
かうせい
)
になり彼町人體の男に向ひ貴樣の樣なる者は
道連
(
みちづれ
)
になると茶屋なとへ引づり
込
(
こみ
)
此樣に
打解
(
うちとけ
)
て酒を
呑合
(
のみあひ
)
百年も
交際
(
つきあひ
)
し如くなして相手の
油斷
(
ゆだん
)
を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
名利
(
みやうり
)
の外に身を
處
(
お
)
けば、
自
(
おのづ
)
から嫉妬の念も起らず、
憎惡
(
ぞうを
)
の情も
萌
(
きざ
)
さず、山も川も木も草も、愛らしき
垂髫
(
うなゐ
)
も、
醜
(
みにく
)
き老婆も、我れに惠む者も、我れを賤しむ者も、我れには等しく可愛らしく覺えぬ。
滝口入道
(旧字旧仮名)
/
高山樗牛
(著)
波
自
(
おのづ
)
から跳り、枝
自
(
おのづ
)
から飛びて
牧羊神
(旧字旧仮名)
/
上田敏
(著)
春は俗を狂せしむるに
宜
(
よけ
)
れど、秋の士を高うするに
如
(
し
)
かず。花の人を酔はしむると月の人を
清
(
す
)
ましむるとは、
自
(
おのづ
)
から
味
(
あじはひ
)
を異にするものあり。
秋窓雑記
(新字旧仮名)
/
北村透谷
(著)
山田
(
やまだ
)
は
元来
(
ぐわんらい
)
閉戸主義
(
へいこしゆぎ
)
であつたから、
其
(
そ
)
の
躯
(
からだ
)
が
恁
(
かう
)
云
(
い
)
ふ
雑務
(
ざつむ
)
に
鞅掌
(
わうしやう
)
するのを
許
(
ゆる
)
さぬので、
自
(
おのづ
)
から
遠
(
とほざ
)
かるやうに
成
(
な
)
つたのであります
硯友社の沿革
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
そこはかとなき若い
悲哀
(
かなしみ
)
——
手頼
(
たより
)
なさが、消えみ明るみする螢の光と共に胸に往来して、
他
(
ひと
)
にとも自分にとも解らぬ、一種の同情が、
自
(
おのづ
)
と
呼吸
(
いき
)
を深くした。
鳥影
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
「いや学校ぢや英語丈しか受持つてゐないがね、あの人間が、
自
(
おのづ
)
から哲学に出来上つてゐるから面白い」
三四郎
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
此
(
こ
)
の
兒
(
じ
)
、
最
(
もつとも
)
少
(
いとけ
)
なしと
雖
(
いへど
)
も、
後
(
のち
)
に
自
(
おのづ
)
から
設得
(
まうけえ
)
んと。
果
(
はた
)
せる
哉
(
かな
)
、
長
(
ひとと
)
なりて
荊州
(
けいしう
)
の
刺史
(
しし
)
となるや、
潛
(
ひそか
)
に
海船
(
かいせん
)
を
操
(
あやつ
)
り、
海
(
うみ
)
を
行
(
ゆ
)
く
商賈
(
しやうこ
)
の
財寶
(
ざいはう
)
を
追剥
(
おひはぎ
)
して、
富
(
とみ
)
を
致
(
いた
)
すこと
算
(
さん
)
なし。
後
(
のち
)
に
衞尉
(
ゑいゐ
)
に
拜
(
はい
)
す。
唐模様
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
呼
(
よぶ
)
ものなく叮嚀屋と云へば長八の事となり段々心安き得意も
殖
(
ふえ
)
相應に屑も
買出
(
かひいだ
)
せしかば
早晩
(
いつしか
)
昔
(
むか
)
しの身の上も忘れて追々錢の
儲
(
まう
)
かるに隨ひ
自
(
おのづ
)
から商賣に
勵
(
はげ
)
みが付て長八は毎日々々相變らず
裏々
(
うら/\
)
の長屋々々を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
少焉
(
しばし
)
泣きたりし女の声は
漸
(
やうや
)
く鎮りて、又
湿
(
しめ
)
り
勝
(
がち
)
にも語り
初
(
そ
)
めしが、一たび
情
(
じよう
)
の為に激せし声音は、
自
(
おのづ
)
から始よりは高く響けり。
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
知らぬうちとて、黙思逍遙の好地と思ひしところ、この物語を聞きてよりは、
自
(
おのづ
)
からに足をそのあたりに向けずなりにき。
鬼心非鬼心:(実聞)
(新字旧仮名)
/
北村透谷
(著)
そこはかとなき若き悲哀——手頼りなさが、消えみ明るみする螢の光と共に胸に往來して、
他
(
ひと
)
にとも自分にとも解らぬ、一種の同情が、
自
(
おのづ
)
と呼吸を深くした。
鳥影
(旧字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
其内
(
そのうち
)
定期
(
ていき
)
の三
週間
(
しうかん
)
も
過
(
す
)
ぎて、
御米
(
およね
)
の
身體
(
からだ
)
は
自
(
おのづ
)
からすつきりなつた。
御米
(
およね
)
は
奇麗
(
きれい
)
に
床
(
とこ
)
を
拂
(
はら
)
つて、
新
(
あた
)
らしい
氣
(
き
)
のする
眉
(
まゆ
)
を
再
(
ふたゝ
)
び
鏡
(
かゞみ
)
に
照
(
て
)
らした。それは
更衣
(
ころもがへ
)
の
時節
(
じせつ
)
であつた。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
其
(
そ
)
の
盲人
(
めくら
)
は、こゝに
先達
(
せんだつ
)
の
其
(
そ
)
の
長頭
(
ながあたま
)
である
事
(
こと
)
は、
自
(
おのづ
)
から
坂上
(
さかがみ
)
の
胸
(
むね
)
に
響
(
ひゞ
)
く。
三人の盲の話
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
万物その
自
(
おのづ
)
からなる声をなして、而して美術はその声を具躰にしたるものに過ぎざれば、形は如何にありとも、その声の主なる心にして卑野なれば
万物の声と詩人
(新字旧仮名)
/
北村透谷
(著)
宗助
(
そうすけ
)
は
小六
(
ころく
)
の
所置
(
しよち
)
を
付
(
つ
)
ける
好機會
(
かうきくわい
)
が、
求
(
もと
)
めざるに
先
(
さき
)
だつて、
春
(
はる
)
と
共
(
とも
)
に
自
(
おのづ
)
から
回
(
めぐ
)
つて
來
(
き
)
たのを
喜
(
よろ
)
こんだ。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
口が
自
(
おのづ
)
からポカンと開いたも心付かず、臆病らしい眼を
怯々然
(
きよろきよろ
)
と両側の家に配つて、到頭、村も
端
(
はづれ
)
近くなつた
辺
(
あたり
)
で、
三国屋
(
さんごくや
)
といふ木賃宿の
招牌
(
かんばん
)
を見付けた時は、
渠
(
かれ
)
には
既
(
も
)
う
赤痢
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
自
常用漢字
小2
部首:⾃
6画
“自”を含む語句
自分
自然
自動車
自由
各自
自家
自己
自身
自暴自棄
自白
自然生
自惚
自宅
不自由
乗合自動車
耳面刀自
自若
自然薯
自儘
自鳴鐘
...