居室へや)” の例文
居室へやかへつてると、ちやんと整頓かたづいる。とき書物しよもつやら反古ほごやら亂雜らんざつきはまつてたのが、もの各々おの/\ところしづかにぼくまつる。
都の友へ、B生より (旧字旧仮名) / 国木田独歩(著)
彼女あれは眠っている、眠っている、死んだのではない! わしは居室へやに行って呼んで見よう、美しいものよ、眼をさませ! わしだ、コノール王だ! と言って見よう。
ウスナの家 (新字新仮名) / フィオナ・マクラウド(著)
同時どうじ一室ひとまいたおく居室へやからふるごゑで、なんでせうね。さらに、一寸ちよつとなんでせうね。むことをず、えゝ、なんですか、おとがしますが、と、これをキツカケにおもつて障子しやうじけた。
怪談女の輪 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
卒業されてから十八年の長い間、全く消息を絶っておられた正木先生が、思いがけなく当大学、法医学部の私の居室へやをノックされましたのには、流石さすがの私もビックリ致しました。
ドグラ・マグラ (新字新仮名) / 夢野久作(著)
黄金と玻瓈はりの戸ある君が居室へやのひかり輝き充てり
ウスナの家 (新字新仮名) / フィオナ・マクラウド(著)
自分の居室へやでありながら自分の居室へやでない。
暗黒公使 (新字新仮名) / 夢野久作(著)