トップ
>
房
>
へや
ふりがな文庫
“
房
(
へや
)” の例文
「……私の汚れ物を皆入れてありますから、それを
除
(
の
)
ける間、ちょっとお母さまのお
房
(
へや
)
でお待ちしてくださいませ、すぐ
執
(
と
)
り除けますから」
悪僧
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
既にして導かれてロオザが
房
(
へや
)
に入るに、こゝも幌を垂れて日光を遮りたれば、外より入るものはその暗きに驚かんとす。
即興詩人
(旧字旧仮名)
/
ハンス・クリスチャン・アンデルセン
(著)
時々彼は立上つて
房
(
へや
)
のなかを行つたり來たりする。わづか三歩半で向ふの壁につきあたるやうな房のなかなのだ。
盲目
(旧字旧仮名)
/
島木健作
(著)
張鴻業
(
ちょうこうぎょう
)
という人が
秦淮
(
しんわい
)
へ行って、
潘
(
はん
)
なにがしの家に寄寓していた。その
房
(
へや
)
は河に面したところにあった。
中国怪奇小説集:16 子不語(清)
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
処女の室は、まだ開かぬ花の内部である、
闇
(
やみ
)
の中の白色である、閉じたる
百合
(
ゆり
)
のひそやかな
房
(
へや
)
で、太陽の光がのぞかぬうちは人がのぞいてはならないものである。
レ・ミゼラブル:08 第五部 ジャン・ヴァルジャン
(新字新仮名)
/
ヴィクトル・ユゴー
(著)
▼ もっと見る
世の常ならば
生面
(
せいめん
)
の客にさえ交わりを結びて、旅の
憂
(
う
)
さを慰めあうが航海の習いなるに、
微恙
(
びよう
)
にことよせて
房
(
へや
)
のうちにのみ
籠
(
こも
)
りて、同行の人々にも物言うことの少なきは
舞姫
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
が、いつまでも、起き出てこないので、自身、
房
(
へや
)
へ行ってみると、王進の母が、ゆうべ
夜半
(
よなか
)
から持病をおこして、今朝もまだ、子の介抱にうめきを
怺
(
こら
)
えている様子だった。
新・水滸伝
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
まずひまつぶしに適している。退屈な時には
髯
(
ひげ
)
の数さえ勘定して見たくなる者だ。
昔
(
むか
)
し獄に投ぜられた囚人の一人は
無聊
(
ぶりょう
)
のあまり、
房
(
へや
)
の壁に三角形を重ねて
画
(
か
)
いてその日をくらしたと云う話がある。
吾輩は猫である
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
旅宿は狹けれど、猶おん身が憩はん程の
房
(
へや
)
はあるべし。をぢ君の性急なるはおん身も兼ねて知れるならずや。この
和睦
(
わぼく
)
をばわれ誓ひて成し遂ぐべしといふ。
即興詩人
(旧字旧仮名)
/
ハンス・クリスチャン・アンデルセン
(著)
彼は女のさがって往く
房
(
へや
)
はどこだろうと考えたあげく、
西房
(
せいぼう
)
の方へ往ってその窓から
覗
(
のぞ
)
いた。
東房
(
とうぼう
)
からさがって来た夫人が物悩ましそうに坐って耳を
澄
(
す
)
ますようにしていた。
悪僧
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
湖広に
房山
(
ぼうざん
)
という高い山がある。山は甚だ嶮峻で、四面にたくさんの洞窟があって、それがあたかも
房
(
へや
)
のような形をなしているので、房山と呼ばれることになったのである。
中国怪奇小説集:16 子不語(清)
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
「お
客人
(
まろうど
)
。あらためて、とくとお話し申したいことがおざる。茶なと煮て、わしの
房
(
へや
)
でお待ちしておりますぞ。おそれいるが、伜めを連れて、あとよりお越しくださらぬか」
新・水滸伝
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
世の常ならば生面の客にさへ交を結びて、旅の憂さを慰めあふが航海の習なるに、
微恙
(
びやう
)
にことよせて
房
(
へや
)
の裡にのみ籠りて、同行の人々にも物言ふことの少きは、人知らぬ恨に頭のみ惱ましたればなり。
舞姫
(旧字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
その夜李張が家へ帰って寝ていると、その
枕頭
(
まくらもと
)
へ青い
衣
(
きもの
)
を着た小柄な秀才が来た。李張はこうして締め切ってある
房
(
へや
)
の内へどうして入って来たろうと思って不審して見ていた。
悪僧
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
夫人は我側に寄りて、兼ねても聞き給ふならん、拿破里は
少
(
わか
)
き人には危き地なりなど云ひ、猶何事をか告げんとせしに、フエデリゴも
房
(
へや
)
より出でしかば、物語はこゝに絶えぬ。
即興詩人
(旧字旧仮名)
/
ハンス・クリスチャン・アンデルセン
(著)
世の常ならば
生面
(
せいめん
)
の客にさへ
交
(
まじはり
)
を結びて、旅の憂さを慰めあふが航海の
習
(
ならひ
)
なるに、
微恙
(
びやう
)
にことよせて
房
(
へや
)
の
裡
(
うち
)
にのみ
籠
(
こも
)
りて、同行の人々にも物言ふことの少きは、人知らぬ恨に
頭
(
かしら
)
のみ悩ましたればなり。
舞姫
(新字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
暫くして
房
(
へや
)
の中から
黄英
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
“房”の意味
《名詞》
(ボウ)二十八宿の一つ。東方の星宿。房宿。そいぼし。
(出典:Wiktionary)
房
常用漢字
中学
部首:⼾
8画
“房”を含む語句
女房
阿房
乳房
厨房
安房
閨房
房々
独房
女房子
監房
煖房
臥房
小房
房子
小女房
房奴
恋女房
寝房
房州
房楊枝
...