うぬ)” の例文
慰めにも為りてやりたしと、人知らば可笑をかしかるべきうぬぼれも手伝ひて、おぬひの事といへば我が事のように喜びもしいかりもして過ぎ来つるを
ゆく雲 (新字旧仮名) / 樋口一葉(著)
うぬぼれ過ぎた為めに飛んだ失敗を演じる例は、世に間々ままあることですけれど、これはまた自ぼれのなさ過ぎた為の悲劇です。何という本意ないことでしょう。
日記帳 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
私は母から見れば妙な子と云われてもしかたがない、って云う事はうぬぼれのつよい自分でも知って居る。
妙な子 (新字新仮名) / 宮本百合子(著)
ひとらば可笑をかしかるべきうぬぼれも手傳てつだひて、おぬひのことといへばことのようによろこびもしいかりもしてつるを、すてゝいま故郷こきようにかへらばのこれるこゝろぼそさいかばかりなるべき
ゆく雲 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)